ヒヨドリ防除

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今年はヒヨドリの被害がひどかった。山階等が定点観測している日本列島の南北に幾つか配置されているステーションの鳥類相の動向を見ると,寒冷の年は,南への偏在が大きく,おそらくこちらの被害の高低はそれと連動している。




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渡り鳥的に振舞っているメタ個体群が加わるため,秋季〜冬季の被害がひどくなる。A地域からB地域へ渡ってくると云うよりは,巨大な分布の中心がどこに移動するかみたいな話だと思う。
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防除としては防鳥網という元も子もない方法。まるごと果樹毎包むとか,迅速に展開できるとか,バリエーションは増えたが,物理的バリアーしか基本方法がない。それ以外は,実は,敷設などで人が動いたりする別の成分や,短期的な回避行動を効果だと喧伝している結果なので,絶対にやられないようにするにはこれしかない。鳥威しの爆裂音も,コンピュータ制御しようが,散弾に寄る実害のある実弾が個体に意識されることと組み合わされないと,直ぐに効果がなくなる。直ぐに効果がなくなることをばらせば,導入したところはがっかりする。あまりにも気の毒なので,すこしずつ嫌なことをするのに過ぎないし看破されれば終わりなのでそれらを組み合わせて絶えず状況を変化させて,警戒心を途切れさせないように使え,と救済的なアドバイスをしたりする人もいる。広域でみんなでやったら,効果は怪しくなるので伝える場合は状況に合わせるしかない。
 短期的「効果」による方法は,どちらにしてもあちこちでやり始めると,更に直ぐに効果は見えなくなる。当たり前。少しだけ相手にとって嫌なことをやっているだけであって,実害がないとカンパされたら終わる。終わらないように,色々嫌なことを組み合わせて,時々実弾が飛んでくる,みたいなものも更に乗っけていくと確率的には被害が生じにくくなるが,それとて絶対ではない。
 農作物からの入力がなくても,人の住む場所では食べ物はたくさんある。いわゆる意図せぬ給餌により栄養が渡れば,個体群は維持,拡大して,結果的に更に被害は大きくなる。一が多く済む地域では,畑やまっとうな果樹園からのアウトプットを遮断しても,限界がある。
 捕獲だけでは限界があって,相手に利用資源が渡らないように遮断するしか無いのだが,その社団自体にも限界がある。どちらも投資量から限界がある。限界があるが,オプチマムな領域を想定して,ともかく組み合わせ,対応するしか無い。
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少しでも嫌なことをやってそこを離れてくれるなら,それは防除「効果」がある喧伝するのもいいが,事象理解からは遠い。
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ヒヨドリは美味しいけど,こんなかんじでは食べられないし,歩留まりは悪い。しかし,せめてその命を奪ったら,自然資源として当たり前のように食べていくという方向は考えておきたい。後付なので,そこに欺瞞の匂いを感じる人もおいでになる。私はそこまで厳密な考え方はしないど,疑問は疑問として思う。
 アライグマは美味しいそうだが,レストランにメニューとして並ぶことは多分無い。食べる一以前に安定供給が無理だから,まともな食材として機能する余地がない方がおおきいだろうけど。

 TPP前夜。沖縄県などが生産量0に向かうと試算しているサトウキビなどでは顕著だが,地元の生産が消えていけば,それに対する鳥獣被害は,むしろ減っていくであろうという矛盾。ただ,日本の広域を占める森林生態系での維持管理問題はまた別だし,状況が進めば,人的被害比率は大きくなるだろうと想定している。
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うちのサクランボもチェックに来ている。わざわざ網の中に潜り込んでパニックになっていた。上だけ網を覆っていても,結構器用に入り込んでくる。
 この日は,シロハラが網の周りをうろついていた。
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我が家の鳥獣対策専従者1。もちろん自宅専門員なので,外のことは知らない。
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我が家の鳥獣対策専従者2。もちろん,クマネズミ専門員なので,ヒヨドリのことはどうでもいい。興味も無さそうに飯を食っている。
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我が家の鳥獣対策専従者3。もちろん,2と同じで,クマネズミが専門なので,ヒヨドリのことは,どうでもいい。
 猫に有害鳥獣対策というのは,ウイスキーキャットみたいな話にあるどおり,準閉鎖系でのクマネズミが限界。鳥相手にするには猫は弊害が大きすぎる上に,効果はないと思う。
Commented by jinsei_rarara at 2013-03-20 00:35
鳥獣対策専従者1,2,3
鳥のことよりも目の前にあるものに興味津々なのさー

チコちゃん、あははー(ほんとに興味なさそうに)
寝そべって食べてますねー^^
Commented by complex_cat at 2013-03-20 18:15
jinsei_rararaさん,猫ってこんなもんです。
この他意の無さがなんとも言えません。
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by complex_cat | 2013-03-16 12:11 | Wonderful Life | Trackback | Comments(2)

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