黒糖酒的真打ち #1
2009年 06月 27日

追記ー彼は瓶の中の黒糖酒の上層部分に薄く僅かに有機物層がうっすら浮いているのを見逃さなかった。銘酒だから製品管理上の齟齬で生じたものではない,だから蒸留工程だけで作られていないと判断したようだ。ウイスキーなどにも観察眼が有れば樽から解けだした樹脂成分の膜がうっすら浮かぶことがあるそうだ。流石に,私に幼なじみとして年端もいかぬガキの頃から,酒を教えてきただけのことはある。
ちなみに地元では,かつては普通にこそっと家庭で作るようなものが黒糖酒で(勿論税務署の関係者がお出でになるときは隠していたという),それをまた,瓶に入れていわゆる沖縄のクースーのように熟成させるやり方は,更に美味しく飲むための基本みたいな方法ではあります。
地元の奄美大島で愛される酒だけれど,最近は屋久島の「三岳」同様,島内の酒屋でも午前中になくなってしまいます。ちなみに三岳の方はそんなに大騒ぎするような焼酎じゃないと思っています。普通に(という表現はまあ普通じゃないのですが,既に普通になってますね)美味しい酒ですが,「自然遺産の島の焼酎」として妙なプレミアムがついてしまいました。
そういう意味では,こっちはずっといろいろ飲んでいる黒糖酒しか飲まない人に評価されている銘柄。意味は「お客さんがいっぱい」という意味です。以前も紹介しましたから,それ以上は書きません。ちなみに第4惑星か異次元世界のフォトグラファーで有名なNEZIMINEKOさんがこういうエントリ上げられてTBされてこられました。普通なら身も蓋もない嫌がらせですが(爆),私たちの仲ですので,もちろんアートですw。アップされるのをご自身も悩まれたと言うところで,やっぱりアート。表現の自由は大切です。余り有名になるとあちこちから恨まれるのでここまで。

実際,現地の酒房は規模が小さいので,変なブームになったりすると島内から直ぐになくなってしまいます。数年前に天皇について来た警備陣千人単位,初めて飲んだ黒糖酒に感動して「何これ美味い」で大量に購入して帰って,数ヶ月間島内からまともな黒糖酒が消えて,悲惨なことになった。大事にゆっくり楽しみたい。
実は,友人知人には伝えてあるけれど,まだ,隠し球というか,真性黒糖酒の本当の真打ちは,二銘柄ほど控えています。ただ言えるのは,黒糖酒や芋焼酎は,日本酒よりは年ごとの出来不出来の変動が無く,銘柄毎のクオリティの差も少ないということです。「夏子の酒」がブームになる直前に「亀の尾」を人に紹介されて,飲んで感動して,3年ほど3,4本購入していましたが,初年度購入したほどのインパクトは後の年ではありませんでした。そういうこともあります。十分に素晴らしい酒だとは思ったけれど。銘酒の場合,その当たりのブレも極小化はされる努力と技術はあるわけですが,やっぱり大きいかな。

酒飲みの恩師が,「黒糖酒」のロックが知られるようになったら,日本酒は駆逐されるとまで仰っていたが,私は,それぞれに良さがある別物で,それはないなと思うし,日本酒の凄いのはそれはそれで,別に凄いと思います。
ただ,蒸留酒故の二日酔いの少なさはありますね。
以上酒飲み中の戯れ言。
尾瀬さんは,蒸留酒,焼酎系では書かれないのかな。島の文化や今時ありそうな事件と合わせて,ストーリーは,作れそうだけれど。精緻な発酵過程の妙で日本酒には神秘性で負けるのは,蒸留酒の質の安定性の裏返しだけれど。
それでも,黒糖酒でも製造過程が大幅に見直されていて,新酒からその恩恵に浴せそうなので,その当たりが手に入ったらまた,飲む。じゃなかった書きます。

NEZIMINEKOさんのTB記事、感謝。