連休始末記#2〜家族専用コック

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サブタイトルは,シャー専用ズコックとは関係ありません。とりあえず,連休中作って食べたものなど。
 連休中,どこへ行ってもひたすら食事を作り続けていました。
 実家に戻っても,母の介護に疲れ気味の父親が,好きに出かけていって遊んでくればいい。ところで俺達も飯を食わねばならん,夕飯には戻ってきて俺と母さんの分を作ってくれると助かる,と大事にしている嫁には絶対に言えないリクエストを平然と父が言ってますので,ずっと「娘」をやっておりました。妹はいましたが,早逝しました。尤も私のことですから,「耳の尖った」妹でしたのでどっちにしても彼女は料理は缶詰をあける手伝いさえしませんでした。

 というわけで,いまから1時間後,10人+α分の設宴とかなっても,全く平気です。
 何でもやっているつもりでかなり日々,特に食事の容易に疲弊して苦戦している自分の父親を見ていると,純粋にサバイバル技術として,息子達には当たり前のように三度三度料理を作れる脳味噌にしておくのは間違っていないと思っています。友人宅で何人もの助手が手伝ってくれる状態なら,天国ですね,本当。

 料理の話ですが,30代になるまでは,キャンプ料理に毛が生えたようなものを作っていました。20代,アウトドア系のサークルで鍛えられたとき先輩達がものすごい大飯ぐらいだったので,見ただけで満腹の量を作るのが至上命令でした。何しろ,食器によそうご飯の量が少し少ないだけで,にらむような先輩がおられたぐらいで,旨いか不味いかはもちろん旨くないと拙いのですが,とりあえず胃袋お化け達だったので,不味くないというレベルで,後は量さえ有れば食当合格というキャンプ料理です。ちなみに,当時の最大に炊いた飯の量が,強者5人で25合飯を炊いて完食でした。勿論,そのご飯に負けないぐらいの量のおかず(勿論基本一品ですが)を作るのもお約束です。 ある調査パーティ,屋久島の現世自然環境保全地域に学生だけで入っていたのですが,日本屈指の生態学研究者の先輩達が,「君たち飯だけは沢山食べる」と評価(?)してくださいました。いや,他に特性上突出していたところはなかったわけで。
 「君たち,沢山食べるねえ。5人かぁ,今日,何合ご飯炊くの? 7合(=一升)?・・・10合ぐらい?」「えーと,25合です」では,会話も続きませんな。

 奥は生の「カエリ」と鶏肉を使ったソーメンチャンプルー,手前が豆3種とアボガドを使ったダールカレー。豆は包丁で刻むと○のまま食べるよりも断面からカレーがしみこみ,食感も良くなって美味しくなります。





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これで足りない場合とか,野菜刻んで,何品か炒め物,刺身並べてライスペーパーというのが,大人数の時によく使う手です。それで時間を稼いでおいて,その間に別に何か作る。カレーもベースを大量に作っておけば,ココナッツミルクを足すとか,ほうれん草やモロヘイヤをフードプロセッサーにかけるとかで数品に増やせます。主食が足りないなら,ナンをばかすか焼きます。ということで,絶対に足りないと言うことはあり得ない。このあたりはトラウマになっていますね。時間が有れば,煮物系を大量に作っておいて時間稼ぎ。急場の時にはぽんぽん材料を圧力釜に放り込んで,マース(塩煮)にしておきます。そちらの方が醤油煮よりも,味の調整が容易なので。

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お客さんを招待してのささやかな設宴は,基本私が作ります。子供3人,小さくて目が離せない期間が長かったのでそういう役割分担となりましたが,余裕を持って貰ったところでワイフが凝った料理かケーキを焼いてくれれれば,それで多様性は完璧です。やはり一人が作る料理というのは,どうしてもパターン化しますので,我が家は夫婦で作れるというのが強みかと思います。


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妙な創作料理を作り始めたのは,それ以降で,料理の鉄人の再現レシピとか(出汁の取り方や下ごしらえなど基本は矢張り重要です),填って遊んでいました。後,刃物は嫌いですが,包丁などを扱うプロショップとは,20年以上の付き合いがあります。高い名刀は要りませんが,そこが料理学校用からの受注に合わせて作らせた包丁など,片刃ではない,通常の硬綱材と軟鋼材のサンドイッチ構造の癖して,片刃のようにやや刃が寝せてあるという凝りよう。研ぎ上がった状態だと,髪の毛,1本が触れただけで落ちます。切ったトマトが切り口の剪断面が細胞押しつぶさずミクロトームで切ったみたいで美味い。包丁は学生算用なので,そんなに高くないけど,コンセプトは名刀を凌ぐとか,そういう道具選びが楽しかったことも,まぁ,世間一般の「男の料理」に填るプロセスから云うと標準的かと思います。
 いや,道具はどうでもいいや。作るモチベーションの手助けになれば,とりあえず凝ったりする手はよいと思います。ただ,道具がないとなにもできないという科白だけは絶対にはかない教示を持つべきですね。私が,サバイバル料理ということばを頻繁に口にするのは,その戒めのためです。いわゆる「男のこだわり料理」とか言われることだけは全力で避けたいというプライドもあります。
 これは失敗作,油ぞーめん風に豚肉とタマネギとピクルスを刻んでパスタを作ってみたのですが,麺が太すぎて今一でした。やはりカッペリーニみたいなのが合いますね。


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とある大都市で三代料理屋をやっている人から,見た目はともかく,君の料理は商売になるとリップサービスで誉められて手が着けられなくなりましたw。どこぞの料理の神さま御降臨的に思いつきで作るので,二度と同じものを作ることも少ないです。いや,レシピ再現能力が低いのをごまかしているだけなんですが。しかし,遊ばないと発見もないのでして。できあがるまで,本人もどんな料理になるか分からないことも,度々あります。

 基本的に自分の料理はフィールドワークでのサバイバル技術の延長なので,材料,道具がないことを言い訳にしないで逆に楽しむことと,それと,短時間で量を作ることは,命題です。食べ盛りの男の子3人抱えて,ホームパーティとかでは,これらの経験は有利ですし,ワイフの丁寧な料理とはちゃんと棲み分けができてます。私の無国籍適当料理が彼女のそれを凌ぐことは,絶対にあり得ない。
 後,友人達の影響は大きかったと思います。マクロ生物系,特に水商売関係では圧倒的に新鮮で良くできた自然食材しか食べてこなかった人生で,普段でも,そういった食材をとって食うのが当たり前という友人からの影響はかなり受けました。単なる食材通や料理通ではなく,フィールドでの生態学的,生物学的知識学知識で培われた眼で,食材の産地や鮮度,扱われ型がかなりトレースできてしまうわけで,実際にその友人とか,上手いと言わせるご飯を食わせるのはかなり大変ですが,失敗しようが外そうが自己嫌悪に陥らず,つきあえたのも,悪友なるが所以です。彼の下宿で「お前,何食っても美味しそうに食べるな,将来カミさんは楽だろう」と言われたのを覚えていますが,全く嫌味にも聞こえなかったのは彼が食べてきた新鮮で美味しいものの次元が違いすぎるから。それは贅を尽くしたグルメとは異なるベクトルで評価される天地海人の幸。料理を出すのに緊張する。一般のグルメとリーグが違うので,彼のことを知るプロの調理人にも彼はそう言われています。
 パンもご飯もないし,時間がないとき,よく作るガレット。中身は,子供達が喜ぶように超微細千切りキャベツとハンバーグにナチュラルチーズが放り込んであります。子供達はそのままケチャップをかけて,私とワイフには少々くどいので,ポン酢をかけていただきます。我が家の料理のほとんどは,ポン酢料理といわれるゆえんです。そちらに慣れてしまったので,醤油が辛くて使えなくなりました。
 良く作るカレーですが,ルーは購入したことがありません。いや,時々あの手の商品の味の変遷がリサーチしたくなって,購入したりしますが,基本はタマネギを炒め終わったら基本は完成する流れです。ピーナッツバターやめんつゆなども,短時間で作るときには活躍します。


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で,重要なことは,やはり,生活として日々黙々と作ること。その上で,余りもののリサイクル料理を楽しむ,というのが出来ないかぎり,ワイフの代わりにも彼女の負担軽減にも成らないことに気がついてから,単なる料理自慢は無意味だと感じるようになりました。子供達が,お父さん美味しい,といってくれるだけが今のご褒美でしょうね。

 実際料理においては「作る喜び」は感じられるわけで,その原動力は家族が美味しいと言ってくれることです。それを上手く昇華させるということが子供達にも出来れば,それこそ食いっぱぐれはないのではと思います。
 生米その他材料を炒めて放り込みます。途中まで作って,炊飯器にスープを入れて加熱しかけたところに,時間の節約とフライパンとパスタを茹でる火口を空けるためです。野外では火口がキャンピングコンロ一個とか普通なので,電気でも使えるなら,そちらに仕事させます。少しでも早く作って食べて寝る,あるいはテントを畳んで仕事始める。時間節約はフィールド料理ではシビアです。できないなら,レトルトで我慢する,それができないなら,時間短縮を必死で考えるそういうことになります。


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普段ワイフがやっているように,黙々と,日々,食事を作る,それがとりあえず,連休中は出来たように思います。友人の奥さんには,c_Cさんところって奥さんが二人いるようなものだから良いよねと言われたりしますが,残念ながら,ワイフの代役をやろうと思えば思うほど,付け焼き刃であることを実感せざるを得ません。
 残念ながら,写真はあまり撮れませんでした。本気で作って子供と遊んだから,そんなものです。画像は過去エントリからも借りています。あ,今回に関しては,これは友人宅への土産で,帰宅するまでお酒は一滴も飲んでいません。


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お向かいの少年が,実際食材の味を吟味できるので,ウチの家族が,それなりに美味しいと食べるお弁当屋さんの弁当をお母さんが買ってくると,二度とこんな不味いもの出すなと言ったそうで,彼の場合は,我が儘ではなく素直な感想なんだと思えますが,そういうのも,自分自身で作り出すことが出来るようにならなければ,なかなか大変です。
 弁当は,今,自分の住む家の近くも戦国時代で,このメニューで288円。実際下手な外食をするよりも弁当屋専門店に買い出しに行くのが値段を考えると一番経済的で,お昼時のお弁当やさんの混み方は最近尋常ではありません。

 大手じゃないお弁当屋さんの厨房の人たちも知恵を出し合いしのぎを削っています。作る側になって,こういうものを見る目も変わりました。ええ,ワイフなら,子供達がわがままを言おうが,大抵の場合文句も言わずに耐えてしまいますが,付け焼き刃のお父さんに限ってはそんな辛抱はできませんから。修行が足らない親父の方が,閾値が低いので,文句があるなら,おまえ達本気でこれを造って見ろ,と親父が子供達を本気で叱る家庭は,良いのか悪いのか。
 これ,自分が学生時代のキャンプと同じですね。お父さんが厨房に立つときは,子供を養うモードではなく,共同生活モードになっているわけです。

 で,ここまで書いて気がつきましたが,冬山,ヨットからスカイダイビング,アウトドアなんでもござれの叔父に教わった価値観ですね。

 どちらかというともやしっ子的であった私に,国体のジャイアントスラロームの選手だった彼は,八方尾根の上まで連れていったり,身体を使うことを中心に何でもやらせて,本気の速球を投げてのキャッチボールができるまで鍛えてくれました。いろんなことを教えてくれた叔父ですが,あれはテントでの共同生活の掟を,まま教えていたんだと思います。書き出すまで忘れていました。結局それを子供にリプレイしているのかも知れません。

 「E美子,c_C,食え。」「うん。でも・・・」「食えないなら,箸置いて出ていけ。」「・・・・・」

 優しい叔父でしたが,彼と食事をするときには一緒に育てられた上の従姉妹と一緒によく泣いていました。当時の給食的なまずさに耐えるような話ではなく,普通の料理の話なので,ただの好き嫌いの克服でした。彼のフィールド教育と同じで,無理強いはなくてチャレンジさせる,寸止めはちゃんと効いていました。
 私も,子供たちにはおなかはゴミ箱じゃないので,どんどん新しい味にはチャレンジさせますが,不味いと思うなら食いなさんなと言っています。

 少なくとも食べ物を作る喜びは,やはり人と一緒に食べさせる喜びとセットじゃないと機能しないことは確かなので,今の間にそれを教えられればと思います。
 あるときは,一人で,自分自身のためだけに黙々と貧しい食材であろうが何か食べ物を作って食って生きていかなければならないときがあるとしても,今は。

 そう,今は。
Commented by Lilywhites at 2009-05-07 23:04
炊事当番、いや専属シェフ、ご苦労さまでした♪ きっとご両親も大喜びだったに違いありません♪♪ 私も思いつきでGWは炊事当番をしておりましたが、こんなバリエーション豊かにはできないなぁと驚くばかりです。 
Commented by complex_cat at 2009-05-08 07:39
Lilywhitesさん,何となく友人達も私が作るのを見ていると,勘がつかめるみたいでいきなり料理に目覚めたりするようです。家族同士のパーティは,メニューが増えたり刺激しあえるので良いですよ。
Commented by まる at 2009-05-08 10:22 x
一緒に楽しく食べることができる家族がいるってことは本当に幸せなことだと思います。なのに私ったら「作るの、面倒くさぁ~」としょっちゅう愚痴っています・・・猛反省。
料理のレパートリーを増やしてもっと「作ること」「食べること」を楽しもうと思います。大事なことですもんね♪
包丁、研がなくちゃ。
Commented by complex_cat at 2009-05-08 22:08
まるさん,作るの面倒くさいし,作って貰えるのは嬉しいですよ。それで良いと思うのです。ワイフは,自分で作ったときよりも,作ってもらったときの方が沢山食べます紋。
 ちなみに,食い意地が張っていることは重要かと思います。
 私は草食系でも肉食系でもなく,多食系男子かなw。
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by complex_cat | 2009-05-07 19:23 | Appetite Museum | Trackback | Comments(4)

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