石蕗(ツワブキ)

石蕗(ツワブキ)_b0060239_23351530.jpg自然観察において,スギの人工林ほどつまらない場所はなかなかないと思っていますが,この時期,種子島では,ほとんどの林床でツワブキが群生しており,いつもは殺風景な場所が少しはまともに見えました。ツワブキの種子は動物付着型なので,人工林などへの侵入は容易いかと思います。


石蕗(ツワブキ)_b0060239_22533753.jpg即ち,この場合のSeed disperser=種子散布者は,ヒトがその中心的な役割を果たしている動物と考えられます。食用で採る方が居られるので,そういった事もツワブキの側から見ると種子散布者として効果的に働いている要因なのかも知れません。何れにしろ,ヒト以上に効果的に種子散布を行える動物は存在しないので,そのことは,自然保護のいろいろな面においてブラス面,マイナス面ともに大きいと感じております。


石蕗(ツワブキ)_b0060239_2336688.jpgツワブキの下を移動するヤマカガシに出会えたのはちょっと嬉しかった。現時点での温暖化の影響も無いとは言いませんが,気候区分では亜熱帯までは行かないものの,12月のこの島の気候はまだまだ温暖です。
 ヤマカガシは今のようなペットブーム,アウトドアブームになる遙か以前に,蛇好きネイチャー指向の少年達の飼育の友でした。私の友人達(ここで既にサンプルの偏りがありますので,差し引いて聞いてください)も,少年時代の話を聞くと何人も飼っておりました。性格がおとなしいし,手の上で遊ばせても大丈夫という事で一番飼いやすい蛇でした。当時は,血清も作れない,体内に注入されたら脳神経組織までが溶けるほどの細胞破壊作用のある猛毒をその奥の方の歯に密かに隠し持っている蛇だなんてことは誰も露知らず,実際,事故なども私の身の回りでは皆無でした。
 A1の描写によるヤマカガシの質感はかなり良いです。被写界の外で,シャッター速度が遅いので分かりにくいのですが,空気中の匂い分子のセンサーとなっている舌の先端は針のように鋭く,ストロボで止めると先端部にまで伸びる血管が写ります。


石蕗(ツワブキ)_b0060239_9211068.jpg
デッケルマウントのレトロフォーカス広角レンズをアダプター介してときどき一眼で使っております。レチナ用の安価なシュナイダーは,非常に好感の持てる色のりとコントラストで,光線がフラットな場所でもほどよい描写をしてくれます。ピント合わせは苦労しますので,こうなるのもご愛敬です。
CONTAX 167MT, Schneider-Kreuznach Curtagon 4/28
Commented by dojou7 at 2004-12-04 00:13
ヤマカガシ子供のころよく出会いましたが、かなりすばやく赤い斑点を認識する程度しかおぼえがありません。南のはおとなしいのかな?
また飼っていた友人もおりません。私の記憶の中でおとなしいのは青大将でした。
Commented by complex_cat at 2004-12-04 08:19
dojou7さん,どうも。私が今住んでいる地方だと,私の少年期よりも生物に溢れておりますが,最近はこのような原体験を語れる人が減ってきております。
 アオダイショウもよくペットになっていた蛇でしたね。樹上性なので日本家屋内によく侵入してきて,遭遇確率も高かった事もあります。一度捕まえたのを森に逃がしに言ったら,尻尾の先端の部分で枝を掴むと魔法のロープのように上方に伸びていったのを見て驚愕しました。まさしく樹上性。
 シマヘビは結構気が荒く,友人が咬まれるのを見た事があります。
Commented by complex_cat at 2004-12-04 10:28
 ヤマカガシの補足ですが,ヤマカガシと同様,ウミヘビの場合も血清なし,毒が注入されればなすすべもなく致命率が高いという事ですが,高級食材として重宝されるので,海岸で漁をするおばちゃん達が素手で大群が繁殖のため大量に絡まり合っている中に手を突っ込んでそのまま陸に放り上げるなどして,採ったりしています。
 両種に共通するのは,毒牙が奥の方にあり,ハブやマムシなどの毒牙のように注射針型進化して居らず,しっかり口を開けさせて思いっきり中に指をつっこんだ後,思いっきり口を締めさせない限り,まず,毒が体内に入る構造になっていないという事です。勿論攻撃性は全くといって良いほどありません。毒蛇の危険性は,毒液の単位あたりの毒量ではなく,個体の攻撃性と注入される絶対毒液量に比例します。
 私は,もしものことをいつも考えるので,息子達にもハブやマムシより注意する事を教え,これらを触ろうと思う事はありませんけど。
Commented by aperture at 2004-12-04 13:07
ヘビを見るとゾーっとします。背筋が凍りつきます。たぶん幼児期に刷り込まれた恐怖感だと思うのですが、我ながら不思議に思うことしばしばです。

沖縄に行ったときはハブへの恐怖がつき纏って仕方ありませんでした。ペットにするなんて信じられないし、ましてや食材にするなんて。台湾の屋台にはヘビが並んでましたね。
Commented by complex_cat at 2004-12-04 15:18
 奄美などハブの生息する地域の調査では,森林から出てくると,ホントにほっとします。プレッシャーが違いますので,2,3倍は疲れます。蛇は,本当に苦手とする人が居られますね。男女関係ありません。自衛隊が調べたヒグマの苦手なものの中にも入ってましたからかなり忌避衝動はちゃんと組み込まれているものなのかも知れません。
 私の場合,特に苦手な動物は居ませんので,忌避するかしないか,かなり論理的に決めております。実害がない動物は,瞬間的に同定して緊張が解けるようになっています。私自身データのない地域では,ちょっと勝手が違うでしょうけど。距離を採って観察という事が出来れば大丈夫だと思います。
 むしろ,ヒトとかイヌとかの方が怖いですね(笑)。個体毎の行動的多様性が大きすぎて読めませんし,本気でいきなりこちらを傷つけようとするものが存在しますし。
Commented by complex_cat at 2004-12-10 09:25
Curutagon 28mm/f4の画像を加えました。
Commented by みお at 2004-12-11 20:57 x
私も蛇類は苦手なのですが、なぜ苦手かというと、見分けがつかない(知識がない)こととどの蛇が危険なのかわからない(これも知識の問題)こと、彼らの生態を知らないこと。。。すべて近づかないようにして、とりあえず危険な目には遭わずにすみました。

ところでドイツレンズによくある「条件が悪いときにちゃんと写る」という現象ですが、不思議なものですね。そういえばレチネッテのアンジェニューも日没後のコントラストが低い条件で奇麗な色を出して驚いたことがありました。こういうスペック(測れないものかもしれませんが)は評価対象になっていないような気がしますね。
Commented by complex_cat at 2004-12-11 21:43
 奄美以南に行くと,更に種類が多く,気の荒いアオヘビ(無毒)やハブをまな板に乗せる蛇喰い蛇アカマタ(無毒)など,地元の人も有毒だと思っているのがいたり混乱してます。先日もヒャンという蛇を写真に撮りましたが,オーストラリアにいる猛毒のサンゴヘビに模様が似ていたので,専門家の友人に毒の有無を訊いたら「えぇ,コブラ科なんでウミヘビ同様神経毒です。」「勿論,血清は?」「ないでしょうねぇ。」と楽しい会話。
 マニアのサイトでは,口が小さいので「咬傷被害は無い」ときっぱり書いてあります。まぁ,そう言い切って良いのかも知れません。過度に危険視されると見れば直ぐ殺す人も出てきますから。とりあえず,やばい目に合いたくない方は,全部回避するのが正しいようです。 で,Curutagon 28mmですが,二本持っています(笑)。
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by complex_cat | 2004-12-03 23:09 | Nature Islands | Trackback | Comments(8)

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