干拓地の情景

干拓地の情景_b0060239_18485858.jpg
本来干潟や湿地であったところを日本独特の水田地帯に変えた事によって,残存する事が出来た野生生物種は,少なからず存在します。しかし,それは,手放しで賞賛される状況ではなく,トキの絶滅同様,どちらかというと彼らの生存はかなり危うい状況の上に成り立っています。百姓が何でも作って残してきたという考え方も一面としては正しいのですが,相当なリスクと根性,そして消費者の意識改革を必要とする環境保全型農業とそうでない現代の普通の農業の違いを十分に理解した上では,そんな簡単な話ではない状況が現在あります。農業が環境を守っているというのを手放しで言って良いのは,少なくとも,地域内で物質や生態系の構成種の利用資源がちゃんと供給されている場合に限ってです。
 少なくとも戦後近代化の波の中で変性を迫られた農業は,工業化し,その結果,今,農業地帯で保全されている自然は決して多くありません。最近では,有機無農薬農業や希少な自然環境である里地の復元において有効という事になっています。しかし,自然農法といっても,消費者の色の安全を守る等の効果を「自然農法」と言っているだけで生態系保護上やもっと大きな人類の「安全」の意味を考えるとまた別の話になるものも少なくありません。また,今の消費者の勝手な価値観の前ではなかなか,工業化した農業から転身できる農業地域は多くないでしょう。失われた大地と水と人間の関係の修復はそんなに容易くはないと思います。そんな中で,無耕起潅水農法などの自然農法と川と水田間の魚道などは,かなり個人的にも注目しています。
 さて,ツルもそういった生物の代表ともよべますが,日本各地の水田地帯に常在していない現在の状況は,その保護管理を考えると非常に問題があります。子育てが継続中のマナヅルとナベヅルの家族群。二種が何故に一緒にいるのかについては,もう少し先で書く事にします。

干拓地の情景_b0060239_18564436.jpg上の画像もそうですが,あまり使いたくないISO 200の圧縮はSTDという条件でA1のテストみたいになってしまいました。このあたりが画質を考えると本機のぎりぎりの使い方ではないでしょうか。彩度押さえ気味の画像は好みがあると思いますがトーンはいじらず,少しだけ明度を下げ,コントラストも同時に僅かに下げていますが,彩度はいじるのを我慢しています。飲み屋のつまみの濃い味付けと同じで,僅かずつでも上げるのに慣れると危険ですから。
 ここまでデジカメ画像の占有率が高くなってしまいました。A1が使いやすいと云う事もあるのですが,もう少し銀塩からの取り込み画像を載っけて行かねばと思っています。自宅にまともなスキャナーがないのが痛いですね。
Commented at 2008-11-12 21:40 x
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by complex_cat | 2004-11-29 19:08 | Wonderful Life | Trackback | Comments(1)

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