屋久島の海の足


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リクエストもあったので,屋久島の海の足の話です。勿論フェリーもあるのですが,世界自然遺産登録以来,増加した観光客を運ぶのに貢献しているのが,この乗り物。
 いわゆる水中翼船にカテゴリーされますが,鹿児島<>種子島<>屋久島間を結ぶのは,トッピーという愛称で,ジェットホイルと呼ばれる乗り物です。これで時速80kmがあっさり出ますが,揺れも少なく運動性も高くリスクは少ない乗り物です。屋久島までは約4時間,これにより,船酔いに苦しみやすい人も,午前中に出てお昼には屋久島に無事,たどり着く事が出来ます。まぁ鹿児島から屋久島まで海の上に高速道路を引いたようなものです。ダイア通り運転すると制限速度は??となっている,ぶっとびの高速バスの運転には敵いませんけど。
 ちなみに,これは屋久島宮之浦港,ちょっとプラントが立ち,いわゆる屋久島一の市街地が見えています。世界自然遺産をあまりに勝手に強力にイメージして,中も覗かず,この港を見て帰った方も居られるとか。はったりや演出を止めてそのまま見せよう野外ミュージーアムってところでしょう。大きな事業所として窯業があるのですが,そこから煙もくもく,燃えかすの灰もちらほらという最悪の時にいかれた方も居られましたね。人の島に来て,皆,勝手な事を言うと思います。屋久島のエネルギーを一手に引き受けている企業体です。変化してきていますし,いろいろ良い取り組みも始めているようです。
 私も最初,安房川の河口,河岸の森林の中にすーっとトッピーが入ってくるような演出をというある人の意見を聞いて,かっちょい〜,そんならお客さん喜ぶだろうなぁと思ったものです。でもここのやり方では,人工のモノは,人工のエリアで受け入れていくのでしょう。なんとなく,その方が私は安心できます。

 水中翼船は船体を水上に浮かべるため水の抵抗が少なくなるので,高速を出せるのは誰でも知ってます。私が少年期に乗ったタイプはいわゆる半没型と言われたタイプでしたが,ジェット・ホイル・タイプ(翼に推進エンジンがついたタイプ)が登場して,今ある水中翼船は全て全没型になりました。全没・半没については,両者の違いと安定性・運動性のブレーク・スルーを非常にシンプルに説明しているサイトの紹介により説明に変えさせて頂きます。コンピュータ制御で揺れも最少に押さえられています。湾内なら見事に揺れほとんど無し。湾内と馬鹿にしてはいけないです。普通の湾内のフェリーと比べると感動します。,よくトッピーは波に弱いと言われますが,外洋でも波高2mを超えなければ,船体の姿勢制御をこなして黙々と走るのは結構凄いと思います。

 トッピーのウィークポイントは海水取り入れ口です。エンタープライズじゃなかった,トッピーのエンジンは,「GMアリソン社製501-KFガスタービンエンジン」勿論インパルス・ドライブだからワープしませんけど(誰かぱくっと,撒き餌です)。こいつが「3800馬力で、二基ついている。その動力を減速ギアによって、カワサキパワージェット推進機に伝えて、毎分180トンの水を噴射してすすむ」そうです(湯川薫 屋久島紀行)。

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というわけで,その取り入れ口からヤバいモノを吸い込むと,瞬時に止めて反転,はき出すことになっているのですけれど,喉に詰まって上手くはき出せないと,出力が上がらず,港で緊急修理となります。まぁ数え切れないくらい乗っていますが,このトラブルに見舞われて停船修理となった事は一度もありません。ただ,一度だけダイバーが潜って対応しても出力が完全には戻らなかった事がありました。無事,帰れましたけどね。これはそのときの画で,出力テストをやってます。

 私はある事情によりトッピーのコックピットに乗る事が出来ました。写真等は狭いコックピット,運行の妨げになってはと我慢しましたが,二つのおもしろいモノを発見しました。一つは「FLIGHT LOG」,飛行日誌です。離陸して移動する水上飛行機(Air Cushion Vehicle)と同様の扱いなんですね。そう訊ねるとパイロットの一人はにこっと笑って頷きました。「航海日誌」ではないところが楽しいですね。もう一つは「天下のZeissのビノキュラ」。これでウォッチして,前方の障害物を避けているということで,まま有視界飛行をしている分けなのです。高速艇といえども,洋上レーダーみたいなドラえもんの道具みたいな便利なモノはないわけです。障害物の回避は,ジェットホイル(ジェットエンジン翼)の高い運動性と大抵の船長が持っている20年保証のZeiss様のビノキュラと,もちろん,一瞬たりとも気を抜かない,パイロット達の能力の賜という事です。えぇそうなの?って驚くか,初就航が1992年4月だから12年以上の長い運行期間中無事故というプロの仕事を賞賛するか,私は後者ですけど。高速船であるから,障害物の発見は普通の船に比べると遙かに大変だろうと思います。だって,最高速は時速45ノット。90キロ近いわけだから。鮫を吸い込むぐらい,ユネスコさん,許してね。たまにイルカ君も入っているという話ですけど,高速移動体としてはプロペラー剥き出しのモノより,まだ,ましなのではないかと勝手に思っているが間違ってますかね。分野が違うと感が働きませんね。一番良いのは帆船とシーカヤックでえっちらおっちら300km超を行く事だと誰でも分かります。出来る方は居られたら,心から尊敬します。

 私のブログでは数少ない,海域の話なので,二つばかり海の幸を。

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一個目はカメノテです。言わずと知れたかどうだか,甲殻類の癖にベントス(着生動物)している変なやつ。さっと湯がいて,つまみに最高。味も,貝とエビの中間みたいな気がするのは私の勘違いではないと思いたい。綺麗で荒らされていない岩場のものなら,このように大きさも味も上物です。


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安房港の防波堤横,刺身に最高のサヨリが何匹も悠々と泳いでおりました。どうも本性猫なんで,魚は野生生物ではなくて,食材にしか見えないんです。すいません。 全く釣りが出来ませんので(本性猫なので),誰かが釣ってくれるのを待っていましたが,連れて行った青年が役立たずじゃなかった,運に見放され,結局サヨリの刺身にはありついていません。あとクラゲのように漂って自由生活しているタコの仲間とか,東京なら高級食材のヤガラとか,実は海洋生物の多様性ももの凄く高い事は,あまり知られていない気がします。地元の漁師さんも,割と保守的で,決まった魚しか食べまない方が多いそうです。それだけまだまだ海が豊かなんでしょうね。そんな分けの分からないタコなんぞ食わないと言われて,知人が貰ってきたメンダコのカレーの旨かった事。専門サイトには「 浮遊性のタコの仲間は陸から離れた外洋に生息し、その肉質も食用に適さないため漁獲されない」なんて書いてあるけど,寿司ネタでしか考えてないのなら,ちょっと発想が貧困かとも思えます。「俺は食ったぞ,生態もはっきりしてない水族館でも飼えないあの貴重なタコを!」ってちょっと自慢。


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利用価値の高い栄養分を含みつつも,過度に汚染源となる有機物や化学物質を含まず,蕩々と流れる透明度の高い川が屋久島の海を支えています。それでも漁獲物のサイズはずっと減少して,浜遊びのフィールドも無くなりつつあります。あと,何年だろうって,嫌な事をちらと考えたりします。頑張れ,屋久島。日本潰れても,ここだけは残るって言ってよ。
Commented by dojou7 at 2005-01-18 21:44
こんばんは、さよりの部分だけに反応。
30年前、宮崎か鹿児島で、いやというほどさより釣ったことがあります。
堤防から、おもりをつけずに、桜エビで波間に流すと、いくらでもかかってきました。出張中の日曜日だったので、そばで釣っていた少年にあげましたが、取り込むときにエラのあいだから結構寄生虫が出てきてました。
うーーん遠い思い出だ。
Commented by complex_cat at 2005-01-18 21:58
寄生虫は結構居ますね。友人達と魚のナベをやっていて,気がついたやつから手が止まっていきました。魚病学など勉強しない方がよいですね。焼き魚にすると淡泊なこやつは,刺身にするともちもちで甘くて,おいしいです。ちなみに細長い魚では,私は屋久島でヤガラを釣った事があります。釣りはやらないと書いておいて何ですが,環境教育の手伝いでたまたまだったのです。当時は高級食材と知らずに,料理する場所も時間もなかったので,全部地元の人にあげてしまいました。でもあんまり喜ばなかったなぁ。
Commented by yusuke at 2005-01-19 15:31 x
おお、ついに海の乗り物がっ、
トッピ―というカワイイ名前なのに凄いスピード出るんですね。
私、兵庫県の明石~淡路島を結ぶたこフェリー
http://www.taco-ferry.com/
なんかしか乗った事ないのでどのように飛ぶのか、
貧粗な脳みそでは想像も出来ません。。
速いんでしょうね、やっぱり…
そんなハイテク?船でも、最後は人の目で安全確認してるんですか。トッピ―、、屋久島の魅力が一つ増えてしまいました。
Commented by complex_cat at 2005-01-19 18:58
ちなみにコックピットの中は,たまたまかも知れませんが,5,6人は乗っておられたような。目の多さでも,安全を確保しているようです。こいつより早い移動体は海の上では存在しないでしょうから,後ろからぶつかってくるやつは居ませんので,理に適っていると思います。
Commented by oratie at 2005-01-20 20:14
カメノテ旨そうですねぇ。食べた事ないけど。

エンタープライズ号のラウンジでスポックさんとつまみたいですねぇ。焼酎で。

でもカメノテみたいな人も搭乗してるからコッソリ食べないと誤解されますね。
Commented by complex_cat at 2005-01-20 21:12
よかったぁoratieさん,おいで下さって。エンタープライズネタ降った手前どうしようかと。で,このアーティクルは無事,しめる事が出来ます(笑)。カメノテ,結構どこでも居ますが,やはり綺麗な海のものでないと,口に入れる元気が出ません。焼酎とは合います。鮮度が重要ですので,海から100歩以内がよろしいかと。ほんとにねぇ,何でも食べる日本人。でも,ジャンボタニシ(スクミリンゴガイ)とブラックバスとアメリカザリガニとウシガエルは食べようと云っても食べません(笑)。全部一応,食用なんですけどね。
Commented by oratie at 2005-01-20 21:47
おっと、これからは気が抜けねぇぞ。

隅から隅まで読んで餌を見落とさないようにしないと。アハハ。
Commented by complex_cat at 2005-01-20 21:56
私の書き殴った読みにくい冗長のアーティクル,よくぞ読んでくださって思ってます,だから,もし見落とされてもoratieさん,それは,私の修行が足りないので,どうか,TAKE IT EASY でよろしくお願い申し上げます。
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by complex_cat | 2005-01-18 19:31 | Nature Islands | Trackback | Comments(8)

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