蛇のチワワーヒバカリ
2005年 02月 20日
採集者:公陳丸
採集場所: お隣の畑
状態:元気だったので離れた別の場所に逃がした。
画像は,家の中で捕り物になって,ちりとりに猫毛まみれで収まったところ。結構,動いていたので,写真は証拠程度なのです。良くない画ですが,どうかお許しください。
ヒバカリを捕ってきて,ワイフに叱られて獲物を奪われて,長男になだめられる公陳丸。まだ,今のチコベェと年が違わない頃。結構,疲れたらしい。有り難うと言っておいてよ,怒っちゃ駄目だよ,と私。
ヒバカリのことを調べようとしたら,ネットオークション業者がこの小さくて大人しい蛇に目を付けたらしく,2年前ぐらいですが,大量に出回りだしたという情報に当たりました。そうだったのか。この分野にも,犬猫と同じようにトレンドがあるので,現在では,またトレンドが変わっているかも知れませんが。
ここのサイトは,消費的飼育には反対と明言されており,買うからには責任を持ってちゃんとした飼育をという考え方が記述され,まぁ好感が持てます。
野生動物の飼育ということに関しては,それがもの凄く魅力的であるということも手伝って,マクロ生物学的な知識に興味のない方も,下手すると生物それ自体に興味がない方も手を出すということが少なくありません。また現在では決して小さくない産業分野でもあります。
complex_catでは,猫の魅力を紹介していますが,僭越ながらどうせ動物と暮らすならば,野生動物はなるべく避けて,そういったものは動物園などに任せるようにして,なるべく,犬猫にしませんか?というメッセージでもあるのです。
実際のところ,生態屋の私自身,小動物を手元に置くという魅惑的な作業から,無縁ではありませんし,そのための矛盾も抱えます。まぁ言い訳としては,研究対象を,ずっと手元に置いて観察続けるという行為無しには,対象の生態学的解明に置いて,なかなか辛い分野も多いのです。また,生理系ではないので,材料としてみるということよりは,申し訳ないけどインタビューのために,一時的に軟禁させて貰うという意識で居られるのですが。
まぁそのような偽善がましいことをやっても,医学部の検体や,獣医学部での学生実験などと同じ,生き物に関わる学徒についてまわる試練であり,業であるかも知れません。しかし,必要不可欠な場合もあるかと思います。単純にナチュラリストを標榜するのであれば,そういった形で生物の生き死にや飼育に関わる必要もないかと思います。夜空の星を肉眼で見るように関わるだけで全てが解決すればいいのですが,そうもいきません。
かつて,動物園は,自然保護に反することをやっていると攻撃したエコロジスト(生態学者という意味でなくマスコミが使う方のエコロジストです)も居たようですが,実際は野生動物を救ったり,その生態や行動を明確にする上で,動物園の果たしてきた役割は大きいです。最新の遺伝子解析についても,特に哺乳類については動物園がそのノウハウを大学に先んじて蓄えており,丁稚奉公でお世話になった生態学徒も少なくありません。
動物園もワシントン条約などで新たに希少な動物が供給されるルートが閉ざされ,生き残りをかけて動物園感の養子縁組を成立させ,希少動物の個体の確保や,自然保護活動とのリンクを強化して,生態系保護と動物園の存在が矛盾するものでは無いという方向への努力とプロモーションを続けております。かつての見せ物小屋的な商売をやっていても,これだけレジャーやアメニティが多種多様になればリピーターなど望めないという死活問題が絡んでのことと思いますが,正しい方向だと思います。
私も,動物園大好きですよ。子供と見に行くと,たいていの人は,一つの対象に3分以上費やさず直ぐに移動するのですが,特に長男と行くときには,ペンギンだけを見て半日とか,ケージ無い展示の池の中のカエル見て終日とかいうこともあります。前任の園長先生と知り合いになっていましたが,同じところにウチの親子だけずっと居るものですから,c_cさん,未だ居たの?!って驚かれたことが何度もあります。
パソコン制御だらけの「命の何とか館」など作るよりも,そっちを充実させるようにお金をかけるべきだと思います。実際の動物を子供達に理解させる上で,ずっと有意義で絶対に必要な施設だと私は思います。多くの市民に愛されている動物編のインフラは,基本が30年以上前のもので,多くが運営する自治体の議会では赤字のプレッシャーに苛まれています。
ちなみに,電子テーマ館は,お金のない自治体に同じ業者さんが同じものを持ってくると,子供達の扱い方が酷いということもあるか分かりませんが,ずっと「調整中」の張り紙ばかりです。こういうものであれば,維持費にお金がかからないというペテンを言い張って作る,まさに箱もの行政の結晶かと思います。
海外では,野生動物の保護活動における理解をも貯めたり募金を求めたりする上で,重要な教育施設ですが,そういった明確な説明が出来るスタッフが,日本の動物園にはほとんど居ないのも,問題です。もっとお金をかけて,野生生物調査なども出来るスタッフを常駐させて,国内の動物にも興味を持って貰って,その保護のための普及プログラムなどを実行するスタッフを何人も置く,先進国では日本より国民総生産が遙かに低い国でも普通にやられていることです。それが実際は,スタッフが研究のトレーニングを受ける余裕も野外研究をする余裕もなく,また,そもそも生態学徒的なキャリアは無意味ですらあって,行政のポスト確保に寄与するだけという状況では,いつまで経っても欧米の動物園とは同じ機能を持つことは出来ないでしょう。
以上,地方の小都市の動物園についての話と受け取って頂いても良いのですが,潤沢に資金がある方の動物園でも,絶滅危惧動物の保護についての説明や,そのためにどのようなプログラムを走らせているか,説明を受けた入園者はどのくらいいるでしょうか,かなり疑問です。でもって,何故,野生動物保護が重要なのか,珍しい動物だから,数が少ないからと云うトートロジーで子供を騙しても,その子達が成長して大人の理屈に飲み込まれるようになったら,全く効果のない説明だと思います。私に云わせれば子供だと馬鹿にしているようなもので,ちゃんとした説明できる人が,どのくらいいるでしょうか?
野生動物や生態系保護の大切さを,命そのものと接触させることで情緒的に教えることも,理屈で教えることも,私は両方とも大切だと思います。そうしないと,希少な野生生物を自分の子供以上に大切に飼育できても,貴重な森が消滅するのには全く無頓着な大人しか生み出さないのではと思います。
公陳丸と息子さんのカットほほえましいです。
いや,やっぱりふて寝かな。
「ヒバカリ」っていうのは初めて聞く名前。
本州でも生息しているのかニャァーっ≦ ̄δ ̄≧?
昨日のコメントでも言った、うちの“カーチャ”がくわえてきたのは、まだまだ子供のシマヘビでした。子スズメに巻きつきながら高い木の枝のあたりから一緒に落ちたのを“カーチャ”が見つけたのでしょう(このときずっと親スズメ2羽が上空で騒いでた)。
その時、ちょうどお寺の前で本を読みながら夕涼みをしていたので、家の中へ持っていくのは阻止できました。本(Linux関係/500ページほど)を思わず“カーチャ”の顔面にぶつけて……≦ ̄□ ̄;≧З
子スズメに巻きついていたシマヘビはその衝撃で離れて逃げ、子スズメは一晩介抱して、翌朝親の元へと飛び立ちました。
で、“カーチャ”にはお詫びにいつもより豪華なカンヅメをご馳走して機嫌を直してもらいましたよっ≦⌒▽⌒≧З
yusuke さん,「猫は飼い主が優れたハンターでないことを見抜き,ケアーのために様々な獲物を持って帰ってくる。だから,叱ってはいけない,混乱してしまうので。」というような解説を私も呼んだことがあります。しかし,単純に,住処に持ってきているだけ,或いは処理方法を親がどうするか知りたくて誘導しているような場合などもあるような気がします。巣穴の中で親子兄弟で獲物を引き裂くことで採餌のための処理などが効率的に行われている野生猫の姿が目に浮かびます(単なる私の仮説)。
チコは鳥などは直ぐにワイフに取り上げられるので,こそっと二階に一直線,隠すようになりました。これなど,ただ住処に持って帰っているだけで,親のために捕っているのではないことは一目瞭然です。猫と同様,行動の意義は,千差万別のような気がします。