
日本では,ヒヨドリは年間,数十万羽,捕獲と有害鳥獣枠で撃ち落とされている。
食べる習慣のあるところはわずか。少しでも供養ということで食材研究用に試す。食品衛生法上の食材には成り得ないので,食材利用検証は自己責任的ジビエ。
散弾の弾は小さな躰を貫通するが,極稀に残ることもあるのでそのあたりにも注意。

とりあえず,1)湯を沸かす。

2)羽ごと茹でる。羽を毟るためだが,さすが野生鳥類,この時,羽毛に湯がはじかれると,上手く剥けなくのでしっかり漬ける。
追記ーただし温度は70℃当たりにキープ。このときは高すぎて失敗。一番美味しい部分が羽毛と一緒に抜けてしまう。

3)羽を毟る。冷凍物だったので,やっぱり熱の入り方がいまいちで,うまく皮が残らない。このあたりは改良しないと。
手間あたりの肉の収量から行くと,鶏ってほんとうに良く出来ている。いまどきの日本でこんなちっこい鳥をわざわざ食べられるように下ごしらえするって,どう考えても,本当に道楽だ。
私が夕方,蚊に刺されながら作業していると,チコが見学に現れ,興味深そうに見入っていた。

4)中を開けて内蔵を取り出す。ハツや肝を楽しむ人がいるけど,ものすごくちっこいし,冷凍前の鮮度が不確定なのもある。で,カンピロバクター関連対策で,内臓部分は綺麗に外すことにする。腸管を破らず肛門周りまで特に注意して綺麗に外す。腸の中身が肉に触ると衛生上の問題もあるし苦味が肉に移る。
ええと,途中から説明と画があっていませんが,気にしないで。

5)全体を開いたら,猟師さんは肉を上から麺棒などで叩いて小骨を粉砕する。

6)後は,普通の鶏肉食材で適当に料理。シンプルにバターハーブ焼き。この方法は猟師さん直伝なので,本格的洋風ジビエ料理なら。モデファイする余地があるかもしれない。文献検証は後回し。

ねえ,チコ,食べたい? おい,寝ちゃったのか?

ここまで処理が進むと,まともなジビエ食材に見える。以前,このまま網焼きして食べさせてもらったが,今回は,家族皆で味を見るために,ぶつ切りにした。

今回は,塩,香辛料と小麦ををまぶして高温で揚げた。ちょろっとしたジビエができた。三羽ぐらいだと,本当に酒のつまみ。

素材の味に特に敏感な末っ子が殆どガツガツ食べて,「お父さん,これ,美味しいよ!」ありがたい事に,すぐに無くなった。
味は,変な癖もなく,本当に美味しい「鳥肉」だ。次は,少し,まともな料理をつくってみよう。
このあたりを参考にしたい。検索してみたら,
実際に食材としてネット販売もされているようだ。

追記ー師匠の手による料理。感動的に美味しい。