末っ子が「釣りがしたい」というので,離島・無人島転戦シリーズが終わったら魚釣りに連れて行くと約束した。実際はまだ終わってないのだが,時間が空いたので,ワイフが会合に出かけるお昼過ぎまでということで,とりあえず,釣竿を持って,ミサゴやカツオドリなどの採餌場所になっている海を見に行った。
「なんで,級に釣りに行きたいって言い出したの?」って聞いたら「ぼく,新鮮な魚をとってチコに食べさせるんだ。」と真面目に答えた。「ずっとパトロールして疲れているだろ。ぼくが釣った魚を食べさせるんだ。」
もちろん,釣りがしたかったという健全な動機が先にあるのだが,このこともずっと考えていたらしい。ちなみに私は釣りより漁の方が性にあっている。基本,気が短くて食い意地が張っているので,この歳まで手段が目的化しなかった。
潮の動きは干潮の手前,あんまり動いていないが,魚影はかなりあった。ボートを出していた人たち以外で,漁を上手くやっていたのは彼ら。
おっとっとっと・・・・鑪を踏むように,初撃のダイブで取り逃がした獲物を追撃するため,でかい体で結構器用に水上でも奮闘していたカツオドリ。個体数が多いと,こういう姿も見られて面白い。
このあと,この鯖だかなんだかをきちっとフォローして捕獲,採餌していた。
潮が動いて魚群が押し寄せると,アオサギ部隊が何羽岸から飛び出していくが,干潮の手前で,ホバリングして岸から離れた方まで追っていく。
末っ子,一匹目,これがクロサギ
Gerres equulus (T
EMMINNCK and S
CHLEGEL)。鳥ではなく,魚の「クロサギ」。
二匹目もクロサギだったが,これはそこそこ大きかった。
大富先生の図鑑には,「九州では
あめうおとか
しじゅこなどと呼ばれ昔から食卓に上がるおなじみの魚・・・』『"庶民の味方"として煮付けや塩焼きでよく食べられています。』とある。こういう,雑魚の上,庶民魚を効率よく釣れればいいと思っていたのだが,潮のタイミングもあって爆釣までは行かなかった。
というか,二匹釣れたところで,末っ子は今日のミッション(チコの食べる分の魚を釣る)が終わったという判断だったので,眠くなったし帰ると言い出した。私に似て釣りに対しては拍子抜けするほど,あっさりしたものだった。
釣りは楽しめたらしくて,面白かった目的を果たせたと満足そうだった。極めて環境負荷の少ない採集に近いかも。いや,チコのための食材調達か。実質缶詰一缶分ぐらい。まあ,今日は下見だから,いいか。
同じく,大富先生の本によれば,「普通に手に入り」(6段階評価でランク「C」)「おいしい」(5段階評価でランク「3」)。チコ・ミシュラン的にも,「普通においしい」であったようだ。干物にしたら,彼の点数ももう少し上がったと思う。彼が猫じゃなかったら「マース煮」や「ムニエル」とかでも良かったかも知れない。
「自分で釣った魚がこんなに美味しいとは思わなかったよ!」
チコと分け合ったクロサギは,もちもちして凄く美味しかったそうだ。
味は標準的(普通においしいという奴)な魚だが,やはり鮮度の賜物かも。