
ノミの駆除用の薬品を買えてみたら,これがチコに合わず,皮膚を損傷してしまった。ようやく一番酷かった傷の瘡蓋が取れて化膿もせずに快方に向かったのでホッとしたが,戻ってきても餌食って直ぐに出て行こうとするので,流石に,とっつか掴まえて朝から少し説教をする。
「チコ,お前なぁ・・・お前ほど,好きなときに好きなところ行って,好きなことやって,好きなときに帰ってきて好きなもの好きなだけ食って好きに寝てるネコは居ないんだよ。あんまり勝手なことやっていると,傷が治るまで閉じこめておくぞ。ああ,そうすると,お前は庭を使えないから,室内のトイレトレーニングから始めないといけないんだよね。エリザベスカラーは着けさせてくれないだろうし,あんなもの着けたら,多分,お前は気が狂いそうになるだろうし・・・」
そう,説教になっていない。

しょうがねーなーという感じで,私が抱いて下ろした場所で,体を丸めて眠り始めたのが最初の写真。しかし,これは私への筋を通したという感じで約10分後には,餌皿の残りを平らげて出て行った。この傷なんだが,最後の部分の瘡蓋のところを舐め剥いでまたやり直しになってしまった。

一昨日やられたツバメの巣,カラスに襲われた跡を検証する。綺麗にむしり取られて,卵までやられていた。チコは見上げるだけの場所だが,去年のカラスでなくても,彼らは入念にツバメを観察しているのを目撃したから,ここには気がついて襲えるだろう。来年からは流石に,もうここには巣をかけないかも知れないとこの家の奥さんと話す。いつも通り,許可を頂いて撮影する。

なんて話をしていると,やってくるんだよね,ウチの息子は。で,人のウチの庭先でくつろぐ。今朝は,別のお宅,裏の畑に隣接して建っている家の奥さんが,「ああ,最近チコちゃんよく来てますよ。可愛いですね。あんまり擦り擦りしてくるもんだから,うっかり尻尾踏んじゃいました。悪かったねーって謝ったんだけど。」とおっしゃるので「チコは自分の尻尾の扱いぞんざいなんで,良く踏まれるんです。」と笑って答える。

実際尻尾の長い猫に慣れてなかったワイフにも,最初の頃,台所とかで良く踏まれてた。猫は犬と違って尻尾は地面を這わせて無造作に投げ出す個体が普通だから。留守中,面倒をお願いしてたOさんにも踏まれていた。

デレ状態のチコが膝に乗り,肩に乗りべったりくっついたまま動かないので,これ幸いとブラッシングする。今のラバーブラシはもの凄く短時間で毛が梳ける優れものだ。これを手に入れてから猫の毛球症とは完全におさらばできた。勿論,一番毛球症に成りやすかったチコも,調子が悪くなることはなくなった。

丁度,猫番引田天功は新しく張って仕掛けの無くなった網戸に不平を漏らしていた。この数分後,勝手に重い網戸をずらして脱走して,茅原で,チョウチョを追っ掛けていたところをワイフに発見された。
そりゃ楽しいわなー。市街地空間じゃないから,見たり追っ掛けたりする生き物は,沢山いる。どうやら,彼女は,本当に外の世界の楽しさを知ってしまったようで,完全に脱走癖がついてしまった。雌猫なのでそんなに行動圏は広くとらないだろうけど,チビの時からいろいろなものを学習して危険なものを回避したりやり過ごしたりするトレーニングは皆無なので,今からそれを安全に修了してもらうような博打をする度胸はない。何かを追っ掛けて車道の方に行ったらアウトだと思うし,そういう大胆さは,長時間外に出せば,身についてしまう。
勿論,出す気はないのだけれど,深窓の令嬢は,夜,恨めしそうに啼いて,ロックを付けた網戸と私の顔を交互に見ていた。