チコの通院から帰ると,とりあえず家族会議を開く。イレギュラーな部屋割りの変更と,チコに自宅での治療に専念してもらうシフトを引くためだ。
模試から戻ったところで,付き添いでついてきてくれて車の中で啼きっぱなしの彼に声をかけ続けて,疲れきったがそれでも心配そうな長男と,なんでここに来なきゃいけないんだと不服そうなチコ。
基本的に元気で,食欲もあるのだが,主治医の先生に言われた通り,数日はパトロールも我慢してもらうことに。
チコは,保護されて,この病院で里親を探していた子猫だった。
とりあえず,投薬と二階のの一室にチコを閉じ込めて様子を見ることに。「全部食ったよ。美味かったって。」カリカリと,ハシギレの刺身が入っていた空っぽの2つの皿を下げて戻ってきた末っ子が通訳して言った。
その部屋のエアコンが壊れていることが判明したので,我が家の二階は昼間はかなり温度が上がることになる。長男と急場,窓枠型エアコンを設置した。コンクリ捏ねる巨大な舟にも猫砂を一袋ぶち込んで,チコ用特大トイレを作りなおすと,隙を盗んで部屋を飛び出そうとするチコに,四日間以上の自宅静養を伝えた。別に罰ではないのだが,謹慎だろうと静養だろうと,どちらにしても彼にとっては外に出られないということには変わりない。