ワイフの実家に年始の挨拶。ワイフが幼女時代落ちて、近くにいた多分漁師さんとおもわれる謎の男性に助けられた港。
その時の経緯は猫ファンタジーとして書いたことがある。JR沿線沿いに好き勝手に繁茂しているブーゲンビリア。
書道家である義母のアトリエ、作品展準備が進んでいた。
「もみじ葉の流れざりせば竜田川 水の秋をばたれか知らまし」古今和歌集、紀貫之の著名な歌。
今年は義父の注文していたおせち料理は廃止で、いつもの義母の手料理、ほとんど徹夜で、すごい量作ってもらっていたので食べないわけにいかない。
奄美の豚耳の味噌漬けが美味しかった。本土では奄美のなり味噌(蘇鉄澱粉ーなり粉を使った味噌)が安く手に入らないので普通の白味噌で作らざるを得なかったと残念そうだった。食べてみると実際成り味噌の味を知っている私もそう思った。でも十分美味しかった。
いつもの正月のようで今年は義父の場所に彼は居ない。去年の正月には義父は元気だった。本当に突然だった。
でも時は変わらず進んでいく。
私は死にかけたが、下手するとかなり危ないやりとりになるところだったのを運良く免れた。
でも時はそんなこと構わずに進んでいくっていうのを思い知らされた。残っているものたちの時間は、色々ショックなことがあると止まってしまったかのような錯覚を受けるが、でも実際に時は止まらない。とまってくれない。
ところで、義母は秋頃、家に鼠が出ると話していたので、餌も入り込む場所も多い家だしクマネズミだとコツがわかってないと苦戦するはずで、ヘルプに行こうかと思っていたのだが、手製の粘着トラップであっさり殲滅していた。「婆ちゃん、マクガイバーみたい」だって海外ドラマファンの次男にツボ。マクガイバーとは80年代のTVドラマ『冒険野郎マクガイバー』のリブート版の方、主人公は、秘密組織で危険な任務に就く敏腕エージェントだが、銃が大嫌いで身の回りにある日用品などを利用して絶体絶命のピンチを切り抜けるというのが毎回のシナリオのポイント。
義母の世代で狩猟の必要がある人は、大抵罠を自作するものだ。ホームセンターもネット検索からのショッピングもない時代、作るしかなかったわけなので。でもガムテープを巧妙に使ったその手製の粘着トラップに何匹ものクマネズミの幼獣が一網打尽になっているその画像を見て感動した。
閲覧注意的に刺激が強いので、画像のモンドリアン的表現で。これでも十分にネズミだということが分かるから、ピエト・モンドリアン、やっぱりすげーってしていいのか。実際に違法箱罠で回収されたものでも、「よくぞ作った」みたいな捕獲罠は何度か見たことがある。くくり罠でも、経験豊富な狩猟者は、既製品を魔改造して使っておられたりする。義母の粘着トラップも実際そんな感じ。仕上げも素晴らしかったが、クマネズミさんの子どもたちが貼り付いていた写真しかなかったので、そのままの画像アップは避けることにした。
義母は隙のない罠を作成しただけではなく、クマネズミのランウェイをきちんと読み、粘着トラップを彼らが避けようもない場所を選んで、ぴったりセットしていた。私の捕獲指導など必要なかった。完璧である。
それをまた義母はちゃんとデジカメで撮っててそれを街角の写真屋さんでDVDに焼いてもらい、ムーディーな音楽を入れて編集してもらっていた。お昼を食べるとき、坊主めくりのようにネズミの粘着トラップに捕らえられた画が混ざったスライドショーがエンドレスでTVから流れていた。私達家族はそれを不意打ちのように鑑賞することになった。
私は狂喜して、「お義母さん、もとの画像ありますか?」って訊いたわけである。もちろんすぐに義母は出してくれた。完璧である。
やばい原画を見たい方は、この辺りをクリック。
閲覧注意。
思わぬ初笑いとなった帰りは、例によって義母にもらった大量の橙やじゃがいもなどの野菜を満載して戻った。捕獲されたネズミたちが食い損ねた鍋いっぱいの芋の天ぷらも。