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マクロの庭 #2〜光る蛹他

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手作りビールのお返しにというわけではないけれど,「この蛹光ってます,欲しければ上げます」とお向かいの奥さんが仰るので見てみたら,見事なツマグロヒョウモンの蛹。ちなみに蛹が付いているツタは,食草ではない。
 隣の少年はお向かいの子ではなく,チコ「が」こっちまで連れてきて一緒に遊んでいた少年。
Canon EOS Kiss Digital X, Carl Zeiss Distagon 1:4/18 T*

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こちらは側にいた終齢幼虫。スミレ科が食草なので,ビオラやパンジーの葉も餌になる。綺麗にガーデニングされている家の庭では結構見る。親である蝶も先ほど見た。さてWikipediaのツマグロヒョウモンの項を見ても,蛹が発光する適応的意味どころか発光することことすら書いてない。私はムシ屋さんでないので,コレクター的興味はないのだ。なさ過ぎるかも。一方で,生態学的,行動学的,生活史的な問題には好奇心を隠せない。気になってしょうがない。へー,面白いね,じゃ終わらない。
 ムシ屋さんの中にも生態屋が沢山混じるが,圧倒的な量のコレクターがマジョリティであるところのムシ屋さんとは,こういうところが興味のアンテナが違うのをいつも自覚する。これは,バードウォッチャーと話していても同じことを感じる。生き物はそれ自体が魅力的だから,生き物に興味を持っているといっても,自然科学の枠組みで見ると,微妙にレイヤーが違っていることもあるかもなぁ。
 とりあえず,虫屋さんに聞きまくろう。
Sony α700, MINOLTA α AF MACRO 50mm 1:2.8 (32)+ RAYNOX MACROSCOPIC LENS M-250

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適応万能主義者ではないけれど,これだけの特別な器官に投資する意味は,何だろうと思う,やっぱり不思議だ。ホタルの仲間以外で,このような光を放つ昆虫を見るのは初めてだ。同様にルシフェリンとルシフェラーゼの反応なんだろうか。
Sony α700, MINOLTA α AF MACRO 50mm 1:2.8 (32)+ RAYNOX MACROSCOPIC LENS M-250

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露光を切り詰めてみる。LEDみたいなくっきりした光。
Sony α700, MINOLTA α AF MACRO 50mm 1:2.8 (32)+ RAYNOX MACROSCOPIC LENS M-250

追記-このツマグロヒョウモンの発光の意味については,まともな資料にたどり着いていないので,勝手に考えてみた。成虫はオオカバマダラに擬態している。いわゆる毒蝶への擬態なので,ベーツ氏擬態は折り込み済みというわけだ。で,蛹もひょっとしてと思ったのだけれど,オオカバマダラ系には似ても似つかないし,彼らは発光しない。
 そもそもホタルって無脊椎動物はともかく,イヤな匂いを発するので捕食者少ないんだよね。発光する昆虫としては本家となるそっちへの擬態というのがあるかな。うーん。実際,発光する昆虫に対して蛹であろうと,まずどんな潜在的な捕食者がいて,本当に回避するのかと云うことになると,それなりの証拠が必要になるし,直感的にちょっと違うような気もする。発光器の配置がマドボタルとか似てないこともないかな。あれも,点滅しないんだよね。




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我が家は,猫たちが囓る分の確保のため,イネ科は生え放題にしているので,はっきり言ってバッタの帝国。夏とも成れば巨大なショウリョウバッタの雌が彷徨き廻っているので,今の時期は,孵化したバッタの子供だらけだ。
Sony α700, MINOLTA α AF MACRO 50mm 1:2.8 (32)

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不明。カメムシの仲間の幼生か?後で調べる。ブドウスカシバの大群にやられたデラウェアに集り始める。ダメージを受けたことから昆虫からの加害に対抗する二次代謝産物の産生が落ちている証拠か。二次代謝産物の多くは,完全に虫を忌避させることが出来なくても,消化をある程度阻害したりして,時間当たりのムシ側の栄養摂取の利得を下げたりするように働いているはずで,それにより,自己の株が選択される確率を僅かでも下げるように適応してきていると考えている。採餌に完全には抵抗出来る機能のない中途半端な棘などの防衛戦略も同様だ。現状,弱り目に祟り目というやつだ。どうもアシナガバチ系の減少は間違いないようで,今年はあちこちの葡萄で-といっても個人宅の庭先にある農薬管理のしてない株だが-ブドウスカシバが大量発生しているという話をよく聞くようになった。
 クモに捕食されたと思われるブドウスカシバの幼虫の死体が目立つようになってきたとワイフの観察。そういえば造巣しないクサグモを今日は3個体ほど見かけた。デラウェアのマイクロハビタットの上で,いろいろなことが繰り広げられている。
Sony α700, MINOLTA α AF MACRO 50mm 1:2.8 (32)

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カマキリ。幼生の段階で,種を判断できる人もいるかも。私は分からない。
Sony HDR TG-1
 SONYのビデオには,大抵はテレマクロモードが付いているが,はっきり言って使いにくい。やたら望遠側になるので,手持ちだと手ぶれしやすくなるし,設定して撮影しようとすると何処をフレーミングしているか分からなくなる。少々ズームをいじってフレーミングを替えようとすると,テレマクロモードが解除になってしまう。そもそも設定が,メニューからなので,煩雑。良いこと全然無いのだが,マクロ撮影持つ変えると云うことをカタログに載せたいがための,妥協案みたいな変なモードだ。使い物になるかどうかといえば,多くのユーザーにとっては「ならない」と思う。

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我が家のタンカンの木に産卵に来たナミアゲハ。テレマクロというとこういうのが撮れて初めて意味がある。今時のビデオ,性能は高いけれど,スティルでこういうのが押さえられるかというと,そもそも高速シャッターは切れないし,動体にスパッとフォーカスが合うのとは違う。デジタル一眼の存在を必要としない使い方は少なくないが,私の場合はこれがないとどうしようもない。日中,輝度のあるところでわざわざISO1600で使う気になる。高感度ノイズの少なさで実用に耐えるものはコンデジには未だ無い。これで,望遠側の薄い像面では困るので被写界を稼ごうとそこそこ絞り込んでも1/4,000secが切れるわけで,補助光の瞬間発光で動きを止める必要もない。APSサイズの場合はより小さい画像素子に対応したフォーカルプレーンシャッターなので,シャッター効率も良い。110サイズフィルムと同じ大きさのフォーサーズは,高感度ノイズと利得の面で,未だちょっと不安を感じる。そう考えると,APSサイズは結構絶妙かもと思うときがある。
 時々,「デジタル一眼レフって本当に必要なの?」というような不毛な論考が上がる。プロは相手にしないだろうけど,意外と説明するのは面倒で,そういうのは,最近ではメーカーの若い営業の人もそう思いこんでいたりしないか,時々不安になる。みんなちゃんと写真撮ってから,考えましょう。開発技術者において,圧倒的に撮影経験や撮影スキルが足りないと言われるのは,フィルム時代もそうだった。今は,少なくとも現像代というランニングコストは係らないから,写真変態の生きの良い技術者が増えてくれることを願う。
 こう書いていてもPanaとOlympusのフォーサーズの進化には期待している。

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Commented by koji at 2009-06-08 10:42 x
二次代謝産物のお話。M・ナイト・シャマランの某映画のネタにあるね。
 そろそろ小説でも書いたら。
 印税で飲もうよ。
 あまりは学費にするってのはどうだっ。
Commented by complex_cat at 2009-06-08 13:03
kojiへ,貴君から貰った藁しべビールがこれに化けた。
 文才がないのは身にしみている。小説は無理だ。
半端なネーチャーフォトと半端なテキストで,何とかならないかと,一応,この夏に某ネーチャー系エッセイストに送る予定にはしている。
 彼は,自分がお前の面倒見るのは責任だと言ってくれたのだが,もう忘れているかも~。
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by complex_cat | 2009-06-07 21:34 | Wonderful Life | Trackback | Comments(2)

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