チャンチンモドキ #1
2011年 01月 05日
「?」
「シカが食っとる種があるんだが,ドングリぐらいで・・・」
シカの肉は唐揚げにすると良いよと教えてくださった猟師さんとの話だった。
私にはピンと来た。以前シカの密度を測定しているステーションでやたらに目立った種があった。勿論その種を食べに来ているからそこにステーションを立てたわけではないのだが,気になるシカっぽい食痕を見ていたのだ。
「アラカシぐらいの大きさで,ラグビーボールみたいで,ちょっと気持ち悪い感じの孔が空いてるやつじゃありませんか?」
「そうだそうだ,そんな感じの種だ。」
堅果(ドングリ)をシカが食うことは,知っている人には常識だが,実際,シカも種子食をやるようだ。
猟師さんの世界は,思いこみの激しい,都市伝説も多い一方で,しっかりした観察眼を持った方もおられる。話していて,ナチュラリストとしての視点がしっかりした猟師さんとは,ちゃんと親交を持つように心がけるようになって,随分色々なことを学んだ。
「多分,チャンチンモドキだと思いますよ。」
全くの山勘だったが,同じようにしつこく山を彷徨き回っていて目にするものは,結構同じだったりする。
「ほー,そういう名前なのか。今度見つけたら送ったげるよ。」
こう云うときしらっと種名を出せると,猟師さんからは,他の場面でも頼りにして貰えて,更に情報が集まる。
「宜しくお願いします。」
で,その猟師さんが,その種子を送って下さった。
シカが食うのなら種子食の彼は当然食べられるはずと思ったのが,鑿のように門歯を使える彼が手を出さないのが解せなかったのだ。しかし,これは,多分硬すぎるのだと云うことかもしれない。もしも,これをバリバリ食っているとしたら,シカの顎の力は相当なものかも知れないと改めて思った。
ちょっと気持ちの悪い感じ…とやはり思いました。
シカは、これの果肉を食べるのでしょうか?
それともそんなに硬いものを?
ぜひ、果肉も見たいですねー。