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SONY α NEX-6 #2

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年初めの渓流にNEX-6とMINOLTA CLE & Old Foigtlander Nocton 1.5/50を持ち出した。
 屋外であれば,ISO1600は全く問題なく,ISO autoで撮ると3200まで持っていかれる場合もあるのだが,その画も「緊急用」よりかなりまし。



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APS-Cサイズだと,回折による画質低下をフォーサーズよりも心配しなくていいので,おもいっきり絞り込んでスローシャッターを切って遊べるという利点はあるかも。フォーサーズは,高画質な上,寧ろ絞り込んで被写界深度を稼ぐ必要がないという部分では,巧な設計になっているのだけれど。そういった意味ではNDフィルターは,デジタル時代になっても,外せないというのが本当のところだろう。寧ろ設計による画質を低下させたくなければ,ISOが50〜25みたいな設定があったほうがいいだろうけど,それよりはND使ってください,ということだろう。
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一口に,ミラーレス一眼というけれど,ライブビューのために画像素子に光を当て続けていて,そこでまたシャッターを切らなければいけない機構というのは,フィムルカメラの機械制御の時代でも,同じことをやらねばならないカメラが存在して,その機構の複雑さから,あっという間に衰退した。
 Zeiss Contaflexとかそれを模して作られたTOPCON WINK MIRROR SだのKOWA SEだの,社史においても黒歴史化ぎりぎりの製品となっているレンズシャター式の一眼レフが,存在する。
 一眼レフの場合,レンズシャッター機を作ると結局シーケンスはこうなる。

 像を見るために普段はシャッターを開けっ放し→一旦シャッターを閉じる→ミラーアップなりフィルム面遮光装置を開く→必要な絞りの大きさまでレンズシャッターを開ける(シャッター作動)→シャッターを閉じる→ミラーアップ(遮光装置作動)→シャッターを開ける。

 つまりシャッターを開ける前に一旦シャッターを完全に閉じて,遮光装置を解除するみたいな余分な動作が入るわけで,ミラーレス機も,画像素子の電気的なシャッターを採用せず,電子制御の機械シャッターを走らせるために一旦画像素子をシールドしてそののちシャッターを開けるみたいなことをやっている。ミラーで画像素子をマスクしても象が見える一眼レフと違って,「感光」させるべき画像素子に最初は光が当たっているゆえに,面倒な手順が余分に一回は居るわけなのだが,今時のミラーレス機はそのあたりが本当に巧みに出来ていて,クイックリターンミラーのデジタル一眼に比べて,シャッタータイムラグも全く遜色ないレベルが達成されている。CCDそのものを電子的に制御するというシャッターもスマホのモジュールなどでは一般的だが,細かくシャッター速度を変更できるわけではない。今のところ「デジカメ」というカテゴリでは,主流ではなかったり。
 試しにレンズ無しレリーズオンにセットして見てみると,その確実かつ高速な挙動にちょっと感動した。
 ゆえに,シンクロの最高速度というものが存在する。この系譜では,過去においてMINOLTA DiMageA1,A2みたいに,ストロボ光であろうが,シャッター速度で制御してしまう領域の,とんがった機構を持ったカメラも存在したが,今は,そんなマニアックな仕様に降っていなくて,1/160 sec.になっていて,そんなに高速ではない。それでも,フィールド屋としては,ポップアップストロボが内蔵されるのを,待っていたので,とてもありがたい。この小さな補助光があると無いとでは,たとえどんな小さくて高性能のストロボが別にクリップオンで装着できたとしても,荷物が増えるし,装着の手間も面倒。いつもつけっぱなしなら,ポップアップのほうが良い。高感度性能がどんなに上がっても,ストロボは,フィールドでは思わぬ役に立つことがある。
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 曇天で絞り5.6でデイライトで発光させて1/160 sec.,この時のISOは2,000。後膜シンクロにしているが,ストロボはスパッと消えるわけではないので,それなりに水滴の動きは後を引く。
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この照度でも最高感度のISO25,600で,最高速度の1/4,000sec.が使える。この感度は緊急用だが,等倍に引き伸ばさない限り,曇とは言え屋外の照度下では,画としては見られるものが写る。
 上の滝から落下する水も,この速度で撮ると水滴に分かれて,低速で切った時よりも,映り込む水のマスは寧ろ減る。ミラーレスのNEX-7と同じ,1/4,000sec. は今時の高性能デジイチにおいては寧ろ平凡な最高速だが,このボディサイズや値段から,後述のミラーレスそのもののハンディキャップから,シャッター効率がそれほど高性能なカメラも作れなかっただろう。それでも,フィルム機時代に,Nikon FMが1/4,000sec.を達成したときには,カメラ雑誌で特集が組まれた。
 改めて,α700の1/8,000sec.は結構偉いのだなと思い直す。現在のSONYαデジイチシステムのラインナップでも「7」を冠するモデル以上でないと1/4,000sec.どまり。
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渓流瀑布の向こう岸にあるお稲荷様。この橋はこのお稲荷さんに行くためだけにある。ちょっと好きな場所。
 ずっとキヤノン系の色に安定感に近い印象を持っていたのだが,今回,このNEX-6が見せてくれた発色はすごく嬉しかった。このあたりは,SONYのデジカメと私の相性みたいなものだと思うが,コンデジにおいても,最近は発色において最も違和感が少ないメーカーでもある。
 NEX-6の発色は,限りなくその光景を見たときの印象通りの色で,かつ,地味にならない微妙なチューニングになっている。赤系も簡単に飽和しない余裕を持って発色している。
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ピクチャーモード,オールド・ネガプリント・シミュレーション。すごく良く出来ている。
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パートカラー;レッド。面白かった,赤のみ発色させて後はモノクロになるピクチャーモード。でも,扉の上の方の赤色が出てない。まあ,こういうこともあるのだなと思った。
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ポスタリゼーションモード。フィルムでソラリゼーションなどをやる流れが一時期あったようで,父親の購読していた「アサヒカメラ」をチラ見しながら,何がいいのかサッパリわからなかったが,手間ばっかりかかっているのではと,そんなことを思った少年時代をちょっと思い出した。
 で,それらが我が手にあると,使い道はどうでもよく,やっぱり使ってみて,楽しい。
 フォトショの技をデジカメに内蔵させる,デジカメでやれることはフォトショでもみたいな流れは,これからも続くだろうけど,ピクチャー・モードのバリエーションは,アプリのインストールも含めて,フィルム時代のα7のピクチャーカードのアイデアがその先祖系ではなかったかとか思う。
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発色がしっくり来るカメラのメーカーやモデルは,人それぞれだが,私にとって,今はこのカメラだと思った。
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どんぐりとは付き合いが長いので,このアラカシの描写に一番驚いた。椎の実が落ちだしたら,また末っ子と拾いに来よう。
 ちなみに,常緑の林におけるドングリ落下の最盛期は,秋ではなく,1月後半から2月なのだ。間違っても卒論生のテーマに,やらせたりしてはいけない。皆ががしゃかりきになって卒論をまとめている頃に,林冠を仰ぐことになる。
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落ち葉,水の表現。AFの途中で,中心部を拡大ライブビューして,ダイレクトにフォーカスの微調整できるが,このあたりの操作が,カタログスペック落ちにならず,とても良く出来ている。
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α700からの機能は,その他に,階調補正機能(Dレンジオプティマイザー)などが,受け継がれているが,設定は簡略化されている。詳しくはこちらの記事を
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スイングパノラマはコンデジのDSC-TX**やDSC-HX**のようなムービーを流す感覚で無音とは全く違う。細かく高速で電子制御機械シャッターが作動し続ける独特の感覚。これは横位置で下から上に向かってスイングして撮影。
 一枚目の広角側の縦位置の撮影と又,パースなどが違う。
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試し撮りで,時間もなく,じっくり生き物の影を負えなかったのだが,キツツキの仲間やカワセミは通過して言った。そういうのを,スパッと撮れるカメラとしては,ややしんどいのだが,片手に持って沢を遡行しても,首から下げていても,キスデジクラスのデジイチよりも更にじゃまにならない。首から下げたそのまま,車に乗ってシートベルトして移動,みたいなルーズな使い方ができるのは小型軽量のミラーレスの長所だと思う。
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Commented by みう at 2013-01-12 09:03
ここは奄美、南の島??
南の島はどこも同じで沖縄みたいなもんだというのは完全な思い込みでした。お稲荷さんがあるんですね。純日本的というか京都っぽいです。意外でした。
あと「パートカラー:レッド」は私の好みですね。グレー一色に扉だけ差し色の赤が効いてかっこいいです。




純日本的というかちょっと京都っぽい風景が存在するっ
Commented by complex_cat at 2013-01-16 01:27
みうさん,ここは南九州本土です。
廃仏毀釈で破壊された寺跡を含む渓流です。
パートカラーレッド,私も気に入りました。
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by complex_cat | 2013-01-07 13:57 | My Tools | Trackback | Comments(2)

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