Retina IIIc

Retina IIIc_b0060239_036107.jpg
公陳丸3歳の時の画で,まだ,プロポーションが若いです。彼もいわゆる小顔タイプで,年を取ってややお肉がたぷたぷになってきた状況でも,顔は大きくなりませんでした。ワイフの女友達にモテモテの全盛期で,ハンサム君と呼ばれ,ぶいぶい言わしていた頃の画です。今よりかなり精悍な顔つきに見えます。苦もなくこのベランダから一階の屋根に飛び移りまた戻ってくるのをご近所の奥さんが見ていて感動しておりました。ところで,もうすぐチコは,この頃の公陳丸の年齢になります。
Kodak Retina IIIc, Rodenstock Herigon 2/50

Retina IIIc_b0060239_13543719.jpg
画像は,独Kodakの名品,左からRetina IIIS, Retina IIIc (Schneider type), Retina IIIC(Rodenstock type)とRetina IIISの交換レンズ。



 結構思い入れがあって,投資した割に,まともに働いてくれなかったカメラがいくつかあります。私はデシケータに放り込んだままというカメラ・レンズがあるのは,許せなくなるのですが,いわゆるタンスの肥やしになってしまうカメラは,皆無ではありません。
私の場合は,独KodakのRetina II/III系のモデルがどうもそのようになってしまっております。このRetina,ともかく巻き上げ機構など可動部が弱くて,巻き上げレバーがスプリングで戻るのに任せず,そっと手を添えて戻すのが作法とか。そうしないと内部のピニオンギアがぶっ壊れるそうで,写真を撮る事のみに意識が向いてしまう粗忽者の私には,かなり難しい話でした。実際,貴重な文化遺産?である1台はそれで潰してしまいました。
 ファインダーはそれほど見やすくないのですが(大形ファインダーのII/IIICと通常ファインダーのII/IIIcがあるようです),レンズが秀逸で,シュナイダーとローゼンシュトックの両方のモデルが当時供給されていました。また,II/IIIは,その後のレンズ交換式であるIIISの前のモデルですが,前玉を交換する事により,通常のままの使用による標準と広角系,短望遠系が使用できました。このあたりは,今のデジカメのコンバージョンレンズと同じ方式といえます。またRetina IIのバリエーションには,あのおフランスの名玉アンジェニューを載っけたRetinetteという仏バージョンがあり,そのあたりもRetinaファンと呼ばれる人たちの魅力になっているようです。
 Herigon 2/50は,残念ながらバルサム切れというレンズのトラブルで最近はお蔵入りにしていますが, 最後の写りは,このように素晴らしいものでした。中判を使う方でしか,ローデンシュトック・レンズの写りなどなかなか縁がないのですが,Retinaはそれを経験させてくれる数少ない35mm版カメラでした。細かい作りや,ファインダーを始め,中途半端なコストのかけ方を感じる部分があり,Leicaのように生き延びることが出来なかったのは,何となく分かります。IIISは一眼レフであるRetinaFlexとバックフォーカスを合わせる事で,レンジファンダーから一眼レフへの過渡的な橋渡し役を果たし,その後のRetinaFlexは,日本製一眼レフの攻勢に破れ,Retinaの名を冠したカメラは,この世から消滅したのでした。IIISの交換レンズの一つであるCurtagon 4/28は私のブログではたびたび登場しますが,35mmや勿論標準50mm135mmなど各種揃っていました。しかしいわゆるRetinaファンからは,邪道とまでは申しませんが,レンズ固定型のII/IIIが「いわゆるRetina」として人気があるようです。
 ちなみに,このカメラの名を冠したクラシックカメラショップの「Retina House」には,デッケルマウントアダプターやProminant<>Lマウントアダプターなどでお世話になりました。非常に素敵でユニークなクラシックカメラショップだったのですが,デジカメへのもの凄い潮流の中,これ以上そういった商売が無理であると判断されたかと思いますが,廃業されてしまいました。既に一昨年前のことです。「Retina House」は既に消滅しております。
Commented by dojou7 at 2005-01-28 23:05
レチナの向かって右側がもう少し長かったら、巻き上げレバーの形状がわずかに変わっていたならば.....。数年前に数台処分しましたが、ヘリゴンつきのIIとキセノンつきのIIIは残してあります。ひさしぶりに出してみました。しかしもう使わないかもしれないな。
Commented by complex_cat at 2005-01-28 23:09
dojou7さん,お持ちですねぇ。ヘリゴン,私も好きです。でもフィルム1本分撮るのでも気を遣って,バキって中が逝かないかと気になって,使うのがしんどいです。
Commented by kyoko_fiddler at 2005-01-28 23:14
おお、やっと写真が観れました。最近夜間は特に画像が×になりますね。公陳丸君、かっこいい…。チコ君は、かーと同い年なんですね。
Commented by complex_cat at 2005-01-28 23:40
やはりそうなんですか。エキサイトはなにやってんのかな。実は,ブログをいじるときだけブラウザーをIEから変えました。MacなのでSafariを使っております。IEでも立ち上げ直すと表示される事がありますが,日本語テキストのいきなりの文字化けや改行送りなどSafariは???という事も多いのですが,とりあえず,IEだと画像が表示されない場合でも,Safariだと,待っていれば表示される事が多いです。
チコとかー君,近くに住んでいたらよい友達になれたかも知れませんね。って昔から,そういう相性を考えてしまう,猫馬鹿ですねぇ。
Commented by complex_cat at 2005-01-29 16:38
手元にあるRetinaシリーズの画像を加えました。Curtagon 4/28のものも本来は,左端のIIISで撮られるものです。
Commented by みゃ♪ at 2005-01-29 23:55 x
TBありがとうございました。
公陳丸くん、ニヒルなハンサムだったのですね。
いや、今でももちろんハンサムですが(笑)
眼光の鋭さが、ものすごくカッコイイです。
(うちのコタにはまったくない魅力)
Commented by complex_cat at 2005-01-30 08:47
みゃ♪ さん。ニヒルでカッコイイ見てくれなのですが,他の猫より何考えているのか,さっぱり分からないところがあります。女性陣からはそのへんの男と一緒にいるよりずっと良いと言われます。猫が苦手で触れない近所の奥さんも,彼だけは良いそうです。ちょっと妬けますね。
名前
URL
削除用パスワード

※このブログはコメント承認制を適用しています。ブログの持ち主が承認するまでコメントは表示されません。

by complex_cat | 2005-01-28 22:20 | My Tools | Trackback | Comments(7)

Necology(=猫+Ecology) and Nature Photo Essay, Camera classic, Martial arts & etc. 本サイトはhttp://complexcat.exblog.jp/です。画像はクリックすると大きくなります


by complex_cat
カレンダー
S M T W T F S
1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
31