三毛猫
2004年 12月 26日
人間,生きるのも難しいが,死ぬ事も難しいと,母は最近よく口にします。
長男が生まれた翌年,実家に未だ若い公陳丸をつれて家族で戻ったときに,健在だった彼女は,いきなり公陳丸にパンパンパンと三つ,左右張り手を食らわしました。その後,彼女に従順となった公陳丸とは,ちゃんと仲良くしてくれたプライドの高い彼女の事は忘れません。三毛猫を見ると,ついつい,距離を詰めて写真を撮ってしまいますね。最初の画像は沖縄の小路で出会った子で,IXY D400によるスナップです。
我が愛猫は勿論,超稀に出現する雄ではなく,普通の雌の三毛猫だったわけですが,彼女の存在はやはり彼女だけの特別のもので,分母は無限大だと思います。
あるWebの説明では,三毛猫の茶と黒の毛色を発現する遺伝子は共に別々のX性染色体の上にあり,Y染色体上にはありません。従って,通常は三毛猫は全て雌猫です。しかし,Y染色体上に黒か茶の相補的な発現をする遺伝子を持つ個体が稀に存在します。それが船乗りが縁起物と呼び珍重するはど希少な三毛猫の雄になります。雄で三毛猫の毛色が発現しているという事は,Y染色体に損傷を受けているか或いは,いわゆる染色体構成異常(XYのところXXY或いはXXYY)か或いは変異を起こした異常Y染色体を持っている可能性が低くはないので,三毛猫の雄は,繁殖能力を持たない事が少なくないとのことです。で,一寸気になるのはここの説明で,稀には正常に繁殖能がある健全な雄の三毛猫個体が存在するという事の説明が,出来ないと思うのです。人間で言えばXXYやXXYYはいわゆるKlinefelter症候群であって,成獣になったときの外部形態や行動学的なレベルで,すでにまともな雄の性状をとれない可能性を感じます。で,思いつくのは,昔読んだ解説におけるX染色体の発現部位が,交差等によりYに載る可能性はないのかという事です。それなら,Y染色体の僅かな量的変化のみで雄の三毛猫が生まれる事が出来ます。繁殖能のある三毛猫の雄と,そうでない雄とは全く別の遺伝的な仕組みで生じている可能性が考えられます。
と,ずっと気になっていた事をここまで書いていて,「三毛猫の遺伝学」なる本が刊行されているという事で,中古本を発注しました(ライフログにも登録)。内容確認後また修正・追記します。
私は,遺伝子科学分野は大学で受けた概論講義以上の知識はないのですが,ともあれ,三毛猫の雄が生まれる確立は数万分の1,繁殖能のある雄の三毛猫の生まれる確立は数億分の1だそうで,まぁこのあたりの数字はまぁそんなモンでしょうと言っておいて問題なさそう。
古いRokkorレンズは,可変収差レンズとかシフトレンズとかの人気レンズでなければ,ほとんどタダ同然でオークションに出回っています。ずっとα一眼を使っていた事から,Minoltaのその柔らかい描写と癖のない発色が好きになり,さらに,みおさんに影響されて,一時期は標準レンズだけで新旧MC/MD,1.4/1.7ご丁寧に4本とも手元にありました。小型化など全く考えていない時代の贅沢な設計?の旧MC 1.7の1本は,やはりカメラ好きの知人のところに嫁入りとなり,結納代わりに鳥取の美味い梨を頂きました。
三毛猫の遺伝学
ローラ グールド / / 翔泳社
ISBN : 4881355333
追記ーローラ・グールド著の「三毛猫の遺伝学」が到着しました(原題は“CATS ARE NOT PEAS-A Calico History of Genetics-猫はエンドウ豆ではない”)。結論から言えば三毛猫の雄が生まれるメカニズムはKlinefelter症候群そのものでしたが,非常に複雑なカリオタイプが示される事もあるというものでした。面白い科学読み物で,生物学的基礎がある人には,直ぐに読めるでしょうが(とりあえず,ここに追記するために,2時間で斜め読み),分野外であるはずの勉強家が到達した一般遺伝学の知識についていくのは,訳本としての実力も高いのですが,ちょっと一般の人には大変かなと思いました。
かつてサンダーバードのような手だけで運転できる車を操っていた車椅子の知人の生き様から,同じ障害者というひとまとめは,実態に合わないし,非常にその人の個人性を無視したものだということを教わりました。本書にはKlinefelter症候群についての記述もあり,必ずしも不妊ではなかったりするなど,同じ遺伝病で苦しむ方々であっても多様な違いがあって,彼らをひとまとめにするのは,それと同様に不遜であるということも。
日本の雄の三毛猫の記事へのコメントを着けた某霊長類研究所長の勉強不足(これは直接本人が書いているわけではないので,記者の取材能力と記述方法で誤解が生じている可能性もあります。私も経験ありますが,新聞は怖いところがあります。)や,赤川次郎氏の三毛猫ホームズを雌にしている設定がもしも雄の三毛猫の意味を知っていなかったのなら,もったいないしツボを外しているという指摘などイヤミでなく,知を自称する人たちへのさりげない意見が含まれています。また遺伝分野の日本人研究者のこの問題に対する根幹的な研究の紹介,さらには日本では雄猫が珍重されているのかなど,欧米のいわゆる普通の本好きのインテリジェンスの実力を示しながら,思った以上に,日本との関係が深い本であったことが驚きでした。
それはそうと,猫の自主性を尊重して,猫の捕食者となり得るピューマやキツネが彷徨いている家の外に自由に出入りさせているローラ・グールド女史の猫の飼い方の哲学は,自分のそれに近いところがあるなと思いました。猫との生活や,彼らの行動の記述が挿入されていて,猫好きなら頷けるところが沢山あります。
最近、小鉄を見かけない。 そう。店員1号のマシンに放尿していった、 あのしっぽの無いモノトーンキャットです。 エヴァンジェリスタとコンスタンチンは店の入口の マットに日向ぼっこしに来るんですけど、 小鉄は来ないんですよぇ。 どうしたんでしょう。 今日はこの冬はじめて雪が降りました。 こんな日、猫たちはどこにいるんでしょうね。 美容室ボッサボッサ主人 三毛猫... more
「珍しいといわれる「雄の三毛猫」は、実はKlinefelterの猫version。 三毛になるにはXXが必要だが、外陰部が雄になっているということはXXY。」 猫は古くから船内の守り神として船乗りたちに飼われており、 なかでも雄の三毛猫は航海の安全を保証してくれると信じられて...... more
これまでに、内ニャン、外ニャンと多くの三毛に出会いましたが、オスはいませんでした。少し前、こちら(名古屋)にあるとあるペット・ショップでは、スコティシュ系の三毛がいるということがニュースになりましたよ。
「三毛猫の遺伝学」はずっと前に図書館で借りて読んだことがありますが、内容のほうはほとんど忘却の彼方にいってますので、フォローもできませんっ≦ ̄δ ̄≧З
古いRokkorの標準レンズ、うちにもMC/MD,1.4/1.7はすべてあります。SR-T 101につけてお気軽散歩カメラになっていますよっ≦⌒▽⌒≧♪
“ニャン好き”さんと分かると、ついつい人格も変わってしまいます。
SR-T 101はもう何代目かな……。途中ブランクはあったものの高校の頃から使った記憶があるから長い付き合いかも。落としてもぶつけても、ドライアイスでボディーを冷やしても頑丈この上ないカメラですよっ≦⌒▽⌒≧З
改めて見直せば、ネガフィルムにはこの測光のほうが単純かつ間違いないようにも思えますけれどね。もっとも、ボクのはTTLの針さえとっくの昔に動きませんが……≦ ̄□ ̄;≧З
♪ジャカジャカジャカジャカ……
散歩写真を撮ってる途中で、「あんた、そんな古いカメラで写るんかぁ?」って言われるんぢゃニャぃーーーっ。
カメラなんて、しょせん写真を撮るための道具ですからぁぁぁぁーーっ≦ ̄□ ̄;≧!
ああっ、最新のカメラがほしいニャァ斬りィィィィィっ≦T□T;≧З
コメント荒れてませんよ。お気遣い無く。多様性が高くなって良いです。そのまんまでまた遊びに来てください。
検索で見つけて、こちらのブログを拝見させていただきました。
投稿自体もう半年以上も前のもので、大変恐縮だったのですが、complex_cat様のハイセンスなブログデザイン、写真の数々、緻密なコメントに感動して、ブログ歴1週間未満の若造ですが僭越ながらTBさせて頂きました。
僕も写真をとるのが好きなのですが、まだまだ数得ちゃ当たるレベルで…これからも素晴らしい写真を楽しみにしています。
いつでも遊びに来てください。このようなコメント頂けると,いつの分でもどこの分でも嬉しいです。
それと,かってながら,リンクしちゃいました。問題あったら言ってください。
わざわざブログにきていただいただけでなく、リンクもして頂き、大変うれしいです。御返事遅くなってしまって、すいませんでした。
また遊びに来させて頂きます。これからもよろしくお願いします!