カテゴリー違いだが,あまり詳しく書くわけにも行かないので,NEX-6&レンズの話に託つける。
ほとんどNEX-6による,Zeiss Vario-Sonnar 3.5-4.5/28-70 T*のフィールドテストみたいになった。この組み合わせは,思った以上に使えるが,鳥類をフォローするのは基本的に無理なので,もう一台のデジイチ&400-500mmクラスを併用するというやり方で,良いかなという感触。
ただ,広角側がやや足りないので,画質の良いサブのコンデジは一緒に持ち込んだほうが無難。幸いGPS情報記録が必要だったのでDSC-HX30Vを併用したので,広角側はそれで間に合ったが,まあ,「作品」を撮るような仕事ではないので,どうしてもそれがないと困るという状況は少なかった。
このレンズだけでなんとかするというところで撮るほうが緊張感と割り切りが生まれてよかったりする。
とは言っても,通常,取り方を工夫すれば準標準〜標準レンズ(135フィルムフォーマット換算で40-50mmだから,APS-Cサイズデジカメで25-35mmのレンズを使った場合)の守備範囲は広いので,大抵の撮影はあんまり苦労しなかった。
発色は当時の国産OEM Zeissレンズとしてもあっさりめだが,昔のズイコーレンズのロープライス組のような「お茶漬け」みたいということはなく, 自然物を撮影するには好ましいと感じた。
硫黄が巻く露岩を撮るのが楽しい。
オーバーホール中の標準レンズの16-50mmは,手ブレ低減や沈胴メカも含めてアクチュエータや機械部分はかなり詰め込んであるので,衝撃には比較的弱くてもしょうがない。それでもおにぎり型のセミハード速写ケースに入れて落としたりしている時には問題がなくレンズ単体で落としてあちこち弾ませてしまったのが致命的だった。修理はまだ時間がかかりそう。
微妙な場所に移動したため,地面を這いつくばる方ではターゲットとしての探査像には苦労した。
Vario-Sonnar 3.5-4.5/28-70 のマクロ域は非常に役に立ったが,やもすると最近のコンデジの画質向上と被写界深度の深さに甘えた標本撮影ばかりしていることでずれが生じていて,その辺り,うっかり撮影するとヤバイなと思った。
ヤマアジサイの中間。南西諸島に分布,がよく咲いていた。
このツツジ科のなにが,なにであった。何のことだがわからねぇだろうが。
ビロウとシュロの区別は大きく育った樹形,樹皮だと分かりやすいが。これはシュロの方。
こちらはアダン。上の画で,気根から垂れる雨だれの葉っぱの方。このレンズ,さすが,照葉樹の煌めきも綺麗に写し撮れる。私が苦手なタイプのレンズだと,適正露光でもクチクラの部分に光が乗りすぎて,見苦しくなる。この描写だけでもフィールドで使い続ける価値がある。
これ「係船柱」あるいは「(繋留用)ボラード」と呼ぶらしいが,物体としていろいろなものを感じて,発色も複雑なものが楽しめるので,ついつい撮ってしまう。小さな離島だと,浚渫や護岸の手直しなど,出来る部分は業者に頼らず,というか,呼んできてもらうまでかなり大変なので,地元の人がしょっちゅう手を入れてメンテナンスしている。
ミナミヤモリの原画はこれの6倍ぐらいの領域が写っているが,このくらいのトリミングでも十分使える。それなりに絞り込んでもコンデジに比べて像面は薄く,それを生かした撮り方になるけれど,コンデジのように何処にフォーカスが来ているかと云う部分についてあんまり博打にならず,コントロールできるのがデジイチで撮ることの安心感。標本写真的に体の細部のディテールが必要になる場合は,被写体によりけりだが,コンデジで撮るほうが,時間短縮になる場合があるので使い分ける。
風景も,いきなり無限遠にならず,それなりにフォーカスコントロールできる領域。
70mm側でデジタルズームも使ってみたが(デジタル4倍で280mm相当),NEX-6の良好な有機液晶ファインダーも,デジタルズームで見てしまうとフォーカスのピークなどはさっぱり分からなくなるので,デジタルズームはAFが使える時か,MFならばせめて135mm以上のレンズを使っているとき限定だなと思った。画質はもちろん望むべきもないが,長玉を持っていないときに証拠写真レベルなら使える場合もあると思う。
まあ,撮れていてもんなものなので,絶対無理して使ってはいけない。