
天気は悪いのだが、気温が上がりだして、チコの帰宅が遅延する。下手するとわたしなど24時間,顔合わせなくなったりする。そう,彼は日本で一番とは言わないが、ともかく忙しい猫。

「チコ、戻ってきたか?」と帰宅した私が聞くと家族はそれほど心配したりしない。「父さん,チコは広いテリトリーの見回りしてるんだよ。そんなに早く帰ってこられないよ。」私が以前見せた
チコの5秒ごとのGPSの軌跡で,遥か遠方の河川とその畑まで見回っていることを知っている長男が言った。「まあ分かっているけど,心配したって良いだろう。」「しょうがないよ。チコなんだから。」こういう時,達観しているのは子供たちの方だし、実際、義兄弟をかばうのは,皆、本当に上手い。

漸く明日にまたがる直前に戻ってきたが、がっついて焼き魚とカリカリを詰め込むと疾風のように出かけていった。戻ってきたら「君はぁ 飼い猫なんだよぉ」と,小一時間ほど説教したかったが,とてもそんな隙は与えてくれない。ネズミを追う彼の猟の季節が回りだした。
こういう時は,いつものとてつもない甘えん坊のモードはすっかり影を潜め,私と目さえ合わせずに出かけて行き,戻ってくる時にも,目さえ合わせずに寝室の毛布に向かう。

今日は天気が悪いが,天候が悪いときにはネズミの動きは活発になる。雨音で気配が分かりにくくなるからだと、古典的な野ネズミの生態学の本に書いてあったのを覚えている。