さよなら, Mr Complex Cat


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本日,未明,公陳丸の体調が急変した。老齢で体力は落ちていたが,食欲は3日前まではそこそこはあった。急に内蔵不全が進み,昨日の点滴や抗生剤の注射などの治療も虚しく,1ヶ月移譲前から,ワイフと一つ部屋,僅かなペントスペース付きのワンルームマンションで彼とワイフと同居していたときと同じ状況に戻し,最期,ワイフに看取られて,静かに旅立った。




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ワイフと彼の軀を整え,一通り算段して,一旦,うとうとしていた早朝,チコではなく次男の泣き声で再び目が覚めた。そうか,お母さんに教えて貰ったか。長男には,ぎりぎり彼が逝ってしまう前に先に教えて覚悟させてあった。末っ子は,ショックを受けていたが,長男同様,既に受け入れている状況。
 ずっと,彼が戻ってこないなんてことはないと信じるために,全員普段通り普通にやっていたが,彼は,次の旅先を決めてしまったようだ。
 彼を連れたワイフが私と出会い,息子たちが次々生まれて家族に加わっていくのも,息子たちが成長していくのも,家族全ての日々の営みもずっと見守ってきた。アッシュ,ジタン,チコ,ナッチ&ユッチの全ての後輩達を受け入れ,彼ら全ての子猫時代の面倒を見てくれたのも彼だ。

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病状が急であったけれど,最後は眠るような顔で,安らかで見事な最期だった。最後までトイレ以外汚さずに,なんて,できすぎたダンディで,彼の眷属の常とはいえ,大いなる矜持の持ち主だった。
 あの柔らかい彼の体毛と温もりと匂いは,もう戻ってこない。でも,それは,記憶の中にしっかり残っている。
 このブログも,優しくて激しくて,人懐っこくて警戒心の塊で,プライドが高い猫嫌いで,どんな猫の面倒も見てくれる,Mr. Complex catが居なかったら始めてはいなかったろう。ブログタイトルもすんなり決まったのは,彼から様々な資産を受け取ることができていた結果だった。

 公陳丸自身の方がワイフを「発見」し,選び取って生きてきた。彼が教えてくれた,どのような運命においてもひたむきに運命と向き合ってダンスするような生き方は忘れずにいたい。チコもナッチ&ユッチも含め,家族の物語は続いていくはずだ。ただ,物語は,残るもの達で続けられるはずなのだが,今はあまり考えられない。


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にわか仕立ての彼の墓の前で,ひときわ激しくすすり泣く次男には,「この宇宙の全ての始まりにおいては,彼を作っていたものも君たちを作っているものも区別無く同じであったし,彼の一部は再び物質が廻る輪廻の中で再構成され,いずれどこかに現れる;人であろうが猫であろうが植物であろうが,そのことは変わらない不思議な世界に自分たちは生きている;お前達を愛してくれた彼のことを忘れないでいてくれたらいい;そして,そして,その愛情を貰った分も含めて,ちゃんと生きていけばいいんだよ」と,彼が聞けば苦笑するかも知れないなというような話を伝えた。息子たち3人,皆,どういう思いを浮かべたか分からないが,黙って泣き虫父さんの語る言葉を聞いていた。

 彼が調子を崩して依頼,あまり眠れなくて頭があんまり回っていないのだが,何でも一匹の猫に過ぎない彼に託けるのも良くないのだけれど,今までも散々頼まれてきたから,彼もしょうがないなぁ,この義父はとか思っているだろうか。いや,彼がすることは,答えは貴方が出すものだよねというような顔をして,静かに見つめ返すだけだろう。


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 さよなら,Mr Complex Cat・・・私たちの耳の尖った息子。今までいろいろ沢山,有り難う。

 全てが終わり,いつも我が家を見渡せる庭の一角に仮の墓標を立てた。墓廻りを綺麗にするのを,皆,手伝ってくれた。末っ子が最期まで丁寧に土を撫でていた。長男がその辺りに生えている帰化の野菊を一株植えた。
 昼過ぎに戻ってきたチコに「コウチン,死んじゃった・・・死んじゃったよー!」と泣いたりするものも居ない。全員が彼の死を受け入れている。私が一人,静かに静かにチコに報告した。全盛期の彼とチコはタッグを組んで,侵入してきた猫の排除に,二頭で当たっていた。完全に疑似兄弟関係にあった。
「君の猫世界の教育係兼義兄兼完全なる養父だったからね。でも,もうとっくに分かっているんだろう?」
 彼は,見上げるといつもより少しだけ長い時間私を見つめたような気がしたが,そして,また,隣接する畑にパトロールに出かけて行った。

  享年推定15歳。キャット・フードの栄養バランスや獣医医療技術の進歩によって,猫の年齢も延びているから,換算表はあまり当てにならないと思っているが,それでも90歳ぐらいの値が出てくる。大往生と言っていいかもの知れないと自分を納得させる。

 リアルで,また,このブログを通して彼を愛してくれた全ての皆様に,公陳丸が旅立ったご報告とともに,このブログも,少し休みに入ることをお許しいただきたく思います。私もワイフも,近所から聞こえてくる子供の声が,今,彼が呼ぶ声に聞こえたりしてするし,彼を失った影響を不思議なところから感じ始めている。少しだけ・・ほんの少しだけ時間が必要かと思う。淡々と彼の遺骸を抱いて移動したワイフの方が,多分,ここ数週間詰めた後だから,いろいろ来るだろうと思う。彼女は,私と違って幼い日々から猫との別れを何度も経験してきている。公陳丸がマンションの一室からさまよい出て,どこかの誰かさんに保護されたは良いが帰れず,たばこ臭い匂いを身に纏ってそこから脱出して再び彼女の所に戻るまでとか,二回の引っ越しの度に,パニックで逃げ出して空き家に戻るまで,何日も待って,ぎりぎり戻ってくるまでとか,実際,何度も彼との別れをその都度覚悟してきた人だ。でも,私を呼びに部屋から飛び出して来たときのワイフの顔と声は忘れない。

 そんなわけで,多分,業の深い私のことなので,僅かな間かなとは思いますが,一時休んで,そして,再びここでお会いしたく思っています。

追記ー弔問をいただいたようなブックマーク・コメント,桁違いのその数に,ワイフと驚きながらも一つずつ感謝しつつ読ませていただいております。お礼代わりに,数表示をクリックしました。みなさん,本当にありがとうございます。
 末っ子が,「近くて便利だねー」とコウチンの墓に「おはよう」と「お休み」を言っております。お休みのときは「ちょっと怖いので」,誰かについてきてもらう必要があるようですが。
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by complex_cat | 2010-07-25 19:16 | Cat Family

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