フルサイズデジタルと古い非デジタル専用高倍率ズームレンズ #2

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1990年代のフィルム用非デジタルレンズであるTAMRON AF 28-300mm f3.5-6.3 ASPHERICAL LD (IF) MACRO (model 185D)をα7IIで使ってみた、続編。
 トランスルーセントミラーアダプターを介しての使用なので、α7IIの素のAF性能が使えるわけではない。それでも距離によっては、飛翔しているカツオドリをきちんと捉える。写りについてはずっと使ってきたMinoltaの古いフィルムカメラ用レンズである100-300mmよりむしろ良く写る。流石にサードパーティとはいえ、設計や工作精度などが上がった、後年の製品である。アスフェリカル非球面レンズを使っているだけ、望遠側では収差はよく補正されている。
SONY α7II, TAMRON AF 28-300mm f3.5-6.3 ASPHERICAL LD (IF) MACRO (model 185D)


フルサイズデジタルと古い非デジタル専用高倍率ズームレンズ #2_b0060239_19073253.jpg
 台風を避けて湾奥港湾内に入ってきていたフローティングドックの周辺を飛ぶカツオドリ。この写り、多くはα7IIの性能のおかげというところではある。
SONY α7II, TAMRON AF 28-300mm f3.5-6.3 ASPHERICAL LD (IF) MACRO (model 185D)

フルサイズデジタルと古い非デジタル専用高倍率ズームレンズ #2_b0060239_19074012.jpg
 広角側28mmでも屋外では最短撮影距離が長いのをあまり意識せずに済む単純な風景の切り取りみたいな構図では、使い勝手は悪くない。望遠で対象生物を撮り、その生息環境を収めるという作業においては、レンズ交換なしで一台のカメラでこなせるのはやはりありがたい。コンデジの高倍率ズームモデルだって十分にその役目を果たすが、やはり動いている被写体を望遠側でモニタービュアー使って追うのは無理だ。コンデジやスマホも高倍率になっていくが、同じ撮影限界がある。
SONY α7II, TAMRON AF 28-300mm f3.5-6.3 ASPHERICAL LD (IF) MACRO (model 185D)
フルサイズデジタルと古い非デジタル専用高倍率ズームレンズ #2_b0060239_19104759.jpg
 大気に水蒸気が多く、視界はイマイチだったが、日本製品らしくそこそこ解像感はあるレンズだなと思った。

SONY α7II, TAMRON AF 28-300mm f3.5-6.3 ASPHERICAL LD (IF) MACRO (model 185D)

フルサイズデジタルと古い非デジタル専用高倍率ズームレンズ #2_b0060239_20051887.jpg
 上の部分切り出し等倍画像。思った以上によく写ってる。双方向に航行できる作りの火山島フェリー。単焦点レンズ並みとは間違っても言えないし色々限界は感じるが、これくらい写っていればまずまず。
SONY α7II, TAMRON AF 28-300mm f3.5-6.3 ASPHERICAL LD (IF) MACRO (model 185D)

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 古い非デジタルレンズにとってはかなりきつい光線条件。それでもハレーションも目立たず、急激なコントラスト低下はない。
フルサイズデジタルと古い非デジタル専用高倍率ズームレンズ #2_b0060239_19114911.jpg
 上の画像が写っている風景が含まれる広角側の描写。10倍以上ズームというのは、コンデジの高倍率ズームがやたら出てしまった結果、ちょっとありがたみが薄れたが、それでも凄まじい画角の変化だなと思う。
 APS-Cサイズデジタルで同程度の画角変化となると18〜200mmということになり、確かにかなりコンパクトにはなる。このレンズを手元にあるAPS-CサイズのNEX-6にはめると画角としては45〜480mmとなって、準標準から500mmクラスの望遠ズームになり、そちらの方がトリミングしなければ、望遠効果は上になる。ただし、注意点としては500mmのレンズ向きの距離にある被写体に対応できるという意味にはならない。レンズの持つ解像度が倍であれば、その計算で良いのかもしれないのだが、いくら高額のレンズでもそこまではいかない。この辺りは高画素フォーサーズなどを使った時に、結構勘違いされる場合があるので注意が必要だ。
 わかりやすく書くと、フォーサーズで300mmの焦点レンズは600mmと同等の倍率になるが、最初から600mmレンズの射程の被写体を得意とするようには成らず、あくまで、300mmで扱える距離の被写体を撮影するのが、正しいという考え方だ。ただ、これもレンズ性能や設計技術の向上で、状況は変わってきている気がする。
 フルサイズ一眼の場合、素のままの焦点距離で色々考えられてフィルム時代のセンスがそのまま働くから、フィルム時代からの一眼レフユーザーである私には、色々楽ではある。
SONY α7II, TAMRON AF 28-300mm f3.5-6.3 ASPHERICAL LD (IF) MACRO (model 185D)

Commented by umi_bari at 2019-11-16 13:22
今日もレンズの楽しみ方をありがとうございます。
良いですね。
お見事バグースです。
アラック、やっぱりカメラには詳しくないんですよ。
Commented by complex_cat at 2019-11-16 21:20
アラックさん、いつもコメントありがとうございます。
アラックさんのように、必要な道具を使いこなして、良い画が撮れればそれ以上のことは必要ないと思います。
私の場合、カメラ自体を趣味にしている部分があるので。

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by complex_cat | 2019-10-09 20:25 | My Tools | Trackback | Comments(2)

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