とある美術館廻りの生命

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時々探索に行くミュージーアム周辺。もはや完全に夏。
普通は,晴天,この輝度差で空を青く落とすのは無理なのだが,SONY α系デジイチの裏技,Dレンジオプチマイザーを強くかけて,少しアンダーで撮るとこういう画になる。画像は少し荒れるが,昼間の照度が有れば目立たない。
SONY α700, MINOLTA α AF Macro 50mm 1:2.8

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敷地内にはイノシシの掘り後が無数に。スタッフの人に伺ったら,有害鳥獣駆除も決行されていて,親を失ったうり坊が彷徨いていたこともあったそうだ。採餌スキルと能力があまりないので,生存は難しくなる。この採餌痕は,大きさや程度からその幼獣によるものだろう。
 そうは言っても,圧倒的な繁殖力で,イノシシが農地被害獣のエースであることの状況は変わらない。一つには,純粋なイノシシが減っていて,鼻面周辺を見るとスラントしていて,家畜豚,それも多産系の血が混ざったイノブタの頻度が高くなっている模様。F1から豚の特徴は体毛などには一切出なくなるが,鼻面だけはごまかせない。味も食用向きに変化していそうだから,せっせと捕獲して食べればいいと思っているが,流通経路確保などの経済的事情や,捕殺してから,食用ガイドラインレベルに載せるまでの手順の煩雑さなどハードルは高い。結果的に,個人の楽しみと,猟師さんが近所に配る敷かないという状況は簡単には動かせない。ちなみに私の家の周辺では,それでも「イノシシ肉有ります」という張り紙を出している店というか,お宅はちょくちょく見かける。
 我が家も,思いついたときに私が分けて貰いにいっている。
SONY α700, MINOLTA α AF Macro 50mm 1:2.8

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草刈りで藪が綺麗になって,曝露したヒメネズミの巣穴。アカネズミよりサイズが小さいのと,巣廻りの造作も,左官役の手足が華奢なので,より緻密な作りに見える。
 中にいたとしても指が届く範囲などにいないし,居てもが居ても噛みついたりしないからと,末っ子に「勇気の人差し指」を教える。

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花筏の実が成っていた。花は撮り損ねたが,そういえば実の画像がなかったなと思い出す。

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ナミハンミョウはかなりの密度で居る。私にとっては少年期の思い出に関わる大切な虫だが,ここでは,その密度は高い。近縁の庭ハンミョウも末っ子が見つけていた。

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セトウチフキバッタだと思うが,直翅目も,そんなに係わることがないので詳しくない。

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カナヘビ,ニホントカゲと普通に何処でも見かけるもの達だが,このエリアで特筆すべきはその量だろう。餌となる昆虫の豊富さということだ。それらは林縁部に特有なのだが,深部に入り込んでも同じことがヒメネズミについても言えるので,比較的保全度は高い林分が含まれていると感じる。
 生物多様性保護は,貴重種の保護と読み替えている人が居るが,実際,生物関係者がアセスなど悪の手先として距離を置いていたときに,高額,科学系の人たちが作ったフォーマットには,その勘違いが多かった。指標種という概念やRDBの種臭が,化学物質検出物やその値のアナロジーだと思って,そのまま読み替えて認識した方が,フォーマットとして理解しやすかったのだろう。
 生物多様性保護概念普及には,普通種が「これは,潰れても法的問題もないから文句を言われない種」と切り捨てられることに危惧を感じた生態分野からの危機感もあった。

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割と太っ腹の美術館で,館内撮影は広角遠景なら許される。作品の一部を砂場だと思って間違って子供がいじりそうな配置だが,興味を持って関われる環境を優先していてありがたい。

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末っ子の目的はこれ。シフォンに苺のコンポートが付いて,オレンジジュース。後で,試作品のオレンジのジェラートまで頂いた。

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館の連絡通路から外を見渡せる。多分この辺りの人にとっては,見慣れた裏山なのだが,植林率の低さなど,結構良い環境だ。

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竹林では,そもそも,昆虫の中で竹林を適地とするものは少ない。炊けや筍の利用が減って,竹林が山林を浸食するように拡大すると,場合によっては環境多様性を酷く減少させる。ここは,勿論ちゃんと管理されているが問題ないのだが,逆にこんな場所でもイノシシの採餌痕が目立った。緩衝帯が薄くなっている結果でもある。





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末っ子の亀シリーズ。亀の研究者になると「昨日は」言っていた。もともと気の多い少年で,親が本気にする年齢でもないので,気楽にニコニコしていられる。受験前にもしもこういう台詞を吐かれるとかなり微妙だ。
 今時は,旧帝大系で学生の頃からかなりバリバリ活躍して,さらにミクロ系と互して論文書けないと殆ど生き残れない;実験系でもない1シーズンにチャンスは1回しかないが,同時並行で走らせるしかないわけで植物や昆虫以外,骨モノではかなり苦戦する;最初から海外に出てしまった方が,未だチャンスがあるだろうっていうのが分かっている父親は,この先も,多分余計なことは言わないだろう。
 とりあえず,ウミガメの上がる秘密の浜でキャンプをしようかと言ったら乗ってきたが,寧ろ,ウミガメの仔を放逐する保護関連のイベントに参加するあたりの方が,彼としては嬉しいのかも。関係者に当たる。

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図工の時間に次男の作り出すものは,今のところ,既存キャラが多いのだが,先生によっては,著しく点数評価が低かったり,こんな風に作れれば凄いよと,全く問題にせず褒めてくれたり。で,どちらでも全く本人は気にしていない。思いついたものも,既存キャラも,思ったときに作りたいものを作っている。
 これ,家庭科の裁縫で作ったわけだが,「6人から注文が来た」と言っていた。「ミラクル! ぱんぞう」の敵キャラであるところの「ぷにぷに」がベースになっている模様だが,彼なりのモディファイが何度も入って,猫っぽくも見える。既にオリジナルキャラ。
Commented by tochi0150 at 2010-07-19 22:28
こんばんは
ハンミョウだ、私は実際に見たことが無いんですよね
図鑑で見ただけです
綺麗な色してますね、タマムシとはまたちょっと違った綺麗さだなぁ
Commented by twin_lens at 2010-07-20 06:51
一般に絶滅危惧種や希少生物に目が向くのは、それが現在進行しつつある生物学的多様性損失の象徴だからではないでしょうか。要因の第一が物理的棲息場所の破壊であり、ゆえに「ホットスポット」が地球環境保護の上で応急処置を要する地域として定義されたと、素人ながら私は考えています。
Commented by complex_cat at 2010-07-20 09:10
tochi0150さん,私のお気に入りの昆虫で,遭遇する度に写真を撮ってしまいます。
Commented by complex_cat at 2010-07-20 09:13
twin_lensさん,仰るとおりなのですが,生息環境保護概念が無く,希少種を生かすことにフォーカスされて,結果的に捻れた例を沢山見てきました。また,法的な保護担保がかかる状況は,文化財保護法と種の保存法関連が強力なのですが,それぞれ生息環境保護担保としては不十分な場合が殆どなのです。個体を残して生息地破壊は進んでいきます。
Commented by ayrton_7 at 2010-07-20 20:57
今年の夏は、いつもより暑く感じますが
耳の丸い兄弟の皆さんならびに耳のとがった義兄弟姉妹の皆さんお元気でいらっしゃいますか?
Commented by complex_cat at 2010-07-20 22:06
ayrton_7さん,本当に暑いですね。夏の立ち上がりが早いようです。どうあっても,彼らは,本当にマイペースですね。
Commented by dojou7 at 2010-07-21 21:47
いいな~、以前にもお話ししましたが、私もハンミョウをみたことがありません。10月に九州へ行くけど、その頃はもういないかな~。
Commented by ホワイティ at 2010-07-21 23:20 x
ハンミョウは、何度見てもすごく綺麗な色ですね。
カナヘビの顔も可愛いです。
(たぶん、突然出合ったら悲鳴を上げるかもしれませんが…)
最近、NHKでも「生物多様性保護」をとり上げていました。
なにごとも、言葉だけではなく意味も理解して覚えていたいと
思います。…って、私もこれから学びますよ。
今年は東北も梅雨明けが早かったし、私自身夏に弱くなっているよーな。(-_-;)
カメさんも無事だったようで、安心です。

次男くんの作ったもの。
最近のキャラに疎い私は、しっかりネコだと思っていました。
私も注文したいくらいです!(^-^)
Commented by complex_cat at 2010-07-22 23:00
dojou7さん,このブログでは再三登場しますが,このハンミョウは後ピンだしいろいろ失敗していますが,色の素敵さはいつも通りでした。10月かぁ。ちょっと遅いですね。割と出現期間は短いような。
Commented by complex_cat at 2010-07-22 23:02
ホワイティさん,多様性は,今年は国際生物多様性年で,普及の意味ではとても重要な年で,各種プログラムが行われています。
 次男の作品は,とても丁寧に作ってありました。
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by complex_cat | 2010-07-19 16:58 | Wonderful Life | Trackback | Comments(10)

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