島の子
2011年 11月 27日
奄美市飼い猫の適正な飼養及び管理に関する条例では、猫を飼育する飼い主は「終生にわたり飼養」に努め、住所▽氏名▽猫の名前を市町村に登録し,首輪と鑑札の交付を受けると定めている。また猫を捨てることを禁じ,屋内での飼育や猫の背中に個体識別のマイクロチップを埋め込むことも努力目標に掲げた。罰則はない。
5市町村の中で、奄美市はさらに独自で、飼い猫以外の猫へのエサや水を与えることを禁止する。市によると、市内の飼い猫は推定約2,500匹。市環境対策課の伊東義久環境保全係長は「適正に猫を飼うことで不幸な捨て猫を減らし、希少野生動物の被害減少につなげたい」と話す。
世界遺産登録をにらみ,アマミノクロウサギなど希少野生生物の居る島として,先行する小笠原などと同様に,都市型の猫管理の標準をいきなり持ってくるしかない部分もある。今後,市民意識や実態とのズレが今後どうなっていくかという話だが,ひとつの試みと言える。
あまりひどいことばかりしている人については,狙い撃ち的に条例違反を突きつけることがなされたりすることができるかもしれない。というよりも,現地に行った感触として,原理主義的な運用ではなく,あまりに目に余る行為をとりあえず押さえていくという辺りで進んでいるのだと感じている。どちらにしてもあまりに悪質な行為の取り締まりが可能になった一方で,島のペースにて,人間,猫双方にとってあまりにも急激な動きは生じないという感触はあるが,時系列と共に,いろいろな軋轢は発生するかもしれない。簡単に言ってしまえる話ではないのだけれど,貴重野生生物保護対策は進みつつ,きちんとした庇護の元,猫たちが安寧を得られれば良いと思う。