適当ご飯
2012年 11月 30日
ダツはナイトダイビングには鬼門で,走光性ですさまじい勢いで漆黒の海底からすっ飛んでくるため,彼らが生息する可能性のある水域では,体の軸からズラしてライトを持てと習う。ロンギヌスの槍のように眼窩を深く貫かれた被害者の画像は,野外における危険な生物分野では,有名な画像になっている。
奥は,トビウオのすり身をごま油でソテーしたもの。そのまま「つけ揚げ」にできる素材だが,こちらのほうがあっさりしていて,家族のウケが良い。
ダツもなかなかに美味しいのだが,保存を考えた味付けでかなり塩辛く,結構余してしまった。
ちなみに,脂分の違いとかがあるのかも知れないが,ワイフの話だとチコは,鰤は避けてハマチしか食べないという。私はそこまで見ていなかったが,出世魚なのでで,所詮同じ魚だという理屈で食べない猫ではそんなものだろう。
チコは血合いも苦手なので,これは,そこが好物の末っ子と上手く分けあっている。もちろん同じ皿からつつくわけではないが,ハマチ一匹が,高めの猫缶2個分の値段で買えるから,食いざかりの多い家族には経済的だ。
チコ的には,ダツの干物はヒットだったようで,数切れを皿に入れてもらって食べると,出かけて行った。面白いのは,彼の場合,どんなに気に入ってよく食べたものも,連続的に大量に食べないこと。
私の考えオチの料理ではよくそういう事があるので,全く気にしない。我が家においては,食べ物は栄養がそこそこ足りていれば,重要なのは楽しく食べられるかどうかが問題。
愛知,岐阜,三重三県には,必殺白醤油というものがあって,桑名藩家老職を出した祖母の家系からの教えで茶碗蒸しには,それを使うべしとあるとかいう話は,適当だが,薄口よりも私にはそちらの方を使いたくなったりするのだが,手元にはないので,残していた濃口の割高な奴を使ったがこれはこれで美味しかった。
ただ末っ子に「父さん,これものすごく美味しいけど,次はもっと綺麗なの作りたい。」と言われたので,やはり少し茶色っぽい茶碗蒸しではなく,明るい色の,というのは重要かもしれない。グラタンやプディングならあんまり問題にならないような明度の違いのような気がするのだが,やはり,これは茶碗蒸しだ,と思って食べるためには色は重要かも。
ダッチオーブンがあると,上に熾を載せれば済むのだが,囲炉裏の上の鉄鍋だけ使って上面をどう焼くか。生地を捏ね,くっつかないアルミホイールを敷いた鍋の中に生地を広げ材料を並べて,そのまま維織に載せる。
囲炉裏の熱量は高いので,かなり火力を絞る。上からバーニングアートみたいになるのだが,サラマンダー替わりバーナーで焦げ目を着ける。これで見事に完成。
セブにもダツ売ってるんですが、干物はないようです。
食べてみたいですね。
奄美大島地方の独特の食材ですか?
画像は,熊毛地域(種子島屋久島近海)の干物です。奄美では見たことがないでのすが,食べないことはないと思います。
南西,琉球,奄美〜本土本州の海中まで,夜間ダイビングの鬼門ですので分布は広いです。走光性で高速で水中を飛んで来るこの魚に,潜水専門猟師でも何人も体を貫かれる事故が発生していて,ライトを体軸から外すのは基本的な作法です。