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灰汁巻き

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義母から,鰹節を作った薪の灰で作っている有名なお店の灰汁巻きを,もらってきた。最初に口にした時,物凄く癖があるからと言われたが,私は結構好きだ。よく出来たものは,こんな感じで色ガラスのような透明感がある。普通はきな粉を眩し,黒蜜を垂らせば言うことはない。



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 Wikipediaは,そこそこまとめてあって「保存性であくまきを見ると,長時間煮ることによる滅菌,木の成分による抗菌,アルカリ環境による雑菌繁殖の抑制、竹の皮による抗菌,と実に複合的かつ合理的に出来ている」とされている。保存がきくので,戦国時代,既に薩摩の軍勢の戦闘食を支えたとされる。当時の軍事が発達させた食料技術と言えないこともない。
 薩摩の軍勢が,軍事作戦行動のタイミングを合わせるのに猫を,兵糧に灰汁巻きを使っていたということを考えると,どちらも今は,戦闘と結び付けられることはまず無いわけで,ある意味不思議だ。まあ、缶詰だってナポレオン戦争時代の軍事技術で、軍は巨大な胃袋でもあって、必要なものとして作られたわけで。
 で,それを食って地獄のように剛猛な軍団を支えた兵糧故「悪魔来」と呼ばれたみたいな話はもちろんない。エイプリルフールで書くのもはばかられる(今,書いてるけど)。
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 レシピはここにあるが,確かに,灰汁を食品に混ぜるというのは,あんまり聞いたことがない。鰹節用の薪炭は,検索するとクヌギやコナラ,サクラみたいな記述がヒットするが,こちらではそんなのはまともな量,集まらないだろう。海岸林として年4〜5mmのペースで肥大成長する備長炭用のウバメガシが群落を作るが,それも大したマスは毎年毎年穫れないから,基本は常緑のシイ・カシ類,タブ,ホソバタブなどの薪になると思う。
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灰汁巻きについては,アルカリ性であることが,菌の増殖を防ぐと書いてあったりするが,もちろん保存性への寄与は腐敗菌のタイプに寄るとは思う。作り方(ここのページにあるレシピはかなり興味深い)を見ると,抗菌作用のある筍の皮に封入される形になっているもち米がそのまま炊かれるので,出来上がった時にはかなり上手く滅菌されているというのも保存性が高いことの要因だろう。端午の節句に,ちまき代わりに使われるので,スーパーに手作りキットが出ることも普通。実際に「ちまき」と呼ばれたりする。
 真空パック商品になっていても,「賞味」期限は,上述の話からの保存食イメージほどは長くない。ただ,「消費」期限については,もっと長いだろうけど,手元に資料はないのであしからず。
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追記ーブックマークコメントいただいて,商品として食べやすいように作られていて,保存が基本の原型は,もっと真っ黒で癖も強いということらしい。そういえば以前食べていたものはもっと真っ黒だった記憶がある。
 というわけで,真っ黒い灰汁巻きが手に入ったら,またご紹介しようと思います。
Commented by 鈴蘭 at 2013-04-11 00:53 x
昔の同僚の家で食べたことがあります。
親戚から毎年大量に送られてきて持て余していると、恐る恐る出してきました。

会社の皆大勢で行ったのですが、皆はほとんど手を出さず、私が一人で何個も食べたら「どんどん食べて」と喜んでました(笑)

確かに独特の癖があって、お菓子として売ってたら買わないだろう味でした。
でも、そんな食べにくい物でもなくて、癖のあるちまきみたいで、もち好きの私は5個くらい食べてしまいました。
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by complex_cat | 2013-04-03 19:01 | Appetite Museum | Trackback | Comments(1)

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