秋来 #5

外で動いていても，あまり汗ばんだりしない季節になった。
息子たち３人の運動会も終わった。安物の400mmが良い仕事してくれた。
そういえば，お弁当を家族と食べることはなかった。皆，教室で，自分の弁当を食べた。単に，給食が無い日だった。
　自分の済む都市では，自分の少年時代に既に学校行事は集落共同体の一部みたいな世界は消滅していたが，こちらではそれが残っている。
　ワイフのと義母のと私の作の寄せ集め。とはいっても私の分は，一品だけで殆どワイフが作ってはいるが。子どもが喜べばいいからとなるべく，凝らずに楽なものをこしらえる。各自数品持ち寄りのホームパーティのやり方は，負担が少なくて良いと思う。
で，運動会が終わって，学校の池にクーラーに残った氷を放り込んでいたおじさんがいた。車に引き上げるまで軽くしたかったのだろう。その氷に池のメダカ？，いやカダヤシが集まってきているのに末っ子が気がついた。
理由はよく分からないが，氷から流れてくる水に反応している感じ。運動会の余韻などそっち抜けで，二人でワーワー氷を追いかけて興奮した。私も日記に書くのは運動会２行，ヤモリ３ページの少年だった。
　あまりの極端さに親や担任の先生が呆れて，笑っていた。見守られていたのだと思う。
冷え込んできて，戻るチコが私のところであったまる。
それに明け方，間違って早起きしすぎた末っ子がもぐりこんできて，まあ，眠っていられなくなる。彼も彼で，チコに気を使って，ベットの端から落ちていた。
近くの蕎麦畑が満開になっていた。