Telemetry覚え書き11
2010年 11月 20日


お隣の畑のあるお宅のご主人と,「チコ見ませんでした。」「最近朝は,こっちに来なくなったねぇ。」「あのどらねこ息子,何処に言ってるんだろう」等と話していたら,その声を聞きつけて,結界の向こうから啼きながら現れた。
このまま私と一緒に玄関からただ今すると,二階の寝室に駆け上がっていった。

ワイヤレスマイクのタイプについては,いわゆるかつての音の悪いFM70~80MHzのアナログ式のものは製品としては見なくなったし,合法製品では腰かポケットに電池ボックスをセットする形で完成型なので,全体までを含めて小型にする需要があるとは思えない。犯罪者においては動画の隠し撮りまでできないと意味がないだろうし。だから,上記の子供向け電気工作キットみたいな製品しか既に存在しないようなのだ。
ともあれ,非合法発信器利用が許されないから,チコのレスキュー用のデバイスを考えるに,今までいろいろ苦労している。犬ぐらいになると,特定小電力型のトランシーバー技術を利用した合法電波マーカーが猟犬などに使えるよう市販されているが,猫にはちょっと無理な大きさ。
因みに,データ通信を成立させて,今犬が居る位置の座標データを飛ばして手元のGPSのモニターに位置を表示させる製品(Garmin社のastro220/DC30コンビがその代表格)は,海外では当然のごとく使われているが,日本で使えば違法になる。この辺りは,猟友会関係でも,知らない人も居て,結構野放し状態だったのに対して,最近では,時々警察が手を入れるようになった。
因みに使用者責任を問われるので,販売は可能らしいが。 メーカーによってはこのタイプで合法的なものを作ろうとしているようだが,ロギングしておいたデータを任意でそのときだけ通信成立させてデータをダウンロードするタイプのものをなんとか作るのが,制約の中では限界だそうで,リアルタイムに通信成立させて位置座表を送ってくるなんて製品は,日本の現行の電波法の枠内では無理なようである。ただ,このようなデータを纏めてダウンロードするタイプのものも,外部アンテナを着けてもせいぜい直線で遮蔽物がない状況で1.5kmぐらいしか飛ばないので,どちらの方向に,どれだけ遠くにいるかも分からずにデータをむやみにダウンロードするしかないとなれば,その運用はかなり面倒というか無理っぽいと思う。ダウンロード自体にもかなり電力を食われるので,中途半端に通信成立して,データが落とせずそのうち通信が途切れるという状況が短時間で何度も繰り返されると,発信器がばててしまうからだ。経験豊富な猟師さんが使うとするならば,リアルタイムに,仲間の位置や犬が得物も追う方向を見きわめながら瞬時に作戦修正しながら組み立てる。そうしないと,色々気をとられて銃猟の場合危険でもある。また,犬が迷い犬になったら損害も大きい。狩猟に使える猟犬を育成するのは,かなり投資が居るし,実際犬に相当投資している人たちも少なくない。逆に猟をされる人の中には,数回使うとその猟犬を遺棄する人まで現れる。猟区で特定の場所において捨て猟犬が溜まる場所があって,一度見に行ったことがある。
いずれにせよ現行の国内では非合法となるドッグ・マーカーの代替発信器が製作されるまでは,今売っているものは,全て非合法だということで,猟を趣味とされる方々が或いは有害鳥獣駆除に従事せざるを得ない方々,違法と知ってか知らずか,猟犬に電波マーカー着けて運用している状況は捻れている。まあ,使わないと犬を使った猟なんかできないよということなのだと思うが,この部分,海外のように規制を外した場合の問題点についての専門家の解説を聞いてからでないと,迂闊なことは言えないのだけれど。
一方で,里親の不手際から(猫が落ち着いて慣れるまでのつかの間も部屋飼いが出来ないお方が多々おられるようだ)保護して渡した直後から猫が,逃げ出して迷子になり,「なんとか発信器使えないかしら,近所に迷い込んでくる猟犬には,マイクまで着いてるドッグマーカー平気で使っているのに。」とNPOの方の訴えを聞いていると,コンプライアンスのベクトルの違いによる凄い捻れを感じる。
はっきり言って猟師さん達は,下手すると時給も出ないガソリン代も出ないで(自治体は有害鳥獣の獲物に払われる金額でなんとかしてねという話),その上,相当に投資した猟犬を効率よく使わないと,或いは,迷い犬にしてしまっては大損害というリスクを冒して,猟を遂行するわけだ。有害鳥獣駆除においてとんでもなく有効な文明の利器であるGPSテレメを使えないのは,法律遵守と言っても困る場合があるだろうし,畑への有害個体さえ獲ってくれればありがたいと思う農家や自治体もあまり気にしてる雰囲気はない。というかそのあたりのことは知らない人の方が普通だと思う。
法令遵守しないと市民としてもNPO的にも勿論拙いだろうということで,私自身数千円で数ヶ月保つ3g程度のFMテレメトリー作れる技術があっても作ってあげられないというジレンマを抱えている。一方で,最近,警察でも,そのタイプのGPSコンボを着けた猟犬の飼い主をちゃんと取り締まりしてますみたいなことをやり始めた。お巡りさんもお仕事なのだが,色々俯瞰してみると何となく,残念な気になるのは何故だろうか。


メッシュ化してあるがグレー〜茶系が彼の狩り場となる畑など。興味深いことに,樹林の中はなるべく避けている。メッシュにして色分けするとおおざっぱだが利用環境を分けられる。勿論赤外線画像などを駆使するGISソフトによる解析とは違うので,飽くまで簡便なもの。
人工林内(緑色系)は,彼のハンティングサイトの適地にならないのが分かる。移動しにくいし,ターゲットを見つけにくく,彼自身も某らの「天敵」に狙われるリスクがある場所という理解でよいかも知れない。河畔林は色々なものが通路に使ってはいるがこのあたりの林では,小動物の餌生産は殆ど無さそう。
畑の隅,林分の境界域あたりが矢張り重要な利用場所か。元来,密林適応型の生物ではないけど,思ったよりオープンな環境で頑張っている。川を渡っていてドキッとしたが,その二点は10秒間でかなり移動しているので,多分,森林に飛び込んだときの測定誤差かなと思うがもう少しデータとってみないと分からない。シカなども結構な渓谷の川野浅いところを探してあっさり渡河していたりするが,都市型の低水面の川なので,そのあたりに架橋構造がない限りあり得ない。時間のあるとき確認に行こう。
一番移動ルートが錯綜しているところの真下は,やっぱり畑なのだが,このスケールだと隠れて見えなくなってしまって,Google Earthのラインは太すぎてあんまり具合が宜しくない。お隣の畑のパトロールは一生懸命やっていて,矢張り,鶏の餌に釣られてきているネズミが多いようだ。お隣のご主人が朝は来てないと仰っていたが,気がつかない時間に探査している。
ユッチに着けていた更に安価で小型のものは,どういう分けかデータがダウンロードできなくなってしまった。USBでつなげるのにそのトングルの中で何が起きているか分からないし,データエリアのメモリチェックすらできない。これだから使いにくいwindowsダウンロードソフトを使わないとデータが落とせない製品は嫌いだ。

頼むから他のケーブルやコードは,齧らないでね。

