今晩の収穫-flowerpot snake

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チコがなにやら不思議な黒いミミズを持って帰ってきました。かなり元気よく飛び跳ねておりましたが,食卓の横でチコが興奮するわ,つんつん遊びにAkiraが参加しようとするわで,ややこしいことになるので回収しました。取り上げたら,かなり二人とも文句を言っていました。
 A1ここぞと云うときに,見事にピントを外す癖があります。まぁそれでもシャッターが落ちてくれるだけマシなのかも知れません。



で,ワイフと子供達が寝たところで,ティッシュに刳るんだ奴をもう一回引っ張り出してみれば・・・なんと,こいつはミミズではありませんでした。動き方に違和感があったのですが,私も現物を見るのは,初めてだったので・・・・流石,私の愛猫です。ご主人に本当にいろいろな魅惑的なものを見せてくれます。

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ブラーミニメクラヘビRamphotyphlops braminusでした。英名Flowerpot snake。植木鉢の中の土の中に混ざって世界中に分布を広げたヘビです。日本では,気候や温度条件などの問題があるのか,九州南部、南西諸島、小笠原諸島にのみ分布と有ります。脊椎動物の癖に驚くべきことに単為生殖(無性生殖)をする能力がある信じられない生き物です。生息場所がミミズと同じような土壌中と云うことで,特異な進化を遂げているようです。確かシロアリとか土壌中の微少無脊椎動物を食べているはずです。この奇妙奇天烈なヘビに接近遭遇したことが,過去に一度だけありました。友人が飼っていたのでしたが,私に見せようとして,ビンの中の土をひとしきりこねくり回した後,「あぁぁ,死んで腐ったみたい!」という話で当時は終わりました。飼っていてもちっとも面白くなさそうでした。

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拡大すると綺麗な鱗がはっきり分かります。時々,舌のようなものがちらちらします。ちょっとゆっくり撮影したいなと思います。とりあえず,本日はメモ代わりの分の画像のみ。チコがこだわったはずです。ヘビだったんだぁ。お前,どこで見つけてきたの?

かつてのメクラグモがザトウムシと呼ばれるようになったのと同じように,「メクラ」というのが差別用語に当たるというので,ミミズヘビという名前を提唱している研究者もいるようです。
 あと,両生類で,半湿地性の泥の中で同じようなミミズの形態を持って同じような生活をしている動物にアシナシイモリというやつが居たはずです。ニッチェと利用資源が似てくると外部形態もそっくりになるという収斂現象の実証モデルです。

追記1-こちらの方で,このヘビに関するもっと面白い遺伝学的データがで出たようです。「ゴンドワナ大陸にいた生き物」
 パンゲアの未だ前,大陸ゴンドワナから生き残った生き物ということで,人間の行う凄まじい物質流通の結果今の汎世界種になっている本種の位置づけとは違う意味で,地球的な広がりを持った分類群という事みたいです。
Commented by dojou7 at 2005-04-07 23:05 x
おおっ、めくらへび!見たことありません、っが、子供の頃一度捕まえた記憶が..。ミミズではないナーと思った記憶が...。
さすがチコベエ。偉い!
Commented by dojou7 at 2005-04-07 23:07 x
でも関東にはいないのですよね?ではあの記憶は....?
Commented by complex_cat at 2005-04-07 23:08
さすが,dojou7さん,自然体験超豊富。生物や真っ青ですね。
Commented by complex_cat at 2005-04-07 23:15
まぁ確認されていないと云うのが,どのくらい一般性があるのか,特に全てが自然分布でない場合,一定の確率で植木鉢や園芸用の土などで運ばれる物流を考えると,お江戸に入っていないはずがないです。ごくごく短期的にしか生きられないとしても,数週間,数ヶ月も生息したことが今まで全くなかったとはとても思えませんから。
Commented by nezumineko at 2005-04-07 23:22 x
怖かったけど、楽しい!
いつか、猫を飼ってみたいですが、こんなものお持ち帰りされたら対処できるか不安です。でも小さそうだから、何とかなるかな。
Commented by kyoko_fiddler at 2005-04-07 23:27
うわー…こんなちっさなヘビが植木鉢の中にいる可能性があるとしたら、うちの母なんかきっと「ぎゃー 黒ミミズ!」とかいって何匹かは殺戮してますね。鉢物の園芸好きですから。
Commented by complex_cat at 2005-04-07 23:33
うちは,特にワイフが,大騒ぎしないので助かります。子供達にゆっくり見せてやれますし,こういうものを排除せずに居られます。
 シマヘビとかアオダイショウとか大型のヘビは,コウチンやチコを見ると尻に帆かけてもの凄い勢いで逃げていきます。まず捕まらないから安心しております。でも,かつて一緒に暮らしていた猫は,マムシをぷらぷらさせて意気揚々と持って帰ってきました。散々遊んだ後だったので,マムシもグッタリしておりましたが,慌てて取り上げたのを覚えております。マムシの高密度地帯でお出かけ自由の猟の上手い猫を飼うのは,少し度胸が要りますね。
Commented by complex_cat at 2005-04-07 23:35
ガーデニングファンにはミミズは友達・・・ではないのでしょうか。私がずれているのだろうなぁ。
Commented by complex_cat at 2005-04-08 06:34
どうも,普通の地域だと節足動物は冬季にほ卵のステージで越冬したりしてとんど居なくなってしまうので,生きていけないようです。飼育でも冬場の餌が,頭痛の種となっていました。なるほど。
Commented by kyoko_fiddler at 2005-04-08 11:04
うちの母は、インセクトもワームもヘビ類もダメですね。ミミズが土いじりにはつきもので、益するものだということとは別の次元の問題らしいです。別にわたしはその母に似たわけではありません。長じてわたしは無言で心中深く絶叫する技を会得しましたが、母は、周囲の迷惑顧みず、周囲の人間の心臓が一瞬ショックで停止しそうなぐらい絶叫しつつ殺戮行為に走ります。…妹がつられて原因もわからないままでコーラス絶叫するので近所迷惑です。一瞬アマゾンの森の中になります。きっとうちの実家でナニか事件が起きても、お隣の方々は「ああまたか」としか思わないです。(恥) 先日は、「イモリ」が壁にいるからなんとかしろ、と電話がかかってきました。ヤモリはいても絶対に殺すなといってあったので、殺虫剤をかけるというような暴挙には出なかったようですが、…。だから、母みたいなのは、ガーデニング好きとは言わないのだと思いますよ。
Commented by complex_cat at 2005-04-08 11:37
確かにお花を好きな方皆さんが,ターシャ・チューダーを理解できるわけではないですね。昆虫などでパニックで悲鳴を上げ続ける方に出会ってから,そういう方がおいでになることを理解するようになりました。失礼な言い方ですが,本当に動物みたいになっちゃうんですよね。
Commented by kyoko_fiddler at 2005-04-08 12:53
はい。うちの母と妹は…サルと化します。 爆。
でも、ヘンですよね。いつごろからそういう人たちが増えたんでしょう?だって、無害なものを、いちいち怖がってるはずはないですよね…(って、わたしも形状が苦手なわけで、パニックは起こさないけど「うぎゃぁ」と書き込むわけですが。…あ、でも怖くはないな)ヘビを偏愛するのと、根っこは同じで顕れかたが分かれているのでしょうか。
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by complex_cat | 2005-04-07 22:07 | Wonderful Life | Trackback | Comments(12)

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