チコ寝
2012年 08月 23日
別に、そんな渇望してという漢字ではなく、急に彼が懐かしくなったようだった。
「ああ、父さんも、あの毛の感覚は今でも思い出せるよ。」
「ふわふわだったよね。」
「コウチンの毛の感じに一番近いのは、今じゃナッチかな」
「そうだね。」ナッチの毛も細い。
コウチンとのお別れの時、最期にそっと触ったりしていたのだが、お別れが十分ではなかったか。末っ子は何かにこだわっている時、割と控えめに言うので、気を付けていないと気がつかなかったりする。
末っ子は、変なところが私に似ているのかもしれない。
「えーとどの辺が?おまえの足?」「よく分からないけど、なんかずっとふわふわを感じていたんだよ。」
生まれた時から一緒に寝起きしてきた関係なのだが、最近はそんなに一緒にいるという感じではない。ただ、双方が触れ合って眠る状況は、一番お互い馴染んできた感覚かもしれない。
ちなみにネットでよく目にする「モフモフ」という表現は、我が家では使われない。なぜかと聞かれても、そうなので。私も『モフモフ』という言葉をネタにしたり、書いてみたり、口の中で転がしてみたりしたのだが、自分の表現する言葉ではない感じがして、結局使えない。多分、私の好きな猫の毛の軽やかさや弾力みたいな感覚とずれるからかも。寒冷地の密生した、それでいて細毛の猫ならそっちなのかもしれない。
ここまで書いて、我が家は密生した毛並みを持つユッチならばモフモフという表現でいいのかなと思った。それ以外は・・・・なんだろう。らしい表現がうまく見つからない。