ウォーターヒヤシンスとミシシッピアカミミガメ
2005年 09月 30日
Nikon CoolPix 995
移入種の問題がややこしいは,農作物や水産の増殖事業などから考えると,とりあえず人間に役に立つ(金になる)動植物を好きな場所に入れて増やすこと自体,産業活動で全て良という価値観の延長線上に起きているからです。
ウォーターヒヤシンス(ホテイアオイ)は,癖者です。こいつは,水質を浄化する働きがあるというエコの風評を纏っています。確かに,有機物だらけの汚い池などに入れるともの凄い勢いで無性的に増殖します。でも,その植物体に取り込まれた有機物を回収しないと浄化にならないのですよ。回収というのは全部に近い量を引き上げて池から出してしまうことで,そんな面倒で金のかかることやるはず無いですから,寿命を終えたものは枯死して池の底に沈んで堆積していきます。こいつを放り込まれたが故に,希少な湿地生殖物や水生昆虫が生息していた池が陸化して潰れた例は少くありません。繁殖力が強いので,駆除せずに少し残すと,また悲惨なことになります。これがもの凄く繁殖すると,影響は様々なものに波及します。夜,光合成が留まると大量の二酸化炭素を吐き出すので,他の生物が棲めなくなることもあります。水中には光が差し込みませんから,当然,水草や沈水植物なども被害を受けます。
面倒なことに,水面を覆っている個体群に花でも咲こうものなら,ローカルTVでは格好のニュースとなり,地域の楽しみということになって,刈り取って適性に管理するなどという考え方は,「花を愛でる」話の彼方に沈んでいきます。
最近は流石に減りましたが,ビオトープを作りましたってぇ言うから行ってみると大量にこれが入れられていて,みんなで写真撮って喜んでいるところに何度も出くわしました。