
大晦日より降り続いた雪により,屋久島のいくつかの林道は,正月に封鎖される事になりましたが,やはり南の海洋島ですので,900m未満の低地は直ぐに雪は溶けたようです。
ちなみに,屋久島の冬山はもの凄く美しいのですが,真冬でも雨が降るということでかなりの登山経験が必要となります。実態を知らず島だと馬鹿にした分けではないでしょうけど,登山事故で亡くなった方は,決して少なくありません。北アルプス並みの装備と経験を積んでお出かけ下さい。

で,今回,本格的に入山したわけではないので,雪が微塵もない画像ばかりです。秋までと違う事は,ヒメシャラやシマサルスベリ,ソヨゴ,エゴノキなどの夏緑樹が葉を落としているという事と観光客がとても少ないという事でしょうか。

降雪のせいか,前回,来たときより沢の水は多めのようです。どちらかというと照葉樹林帯は,割と年がら年中,済一的な環境に見えます。実際花が咲いたり芽吹きがあったり変化はあるのですが,開花の季節性(phenology)はだらだらとしており,夏緑樹林のような分かりやすいメリハリはあまり感じません。落葉してすっかすかになったり,春の林床植物の一斉開花など,人々が知らず知らずの内に森の中に誘われるといったような要素は,照葉樹林は持たないような気がします。

年がら年中濃い緑色。だから,実は屋久島では江戸時代,ヤクスギを資源活用するようになるまで,人々の目は山には向いていませんでした。いつも
妖怪などが棲む暗い森,それが照葉樹の森に対する人々のイメージだったと思います。

これはちょっと宿題。ヤクシマザルの糞の内容物から出てきた種子です。というかこの画像自体が,溶けかかったサル糞そのもの。直径3mm弱。早速,A1+マクロレンズが役に立ちました(おお,仕事で使っている!)。種子の図鑑はあまりまともなものが無く,写真が沢山載っている3万円以上もするものが手元にありますが,分類学的な視点を全くお持ちで無い方が出されているので,検索表すら載っていないタダのカタログです。全部これから絵合わせをする事になります。

最後に,モルタルで岩のように見せかけているところに這った植物の根です。自然の岩と湿度や降雨に対する反応が違う場所になるようで,植物のアクティビティが高い事もあってちょっと異様な感じに根がはびこったり,種類の違う苔が繁茂します。道路脇の法面(のりめん)で,ぱっと目に気持ち悪い感じがするところは,全てモルタルの偽岩の部分です。一見ネイチャーフォトの素材っぽいインパクトを持っていそうで,水抜きパイプが見えるところが,やはりフェイクゆえの違和感を強めていくようです。