MINOLTA MD ROKKOR 50mm F1.7

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ロケット島にあるこれは廃墟になりつつある寺社(「妙泰寺」、最初の建立は1493年とあるけど、どう見てもそのときのものを伝えている寺社殿ではない)。後ろ、2つの台風の通過により葉っぱが散らされたことが契機になったのか、狂い咲きしたサクラ。
 開放f値1.7は、中途半端という人も居るが、2.0クラスよりも明るいし、開放から使って破綻がない。購入ターゲットである初心者に、一眼レフの性能を見せつけねばならない上に、安価、そして、上級クラスにおいて、これよりもすごい性能だと思わせるためには、決して、はじめの一歩で、がっかりさせてはならない。その描写性能は、今のデジタル一眼によって証明される。
見せてあげよう、当時の入門レンズの底力を。
SONY α NEX-6, MINOLTA MD ROKKOR 50mm F1.7





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冬期温暖な機構を狙って、カット野菜用に、作付が増えているレタス。
 レンズラインナップの中で最も安価なレンズでありながら、画質も解像度も最も高い標準レンズの殿を務めるため、開放による前後のボケの柔らかさとフォーカスの芯の先鋭さ、絞った時の改造感の破壊力、それなりに表現できなければならない。50mmという焦点距離は見たとおりに写ることを使命としながらも、ズームと異なり、被写体との距離やフレーミングなど、撮る側に体で学ばせるという、ものすごいミッションを背負わされた、当時の入門レンズ、その銘玉の一つ。
SONY α NEX-6, MINOLTA MD ROKKOR 50mm F1.7
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車窓風景なので、細かい点は気にしないスナップ。
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f5.6での撮影。
 かつてのこのレンズが填っていた本体の銀塩カメラでは、この照度でこういうショットの描写は、ハイスピードフィルムの増感でも不可能な画となっている。
SONY α NEX-6, MINOLTA MD ROKKOR 50mm F1.7
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開放f1.7。この距離の被写体だと光芒の引き方が違うぐらいで、この面倒な光線状態で、よく写っている。SONY α NEX-6, MINOLTSONY α NEX-6, MINOLTA MD ROKKOR 50mm F1.7
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いまどきの高額レンズでも、ズームレンズだと、ここまでの抜けはなかなか難しいだろう。NEX-6の有機液晶ファインダー越しにも、素養の良いレンズだと分かる。
 「セントレア」空港。降り立ったのは初めてだったが、思っていたほど不便ではなかった。
SONY α NEX-6, MINOLTA MD ROKKOR 50mm F1.7
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逆光でも、そんなに画像をいじらずに済む、レンズのラチュードみたいなものがあるとしたら、このレンズは、実際かなり優秀。
以前も、キスデジアダプターで少しばかりMC/MD群は使ったことがあるが、さすがにフランジが合わないために、minolta MC/MD→EOSアダプターにはコンバージョンレンズが嵌っていた。「画質劣化はほとんどありません」みたいな宣伝文句に疑問を感じて、結局使わなかった。バックフォーカスに余裕のあるミラーレスは、オールドレンズ遊びには最強。今回も、KERNEL MD-NEXアダプターで使用。
SONY α NEX-6, MINOLTA MD ROKKOR 50mm F1.7
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数日間の旅の記録。高速艇からの開聞岳あたりでのスナップだが、サンセットと船影のくっきりさに、ちょっと驚いたりする。このメーカーは当時からユニークで、矜持あるメーカーだったから、入門レンズとしてそこそこの性能で終わっていなかった。
 MDレンズは、現在では当たり前となった両優先AEのエポックであるXD対応用レンズ群として、絞り優先がやっとだったボディ用レンズのMCレンズ群をモディファイして、画質同等か以上にして、小型軽量設計、絞りのバウンドや一種のプログラムシフトAE的な使い方にも対応できる機械式絞り信号伝達メカを内蔵したものだった。
 システムカメラとしてそれなりに評価もあって、レンズ性能には定評があった。マクロネーチャーフォト領域では佐々木崑さんという巨匠の「小さい生命」シリーズの愛機を支えたレンズ群だった。マルチコートの反射が緑色に輝き、「緑のロッコール」と呼ばれたが、今のコーティング技術ではそういう輝きはしない。
 セミクラッシックの銘玉漁りの対象にもならないようだが、SONYに吸収され消滅する直前まで、プロショップを持たなかった、最強のアマチュアカメラ、それ用のレンズの系譜、その一番CPの高いレンズ。
 MC/MDロッコール標準レンズについては、実はf1.4/1.7は全て持っていた。f1.2は、ビンテージっぽくて、線が少し太いレンズで、それほど私は惹かれないこともあり、そもそも高いので、設計で無理していなくて、小さくて、今のズーム全盛にあってはそれでも化け物のような大口径クラスでよく写るわけだから、このレンズで十分幸せになれるのかもしれない。
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by complex_cat | 2014-11-06 00:15 | My Tools | Trackback | Comments(0)

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