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捜秋記 #5


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今年は,夏,記録的に雨が少なかったので,山芋は散々だったと裏の畑のご主人の話。

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チコといつもの通り散歩に入る。

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そのまたお隣の奥さんも油粕を捲いて畑にでて居られた所に,人なつっこく甘えに行く。

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「あらまあ,犬みたいに本当に貴方にくっついて散歩してるのね。何という甘え方。」3人で天気や世間話のとりとめのない会話をしながら話題は,チコの話に。

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「(貴方の)車のエンジンの音がすると,この子が畑を横切って飛んでいくのが見えるよ。」「猫を呼ぶあんたの声は,みんなが聞いとるよ。」「そんなにいつも,ずっと可愛がっていて,子供同然でこの子が居なくなったら貴方はどうなるんでしょう。他人事ながら,大丈夫かなと心配してしまう。」

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チコの一生にも秋は訪れ,やがて冬は来るのは確か。
 「多分しばらくずっと泣いて暮らすと思います。ペットロスになるでしょう。でも,自分も永遠に生きる分けじゃなくて,順番だから。もしそうなったとしても,そのうち,こいつの居るところに行くだけと思うし。」
 いや,先に逝ってくれないと,自分が居なくなったりした後のことを考える方が,ペットを抱える人たちは苦しいかもと思う。ワイフや子供たち家族,自分の死なんぞ,乗り越えていくのはデフォだということを前提で考えられるのだけれど,猫で考えるとどうも駄目だ。ワイフや子供達は彼に伝えるすべを持たないし。もちろん,チコが義父を失ったとしたら,鬱症になるかもとか自意識過剰的な心配をしているわけではない。

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朝の状態。長男が寝ているところに,私が寝ていた。この時期になって急に温度が降下したため,チコが未明に戻り,張り付いて寝ていた。開脚のまま寝ているので腰がおかしくなる。
 ここ3日続けて,未明に,彼の戻った世という啼き声と重みで目が覚める。

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長男と替わってみたのだが,冷えたせいで夜間活動がきつくなってきたのか昏々と眠っているチコの姿。ほぼ半年ぶり。

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ユッチは,昨日,牧場から戻った後に,一寸脱走してみた。ワイフがXacti DMX-CA65の動画昨日で撮影した動画から切り出したスティルだが,さんざん草を食べまくって,公陳丸と追っかけっこをしてポーチまで戻ってきたところ。この後,素直に家に引っ込んだ。彼女とナッチはありがたいことに,外の世界を怖がってくれる方なので,基本部屋飼い。

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そろそろ冷え出すので,全員が暖房の入った寝室に眠るようになる日は近い。





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この秋の訪れを待たずに,お隣のファル君が長い長い散歩に旅立った。聞かされたときは結構ショックだった。もっと我が家に遊びに来て貰っても良かったのになぁと思った。

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ファル君は,引っ越してきた日に少しだけ吠えて見せただけ,後は私たちを歓迎してくれた賢い子だった。ある日このいつも吼えないファル君が,盛んに私に向かって吼えたことがあった。異変を感じて私道に出てみれば,おばあさんが転倒して起きあがれずに倒れていて,弱々しい声で助けを呼んでおられた。もちろん私のところまで,人間の聴覚では聞こえるはずもない距離で。夏の暑い日だったが,熱射病で危ない状態になる前に,要救助者に気がついて,あわててワイフと氷と日傘を持って飛んでいって,救急車を呼び,助けることが出来た。いつも誰彼かまわず吼えかかっているような犬では,絶対にこういった高度なコミュニケーションを私に対してとることは出来なかった。幼児をかみ殺す事件を起こしたロットワイラーやマスチフなどの闘犬や警備犬は,主人以外にはフレンドリーな行動をとらないように訓練されて使われたりする存在だから別物だが,それも飼い方次第で決まる。咬癖をつけることを警備犬としての訓練だと言うスタンスなら何も言うことはないが,私のようなタイプの犬好きは,自分の犬が人に愛される方がやっぱり嬉しいのではと思ったりする。これは,一般化はできないのだろうけど。
 警察犬のように,あるタイプの人間とは戦闘することを運命づけられている犬であっても,主人の許しがないとむやみに人を襲ったり人を咬んだりしない,むしろ人に対しては基本フレンドリーでなければ仕事に使えないわけで,私はそれが犬の本来の姿であってほしいと思っている。ロットワイラーだってドーベルマンだって,家庭犬として育てることはできるはずなのだが,そうじゃない使われ方は,少し悲しい。

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いつも庭でチコと遊んでる私を見つけると,自分も仲間に入れてくれ,遊ぼう,遊ぼうと,私を呼んでくれた。ごめんな,お隣の犬だったので少々僭越なのだけれど,十分に遊んでやれなかったのが心残り。彼の大きな体が我が家の猫の額のよう浪速で方向転換すると,子供達が飛ばされたりしていて,お隣が逆に心配されると言うのもあった。大人しかったのだけれど,公陳丸達は,流石にフレンドリーに遊ぶというわけにはいかなかったこともある。
 何度も手術や心臓の病気の危機を乗り越え,大型犬としては随分長生きで大切に飼われていた子だった。
ペットの老老介護の話も最近はよく聞く。そうなったとき大型犬は,実際大変だと思う。
 お隣の奥さんは,ファル君が居なくなった庭を,公陳丸が横断しながら,サッシ越しに目線をくれると少し寂しそうに笑っていた。
 「でもね。ファルが先に逝ってくれて良かったと思うんですよ。自分が介護が必要な状態で犬とかが居る人とか,話聞いてると大変だもの。」そうですね。順番は大切。

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裏の畑では蕎麦の花が満開。いつ見ても可愛い花。ファル君は,この花を見ることはもう無いんだ。

 花畑,そっちでも散歩できたりしていたら良いのだけれど。
Commented by tochi0150 at 2009-10-12 18:55
こんばんは
私も家族から、にゃんちが死ぬとボケるのではないだろうかと言われています
私も溺愛していますし、向こうも私になついてくれていますから
やはり同じで先に猫のほうが逝くということを覚悟しながら
今は死別のことなど考えずに思いっきり可愛がってやる、死に別れた時は思いっきり泣けばいいかと思ってます
ただ親心としては、茶白のほうは娘が嫁に行くまで生きていて欲しいと思ってしまいます^^;
Commented by complex_cat at 2009-10-12 19:56
tochi0150さん,普段考えたくない死について書いてしまえるのは,自分の年齢が進んだからかも知れません。考え方,ほとんど近いです。まぁ達観なんてできる分けじゃないし,ともかく,今のこの一瞬を大切に感じます。
Commented by dojou7 at 2009-10-12 22:20 x
ファル君のご冥福をお祈りいたします。
いつかそちらに伺ったら、なでさせてもらおうと思っていましたが、残念です。
Commented by ホワイティ at 2009-10-12 23:29 x
猫の散歩をキーワードにこちらにたどりつきました。
いつも更新されるのを楽しみにしてきています。
我が家の猫は、チコさんと同じキジトラ白なので、
広いエリアを自由に歩くチコの姿は、とても親しいものに感じています。また、こちらとは全くちがう風景が、とても新鮮です。

ところで、
私のブログ(猫とその周辺のまったりした記事のブログです)に
リンクさせて頂きたいのですが、よろしいでしょうか?
また、訪問いたしますので、お返事いただけたら嬉しいです。
Commented at 2009-10-13 00:42
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented by complex_cat at 2009-10-13 19:02
dojou7さん,とても残念です。チコのライバル,ちびちゃんは健在です。いつでもお待ちしてますよ。
Commented by complex_cat at 2009-10-13 19:04
ホワイティさん,ようそこ。
 リンクどうぞ。嬉しいです。こちらは現在,某ブックマークの不具合から,エキサイト以外のリンクのご紹介を控えております。そちらの方にご迷惑がかかるものですから。どういうことかというと,そちらの記事がブックマークすると,その表示サイトに私の所のエントリが延々と並んだ変なページが作られるのです。様子見中です。
今後ともよろしく。
Commented by complex_cat at 2009-10-13 19:05
カギ米さん,私もそう思います。撮っておけば良かったなと後悔しないように,今日もカメラ持って走り回ります。
Commented by だりこ at 2009-10-14 04:18 x
こんにちは、C_Cさん。
私は仕事もまだ見つからず、カールを亡くして散歩も頻繁に行かなくなったせいか、今年は金木犀が咲いていることに気がつくのが、いつもより遅かった気がします。
そんなことでふっと淋しさが心をかすめたりしますが、カールが亡くなった今は以前より側にいるような気がします(笑)人間の都合なんですけどね(笑)
毛深い娘たちもシニアの年齢に入ってきましたが、3匹とも元気ですw
Commented by complex_cat at 2009-10-15 08:19
だりこさん,それはつらかったですね。ゆっくり行きましょう。
朝,公陳丸と話すことが多くなりました。
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by complex_cat | 2009-10-12 18:14 | Cat Family | Trackback | Comments(10)

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