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猫の父性


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新春早々猫の話が続きます。チコの話ばかり続いたので,今回は公陳丸の話です。彼は我が家の古株で,もう今年の誕生日を迎えると9歳になります。息子達が生まれる前には,実質的に長男をやってました。画像のように,アメ・ショーの黒色個体のような不思議な毛並みをしています。冬の最中,捨てられて数時間後,公園で男女のペアに構われていながら,たまたま通りかかったワイフというスポンサーを選んで,一心に駆け寄ってきて,自ら運命をつかみ取ったラッキー・キャットです。
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去勢してますが,時々テリトリーに侵入してくるマサルさんとは,仇敵の間柄で,ハイトーン・ボイスの威嚇の叫びが響き渡ります。まぁ去勢で繁殖なわばりは意味を失っても,採餌なわばりは消えないので,餌場(我が家)を中心にして一定のテリトリー意識は消えないのかもしれません。いや,よく考えるとチコは全くそんな真似はしませんね。マサルさんがクルマの屋根にクルマの中でチコが寝ていた事があります。公陳丸は性ホルモンではなく,パーソナリティでバトルしているとしか思えません。画像はマサルさんと,いきなり遭遇して動けなくなったチコ。まだ小さい頃です。
CANON IXY DIGITAL 400

 公陳丸のバトルはうるさいので,ワイフが近所迷惑を気にして,公陳丸の回収に行きます。このように性格は結構エキセントリックなところがあり,ジタンもチコもやってきて半年以上は,決して存在を許しませんでした。威嚇するし,側に近づけません。しかし,一度許したら非常に面倒見の良いところがあります。チコからは絶対に舐める事はありませんが,チコが戻ってくると,ぺろぺろとかなりしつこく舐めてやります。途中でチコが鬱陶しくなって猫パンチを出すところで追っかけ合いになってグルーミングは終了します。
 このパターナル(父性的)な行動は,疑似兄弟関係が私やワイフという疑似親の下で成立することによるものではないかと思います。去勢手術も雄猫の幼児期というステージの延長に寄与しているかも知れませんね。もちろん,このようなタイプのパターナル・ケアの成立については個体差があると思います。基本的に排除や回避行動というのはコストがかかるので,頻繁に遭遇する機会があって,排除コストに見合っただけの利益が獲得されないと,哺乳類においてなわばり性が強い,いくつかの種では,親和的行動への行動の方向転換がしばしば観察されます。兄弟関係とか比較的長い密接な親子関係といういう親和的行動のひな形を持っている種は,血縁のないものへの親和的行動への移行プロセスが比較的スムーズに生じるような気がします。
 戦闘行為とは条件によってはただコストがかかるだけの無駄な行為であり,コスト・ベネフィット(利益)についてシビアな生物の世界でも,排他的行動が親和的行動に変化するのは,行動の選択においてフレキシビリティが存在する高等な哺乳類だけに見られる行動だと思っています。例えば,ツルにおいても,排除行動が機能しなくなる集団の大きさの閾値のようなものがあって,テリトリーに排除できない数のツルが侵入する事が頻繁となるとテリトリーは消滅します。しかし,機械的にプログラミングされている家族間の排除行動による小競り合いは消滅しませんし,「親和的」行動に変化する事はありません。あくまで,コスト&ベネフィットの理屈で説明できる範囲内だと理解してます。
 まぁ父性といいながら,繁殖雄の仔への行動の話ではないので,ちょっと難しいところがあります。猫のブリーダーでもやって繁殖雄の観察ができれば,もうちょっとちゃんとした話ができると思うのですが。

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画像は在りし日のジタンと遊ぶ公陳丸です。猫にも相性があります。最初は全く許容しなかったのですが,ジタンの存在は,公陳丸にとっても特別でした。
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私の愛車(トラヴィック)の上で遊んでいる限りはよいのですが。ご近所の方の隣人愛と肝要さが無ければ,普通であればこんな生活は無理でしょう。世の中,髪の毛ほどのクルマへの傷も許さないと云う人が当たり前なのですが。子供のいたずら同様,大切に愛されているペットのそれについては,私の住む区域の方々は肝要です。何匹もイヌを飼いながら散歩もせずクソだらけ,昼夜吠えまくらせている家があっても,周りの人は耐えています。あそこに比べれば,complex_catの家の公陳丸やチコはちゃんと挨拶するし(!),悪さなどなにもしないそうです(チコが隣宅の鶏には抱きついたそうですが仕留めるにいたらず)。ちょっと複雑ですが,手を合わせておくしかないかなと。猫や犬は近所迷惑を考えて室内で飼う。それが普通。しかし,普通さのなんとくだらなく思えることよ。人の住む街の優しさと絆が希薄となった場所では,息の詰まるようなコミュニケーションを必要としない知能指数の低いルールで縛るしかなくなるでしょう。アホな校則だらけの学校みたいに。
 最後に言いたい事は,動物を本当に好きでもないのに,飼うなよ!ってことでしょうか。

 このVario-sonarの載ったTvsの初期型は,さすがにズームとは思えないほど良く撮れます。個人的には細かな改良が済んでレンズキャップの要らないTvs IIが好みだったのですが,依然として値段が下がりませんね。まぁレンズは一緒だから。単焦点よりF値が暗いのと(これはRFのAFピント精度を考えると致し方がない),やや堅いことぐらいしかケチの着けようがありません。T2で問題になったAF誤動作もあまり無いようですし。
 CONTAX TvsはTシリーズの紹介ブログで,またやろうと思います。最後のT3が生産終了して,京セラさんは銀塩撤退の準備を着々と進めていますが,本当に写真や銀塩カメラの資産とか文化いうものをどのように考えているのか疑問です。
 まぁ会社が潰れてはどうにもならないと云うイクスキューズは分かるのですがね。それを言うなら,AF機Nシリーズの失敗や生殺しMFCONTAX,デジタル時代への移行へもあんまり寄与しなかったNデジタルやその他の機種を含めて,Zeissという玉を抱かえながらの,その見事な無策に対して,株主でもない私は「差布団一枚」と皮肉をいうぐらいしかできませんけどね。
Commented by oratie at 2005-01-06 14:56
公陳丸殿かっこいいですねぇ。なんか堂々としていて武将風で。
うちの店に来る小鉄はガラの悪いチンピラ風です。すんごいカッコつけてます。
私も写真撮ろうとするのですがデジカメ準備してるとどっか行っちゃうんですよねぇ。
Commented by complex_cat at 2005-01-06 16:18
見栄えは良いのですが,私が「甘え丸」と呼ぶくらいのおぼっちゃまくんです。こいつに甘えられると,本当に面倒くさいです。
「朝から白身魚の刺身はな〜い」「足の上に転がって媚びるなぁ!」「(あまり美味しくない)缶詰のラベル見ただけで逃げるなぁ!」「猫ゲートからちゃんと出入りしろ〜!」「いちいち手で食べさせないと食べないのか〜!」「そこ(シンクの横)で好きなものが出てくるまでずっと待つなぁ!」「毎日キビナゴの刺身はでな〜い!」う〜,疲れる。
Commented by complex_cat at 2005-01-06 18:22
そうそう,ワイフの命名時にはコウチンだったのですが,なんで正式名に丸がつくかと言えば,去勢してるので「元服」はないだろうということで,幼少名で固定という意味です。頑張ってお兄ちゃんやってますけど,名前の通り,やはり永遠の子猫です。
Commented by complex_cat at 2005-01-06 21:19
小鉄もジュニアも大好きです。「じゃりんこチエ」も猫編がやはり好きです。「そのとき俺は人生において最も重要な事を学んだ。やけくそという事である。」痺れます。ジュニアが子分の敵でしばき潰した人間の家のカーテンの切れっ端を首に巻いているところも。「だって逃げたと思われたら嫌やんか」クールだ。というわけで実はメロメロですよ。息子さんの名前ってのは凄いですね。そのまま「小鉄」なんですか?
Commented by complex_cat at 2005-01-06 22:16
失礼しました。すげぇカッコイイですね。ところで,確か,小鉄は月の輪の雷蔵とも呼ばれていたと思います。沢山,名前がありましたね。
Commented by oratie at 2005-01-06 22:42
おおっ。じゃりんこチエもう一回読みたくなってきたぁ。
Commented at 2005-01-07 00:59
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented by complex_cat at 2005-01-07 06:06
了解しました。しかし,小鉄の話できて嬉しいですね。
Commented by oratie at 2005-01-07 11:26
ありがとうございます。またネタ持ってきます。
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by complex_cat | 2005-01-02 08:30 | Cat Family | Trackback | Comments(9)

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