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シカ肉の唐揚げ

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様々に思いつくように鹿肉で料理を試してみたが,ロース部分やリブの部分以外は,かなりタンパクであるので,肉の旨味成分や脂は,料理で補完してやることが重要になってくる。
 リゾットとカレー。リゾットは私の料理なので,肉片がでかすぎた。
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猟師さんたちは上記の部分を確保したら刺身か焼き肉にするのを定石とするわけだが,それ以外の部分は明らかに持てあましている。
 だから,下さいと言えば,どんどん持って行きなになる。
 アドカボと一緒に炒めてみた。この部位美味しかったので,実は只炒めてもそれで良かった。
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肉は火を入れると硬くなるので,トマトソースに浸して圧力釜処理し,更にチャツネ代わりのジャム(スグリやタンカンなど柑橘系)を塗りたくってミートローフにするとか,カレーにするとか,デミグラス系のソースで旨味や脂味を足したりというようなことを色々やってみた。
 結果的に,日本人の好む,素材としての肉の味を楽しむ料理というのから外れていく感じ。今時検索すればシカ肉だけで数百のレシピが簡単出でてくるので,そのあたりを検討するのも良いのだけれど,もう一寸自分で足掻いてみたい。ただ,何となく海外のジビエ人気におけるシカ肉の扱いが高いことから,やっぱり和洋では洋に向いた食材なのだよなぁと思う。
 なんてことを,イノシシの調査中にお会いした親切な猟師さんに話したら,彼も料理が好きな人で,私の素人料理奮戦を楽しそうに聞きながら,「うちではねぇ,唐揚げにするよ。」と仰った。
「え,唐揚げですか。」
「肉が,火を入れるとご存じのように硬くなるから,薄く切りなさると良いよ。」
「成る程! 肉天みたいな感じですね。薄く切って天ぷらも良いかもしれない。」
「ああ,美味いよ。」
 今時は,旨味汁(これも製品に付属)に漬け込んで揚げる「唐揚げ粉」など結構売っているから,早速試すことに。
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まあ,唐揚げの名前自体,本来和食ではなかったような名前だが,要は日常作る料理の方向性が,ここ日本では,もしも環境資源として,シカ肉料理を提案する場合でも重要だなと思うのだ。



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だめだ,これは。何で今まで気がつかなかったんだろう。もの凄く美味しい。
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同時に揚げる調理の腕や,唐揚げ粉の実力にも左右される。揚げ物の苦手な私においては,結構頑張った。
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カレーは,我が家で標準なのはトマト缶ベースのカレーだが,寧ろ,ハヤシカレー的なデミグラス系の味の方が好評だった。これも肉の特性だと思う。よく煮込んだ肉は,寧ろ脂分の少ない牛肉的な味。
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焼き肉四角豆炒め,に近い形のドライカレー。
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そこの食材を色々合わせるというのも,良い方法だろう。
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ハツ(心臓)は,ともかく歯ごたえが重要なので,そのまま焼くか炒めるかで。この部位の美味さも猟師さんはフォローしている人が普通。
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リブは本来は骨に沿って切り離して,肉をこそいで片方に寄せて,網焼きなどの方法を習った。
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我が家は丸ごと焼いてこそいで皿に盛った。
 シカを獲っている猟師さんでも,川で鮎を獲ったりや海で海産物を釣ったり採集したりして食材を調達するのと同じ感覚で獣が捕れる人は,年々少なくなっている。大部分が既に高齢者だから,寧ろその地方においてはそういった食や自然資源利用に関する文化的感覚が残っていると言ったこともあるのだが,それが無くなると,獲らないといけない,獲ったものは食べないと自然に対してよくないし行為が矛盾する,みたいに理屈で,進めていくことになるのかも知れない。それは,何かを失うような気がするがたぶんもうしょうがないのかも知れない。
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ダチョウを飼い始めた,猟師&農家の方がおられた。焼き肉など矢張りタンパクでヘルシーな食材として一時期流行ったことがあって,私も食べたことがある。で,その後出荷とかされたのか聞いたら「いや,あのな,飼っていたら可愛くて,とても出せなくなった。」ということであった。「でもんで,金にならないどころか餌代だけで毎月赤字だ。言っていたことと違うとカミさんと喧嘩だよ。わはははは。」
 いつの間にか飼育コストのかかるでかいペットになっていて,その気持ちもよく分かるので,思わず一緒に笑って良いのか,分からない顔をするしかなかった。無論,二束三文の肉にするなら,わざわざ大きな生き物を殺すなんてことに人は意味を見いだせない。一方で,イルカを食材として自然資源利用してきたところに,四つ足は家畜しか前提にしないか,それさえも許されないと考えるところからは,太平洋を跨いで,直接,告発的な勢いで抗議が来る。
只でさえ,食材は豊富で,今の牛,豚,ニワトリは,凄い努力と歴史の上に肉用家畜家禽としての改良と精肉としてのクオリティコントロールがなされている。その上で,高等脊椎動物である野生獣を食材として加える必然みたいなものを作るのはとても難しい。難しいが,未だ鹿の場合は,なんとかなる。イノシシ程度には。なんとかなるが,今の土地利用や森林整備/自然林保護管理,鳥獣被管理の矛盾を食材利用しているからと全て免罪的に考えるのは,それはそれで問題がないとは思えない。それは,人間の生活面における資源資源的に活用できるというような利益誘導が出来ない場合,ニホンザルや,クマなど,存在の意味が今の生物多様性保護における直接的環境資源利用局面偏重の流れの中では,浮いてしまうということになるから。

追記ー関係性の中で生み出される機能も含めて重要としないと,結果的に単純資源かマテリアルとしか評価しない多様性の価値というのは,片手落ちどころではないということになると思っている。そんな意味で書いた。
Commented by koji at 2010-11-29 22:23
 先ほど、仕事から帰って、鹿もも肉カレーを頂きました。
 変な脂がなくて程よくやわらかく、臭みもない
 でも、やっぱりリブのほうが、歯ごたえとうまみがあっておいしかったと思う。
 我が家では、ヒレ意外は結局すべて私の血となり肉となってしまったのですが、ともかく鹿さんに感謝。
 地球上の食べれる生き物に感謝。
Commented by complex_cat at 2010-11-30 22:49
kojiさんへ,次は唐揚げをお試し下さい。
うまいぞ!
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by complex_cat | 2010-11-28 20:02 | Appetite Museum | Trackback | Comments(2)

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