キオビエダシャク

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キオビエダキシャク Milionia basalis pryerが沢山居るところを見つけたと長男が云うので,病院に処置に行く前に,長男とちょっと散歩に行きました。

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メタリックの生きたギガントは,見れば見るほど,不思議です。50mぐらい先にある生け垣で,散歩とは云わないかも知れませんが,二人で15分ほどの間にいろいろ見つけてお散歩ネイチャーフォト。
 これが最後の二人の散歩になるなどと云うことはないのですが,体調が悪いと気が弱くなる私は父親譲り,ちょっとだけ頭を掠めました。ともあれ,想定外の事態は何も起こらず,バイオペクトミー可能な内視鏡も私の体の中から出たようで,朝から覚悟した処置はあっさり昼過ぎに終わり,病院からまっすぐ家に戻れてホッとしております。




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幼虫はイヌマキの葉っぱを無くなるまでむさぼり食うほど非常にどん欲です。イヌマキはもともと余りこれに着く害虫が居なかったことから広く生け垣に使用され,このことが一度こういったやっかいな種が侵入すれば,やりたいほうだに広がってしまったことと無縁ではありません。当然,ここを採餌場所にする効果的な捕食性昆虫もイヌマキには少ないでしょう。
 原産はインド〜マレー半島のはずで,もちろん困ったチャンの移入種リストにも入っております。被害は南西諸島から本土では鹿児島県開門〜枕崎あたりに上陸して広がり,現在この蛾がそこかしこで群舞しています。これだけ目立つ成虫と幼虫の体色ですが,ひょっとしたら捕食者への条件付け強化信号のように見えます。もしそうだとしたら,鳥にとっても相当不味いのではないかと思われます。ご近所はツバメが相当数飛び回っていますが,トンボだって追っかける彼らが,実は,ひらひら飛び回っているこの蛾を捕捉しているところを見たことがありません(追記ーイヌマキ,ナギ由来のイヌマキラクトン,ナギラクトンという物質を蓄積していることで,捕食を忌避させていると云うことのようです)。

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私には鳥類の嗜好や味覚は分かりませんが,幼虫も不味いのだろうか。試しに食べてみるわけには行かないので,仮説の域を出ませんが。こうやって糸で,落下して移動するようです。ひょっとして蛹をまだ見たことがありませんが,土に潜って蛹化(ようか)するのでしょうか? 前の3対が成虫になっても昨日する脚の原器で後ろは仮の脚です。脚が胴体の両端にしかないのは,名前の通り,シャクガ(尺取り蛾)の仲間だからです。

 しかし,このEF標準マクロの写りは,デジタルとの相性がイマイチで今ひとつぱっとしません。Zeissのマクロプラナーどころかクラシックレンズの135mmをキスデジに填めてその写りと比べても,ちょっと疑問の出る写りです。新設計レンズが投入されたのも無理からぬことかと思います。なぜかFDの標準マクロも持っておりますが,あの頃からの伝統(?)の二重線ボケも消えているという話。大キヤノン様の,満を持して出された新作の描写,試してみたいという気も少しします。
Canon EOS Kiss Digital N, EF Macro 2.5/50
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Commented by shukoshu at 2005-06-25 15:53
あんな細い糸でカラダを支えているんですね!でもまぁなんてきれいな柄でしょう!ほれぼれしちゃいます。。。
Commented by complex_cat at 2005-06-25 16:12
shukoshuさん,どうも〜。なんか,舞台衣装みたいに派手ですよね。
dojou7さんのところ,拝見していると,それこそ,パンク系,演歌歌手系,暗黒舞踏系いろいろあるのがよく分かります。
 吐き出す糸は,蚕のそれ,いわゆるシルクと成分的にはほとんど変わらないものですので,細くても丈夫ですね。いわゆる野蚕(やさん;野生の蚕蛾)のシルクで作った服などを,エスニック系の服などでも時々見かけますが,この糸,集めることが出来れば,あのような服が作れると思います。
Commented by す〜さん at 2005-06-25 19:13 x
こないだの蜂の巣に寄生しているやつもそうでしたが
やっぱり体の柔らかそうなやつは平気みたいです。(笑)

こうしてみると日本(本州)の生物って基本的にカラーリングが
地味ですよね。(;^_^A アセアセ…
Commented by complex_cat at 2005-06-25 19:20
す〜さん,平気でしたか,それは良かった! 大陸とか東南アジアの「色使い」は,派手ですよね。生物多様性が高い環境だとかなり派手に彩色しないと,周囲の花などの色に埋没してしまって,示威的な効果にならないからかなと思ったりします。
Commented by dojou7 at 2005-06-25 20:11 x
無事に終わって良かったですね。
キオビエダシャク鹿児島では定着したとどっかで読みました。
関東にはいないと思います。
Commented by dojou7 at 2005-06-25 20:31
この幼虫、どっかで見た記憶もあります。
関東にもいるのかな?
Commented by kyoko_fiddler at 2005-06-25 20:39
○◎×▼☆∞~!!!!

…あの最新型のカプセル飲まれたんですか?

Commented by complex_cat at 2005-06-25 20:52
dojou7さん,お騒がせしました。この蛾,鹿児島では完全に定着したと思います。
kyoko_fiddlerさん,宇宙人語〜,出ましたね。
カプセルは飲んでません。東京キッドブラザースのヘビの丸飲みマジックだけです。
Commented by kyoko_fiddler at 2005-06-25 21:52
おおおお(**)
お疲れ様でした~
Commented by capybaba at 2005-06-25 22:24 x
きれいな蛾ですね~。 ぶら下がってる子も可愛いです。
Commented by complex_cat at 2005-06-25 22:58
capybabaさん,ブラックバスやマングース並とは申しませんが,困ったチャンなんですよ〜。でも,鳥肌カードかなぁと思いきや「綺麗」と仰る方が多くて,流石,私のブログののお客さんだな〜と妙に感心。
Commented by avio83015 at 2006-12-28 17:32
はじめまして、キオビエダシャクのことを調べています。最近はもう鹿児島に定着したのですか。じゃあ、駆除薬の散布とかは、しなくなったのですか。このきれいな蛾が「大害虫」として駆除の対象になっているのが、哀れで哀れでしかたありません。最近の鹿児島の様子を教えていただけません。あ
Commented by complex_cat at 2006-12-28 22:25
avio83015さん,初めまして。ヒトツバ(イヌマキ)への薬剤散布ですか。もともと,在来種では,害虫となるものがほとんど居なかったイヌマキなので,非常に悲惨なことになっています。庭木などに植えられることが多いのと居住区周辺であるため,ポイントが多すぎて大変ですし,害虫発生で薬をまくというマネージメントは,多くの場合傷口を広げますし,ずっとそれをやり続けなければなりません。そしてその化学物質をまき散らすことによるツケもどんどん溜まります。そういった人間の勝手な都合による撹乱の結果,哀れでかわいそうな状況に置かれてしまっている生物は,もっと他に沢山居ると思っております。
 要は,生態系のバランスを崩すような世界を作り続けている状況を何とかしたいと思っているのです。
Commented by avio83015 at 2006-12-29 09:03
コメントありがとうございます。自己紹介もせずにすみません。自分のHPはないのですが、とりあえず自分の体験記のHPをURLに載せておきます。
虫の専門家も、薬剤散布はあまり意味がないというのに、鹿児島市やその他の市町村は、こぞって薬剤散布しましょうという宣伝をしているように感じています。 どこかおかしいですよね。 どうすれば、人間がこれ以上、地球の他の生命に迷惑をかけないですむのだろうかという視点で、答えを見つけたいですね。
Commented by avio83015 at 2006-12-29 09:05
そもそもキオビエダシャクの幼虫は、自分が木を食べつくして、木も枯れてしまったときに、どうなるのでしょうか。みんな死んでしまうのでしょうか。 それでも木を片っ端から食べ続けるのでしょうか。 2002年に100万本のイヌマキが鹿児島県で枯死したというけど、本当なのでしょうか
Commented by complex_cat at 2006-12-29 09:52
avio83015さん,関係研究者も天敵が釣れてないので,今のところ薬剤散布しか対策は無さそうです。追記しましたが,イヌマキはそもそも食べる奴が余り居ないし,シロアリなども利用できないこともあって,生け垣や沖縄などでは建材などに多用されています。それを食べるこの虫もイヌマキのイヌマキラクトンを蓄積するので,本当に捕食者が居ないようですね。
 被害状況については,県の林業試験場に統計資料があると思います。こいつと,ヤシオオオサゾウムシは,街路樹で餌資源豊富で競争種が居ないこともあって,もの凄く被害が拡がりました。
Commented by avio83015 at 2006-12-29 10:06 x
どこかのHPで、キオビエダシャクをかじったカマキリが、不味そうな顔をしたとかいてありました。イヌマキの毒を自分の毒としてもっているのが、キオビエダシャクなのかもしれませんね。もしかしたら、イヌマキも外来種なのでしょうか。とおい昔、イヌマキとキオビエダシャクは、どこかでいっしょに暮らしていたのかもしれないと思いました
Commented by avio83015 at 2006-12-29 10:28
イヌマキも野生だと枯死しないのですね。


換金性の高い用材を採るために密植されたイヌマキ(チャーギ)の人工林では、毎
年のように害虫(キオビエダシャク)が大発生して立ち枯れが続出しています。

このような人工林の悲惨な状況とは対照的に、自然度の高い健全な森に点在するリ
ュウキュウマツの巨木は、盆栽のようなみごとな枝振りを見せてくれますし、森の中
で出会ったイヌマキの大木はどれもすこぶる元気です。

http://www1.ocn.ne.jp/~shiraho/back_number/no.71-80.html
Commented by complex_cat at 2006-12-29 16:25
 このような農林被害生物をペストと呼びますが,ペストの起原を考えるとほとんどが人間が作り出したものです。例えば東南アジアでは,コメの数十パーセントを食べているとされたアゼネズミというクマネズミに近いネズミが居ますが,森林を破壊して住み家を失った動物の中で,その後作られた水田に適応した種であるわけです。
 本来は,高密度にならず,様々な樹種の狭間にあって存在している特定の植物を,遺伝的特製餅買い物を大量に密植(例え園芸管理学的に密植でなくても自然の目から見れば密植です)すれば,特定の生物が増殖することに手を貸してしまうわけです。また野生状態では,イヌマキの寿命が以下に長くても,時間軸から見ても,まとまった個体が同じところにずっとあることはないのですが,人間が作ったフェイクの林はこのような動的な部分もありません。
 森林の中では,寄生者からの探査漏れが出てくるのと,人間の植樹(樹木畑)にある個体と異なり活性や遺伝的多様性があるので,まんべんなく食われるということはありません。
Commented by avio83015 at 2006-12-29 18:49 x
ペストですか、文明の行き詰まりですね。グローバリゼーションの一現象なのですね。イヌマキ自体も文明化してしまって、弱くなったですね。
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by complex_cat | 2005-06-25 14:01 | Invasive, Not-native | Trackback | Comments(20)

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