Lycoris radiata〜救荒作物の色

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 彼岸花、曼珠沙華。最盛期。もともと野生生物ではなく、救荒作物として水田や畑の周辺に植えられたものだが、モグラよけとしての機能のほうが喧伝される。もっともこれについては、モグラ自体への忌避効果はまったくない。あるとすれば、これを植栽すること自体がディスターブになって、一時的か、他の利用環境を選んでモグラの動きが変わったことを「効果」だと勘違いしているか、そもそもその区別をつけずに効果を判定しているレベルの検討による混乱か、そのあたりがほとんどだと思います。
 モグラの餌となるミミズよけだという解釈の方が可能性がありそう。根茎は収集のアルカロイドを含むかなり強力な毒を持つので、齧ったりしにくいでしょうから、モグラ以外で坑道を掘るハタネズミとかネズミ類よけには、多少は忌避効果があるかも。まあ、餌資源がこの中にあるとバレたら、どこかに穴を探すでしょうけど、ちょっとだけ嫌なことをやってやるというのが鳥獣被害対策には、それと理解されずしばしば出てくるものであって、それは、加害鳥獣がそこを回避しても別の利用資源にたどり着く場合のみ有効というわけです。効果評価を勘違いするのは、そういった状況もあります。

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 こうやって水田の横にシールドのように植えているのは、まあ、花壇代わりと言う部分もある。これを元にして観光資源化している自治体もある。彼岸花祭りで検索すると、こっちの県の柊野(くきの)のイベントだけではなく全国あちこちヒットする。
 全草に毒が含まれているとされているが、里地に出没するシカが、襲う農作物が無いときにこれの花に手を出して採餌することを覚え、貴重な観光資源が食われる状況になってしまったのでどうしたら良いでしょうか?みたいな相談を受けたことがある。根茎などよりは花は毒性も低いのだろうし、シカの採餌植物を増やす適応能力を甘く見たら危ないという話。

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 ここに救荒作物としての利用の実際を検証している見事なサイトエントリーがあります。ほかのところは、伝聞だけで書かれているところばかりですが、ここの方は実際にデンプンを取り出して食べるところまでやっておられます。年貢対象にならなかったから非支配階級としては持っていかれない貴重な食べ物だったようですが、ソテツのなり粉などに比べても、かなり面倒くさそう。ソテツデンプン粉は、奄美大島の素晴らしい地元の「なり味噌」の原材料として、重要な伝統食資源に現在でもなっておりますが、彼岸花の方は、今時、水にさらして食材に使って物産館においてみるなんて流れはあまりなさそうですね。

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 救荒作物なので、持ち込まれたものといっても、既に日本の水田周りの収穫期の風景にもなっていますね。

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 食べ物の話にころんだついでに。帰宅したときのチコ。何やら色々言っておりますが、彼も季節柄、大変食欲が出てきたもよう。その割には、ご飯の選り好みが若い頃よりもずっと煩くなっていて、食べるかなと思って頑張って焼いたブリの照焼を2日連続で食べたと思ったら、しばらくして出したら口も付けず、で、食べないのかなと思ったら、明け方包んであったアルミホイールを勝手に開いてそこからパクパク食べていたり、若い頃よりも天邪鬼ぶりを発揮しております。
「皆が食べてるものを食わせろと?今日は君が食べられそうなものはないよ。」
「魚飽きた?豚肉食わせろだと?」
「何で食べないんだ。このブリは昨日のと鮮度は違わないはずだ。もういい、俺が食う。」
「さっき要らないと言って口も付けず臭いも嗅がずに、出かけていったろう。戻ってきてあれないの?とはどういうことだ。」
「次々と他のを出せと言って、その挙句、三皿、全部拒否しておいて夜中に戻ってきて全部平らげてあるのはなぜだ?」
「何であそこの店の手羽先だけ食べると言い出すのだ。こっちの手羽元の方が柔らかいだろう。香辛料も少ないし。でも絶対食べないんだな。なんでだ?」
「胸肉の方が経済的で、美味しいと言われるんだぞ。ヘルシーだし。ちゃんと低温で料理してハムみたいで柔らかいだろ?で固くても濃い味付けの腿肉なら食べると?」
「いつ、何処で醤油ジャンキーになったのだ?一週間放浪していたときか?それとも幼獣期に君の母ちゃんが弁当ガラでも持って帰ってきて味を覚えたのか?」
「味付けがないって?オイスターソースかけたら塩分摂りすぎだ。君のQOLを考えてこっちも妥協している。本来は猫には薄塩味も要らないはずだ。これで我慢しろ。」
てなぐあいで、まあ、専任のネコック(猫コックの省略形)、給餌係としては毎日、チコと喧嘩しております。

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by complex_cat | 2017-09-26 21:54 | My Shot Life | Trackback | Comments(0)

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