月の輝く夜に


月の輝く夜に_b0060239_22403087.jpg
家からクルマで5分。港湾施設なので,まぁ砂浜を歩けるような綺麗な海岸が広がっているわけではないのです。それどころか近くにある湾内唯一の自然海岸を護岸工事したと業界紙で偉そうに紹介していたのは10年前(未だにその意識だったら絶句ですが,あり得る話なので笑えません)。まぁ殺風景なところです。
 それでも,茶色い水で水着が見えなくなる海水浴場が一般的になっている今の日本では,十分綺麗な海です。地元では汚いと言いますが,夏の赤潮の酷い時期を除けば,汚染されている海とは言い難いです。まぁ生活雑排水はそのまま流れ込んでいますから,下水のない地域の河口は年中,悲惨ですけど。
 今から20年以上前,鰯が大量に揚がった年があって,そのとき,ここの防波堤に,大量の鰯が回遊してきました。私のように吊りはほとんどやら無い人間も,付き合ってサビキを垂らせば,バケツいっぱい釣れました。横を見れば,「走る魚屋」で名を知られる,移動販売のクルマのあのおやじさんも・・・ちゃっかり現地調達。
 月のお知らせか,友達に無事赤ちゃんが生まれて,そして今夜,ようやく海に浮かぶ月を見ることが出来ました。


月の輝く夜に_b0060239_238325.jpgそこからの帰り道,ロードキルで倒れたタヌキ。多分即死だったのでしょう。かなり大きな個体でした。無念そうな口元は,血の固まりでまみれ,彼が動くことができたならばその口で,せめて一矢報おうと人を咬み切ろうとして浴びた血のように見えました。
 「都市生態系」なんて言葉はまやかしで,もしも誰かが埋めてやらなければ,これだけのりっぱな有機体が,まっとうな地球の構成員たる分解者に手渡されることなく,ただの人間という生き物が呼ぶ「ゴミ」とされて,燃やされ温暖化にしっかり寄与してしまいます。或いは,バランスを欠いてのさばるカラスの餌となるか。
 そういったこと自体が,クルマに引かれてタヌキが死んだことをもっと救われない悲惨なものにしてしまうような気がしました。持って帰ってうちの家族で食ってやれるならどんなに良いだろう。今の私は,そこまでは出来ないので,せめて土に戻ればいい。ここの樹林はそのうち切られるかも知れないけれど,分解されて樹の一部になるといいよ。私も,その時が来たら,そうなりたいけれど,きっと燃やされてしまうだろうし,せめて灰が木の根本に撒かれたらましな方だよ。


月の輝く夜に_b0060239_22434256.jpgそれでも,月は昇ります。人類の救いようのない争いと脆い生き様にも,形に残らない全ての感情の流れにも,やがて向かえるであろう人という種族の危機にも・・・ずっと関係なく月は昇ります。いつまで人間の作った灯は,お月さまと並んで輝いていられるのだろうか。

ISOを高感度にしなければ,このような長時間露光の画も,結構ノイズが少ない。でも,それでは使えない場合が多いのだよなぁ。この気楽さは,悪くないのだけれど。それと,結局露光もフォーカスもマニュアル使うことが多くなってきたので,基本的な機能を使って撮っていないし。MINOLTA A1



ロード・キル(クルマによる轢死)は今や野生動物保護においては大問題です。沖縄,奄美や徳之島などのロードキルは,別に関東やここと違うことをやっているわけではありません。轢き殺している動物の命の価値に差があるようで嫌なのですが,それでもアマミノクロウサギ,ヤンバルクイナ,その他諸々の貴重な小動物の犠牲は多いと云わざるを得ません。
 自称エコツアーの四駆の蹂躙が,その被害を拡げているという話もあります。コミックの「イニシャルD」では,野ウサギ一匹轢かれませんけどね。
Tracked from 安うまワイン紀行 -赤編- at 2005-02-27 16:26
タイトル : 今日はワインは止めとこう
さすがにここのところ飲み過ぎたので、今日は葡萄休みの日にしよう。 といっても寝るまでに我慢できるかどうかが問題..... 昨日は月がきれいだった。 ... more
Commented by kyoko_fiddler at 2005-02-26 23:22
月とてもまた、いつまで昇ってくれることやらです…。
Commented by complex_cat at 2005-02-26 23:27
少なくとも人類の歴史よりは保つのは間違いがないところだとと思いますので,人類は心配する立場にないような気がします。
Commented by kyoko_fiddler at 2005-02-26 23:58
そうですね。いくら人間が切羽詰ったところで、月まではびこっては行かれないでしょうね。
タヌキの姿が悲しいです
Commented by complex_cat at 2005-02-27 00:16
せめて人知れず拾われて捨てられるゴミではなく,死んだことを人に悲しんで貰って,悼むための画としたいと思いました。野生動物のロードキルは人間の交通事故同様,悲惨です。
Commented by dojou7 at 2005-02-27 00:30
海面の月光反射画像良いですね。
先日動物の道を造る研究者の番組見ました。私も数年前狸のロードキルに出会いました。持って帰って食べてあげようと提案したのですが、娘に反対されてやめましたが、持って帰ってももてあましていたと思います。
Commented by complex_cat at 2005-02-27 01:51
dojou7さん,有り難うございます。
 しかし,食べようと提案されるところは,やはりただ者ではありませんね。流石!偉い! しかし,そうなんですよ〜。小さなウサギでも血抜きして解体して肉の強膜を外して,な〜んてやっているとよほど慣れていて手際がよい人でなければ1日潰れます。シカの解体が出来るフィールドワークの師匠である友人の話を聞いていると,動物によって解体や下ごしらえのコツが違っていて大変みたいです。次に余裕があったら,Appetite musiumでタヌキ汁でも報告します。まず,ウチのなまくらから新調しないといけないんですけど。
Commented by benebello55 at 2005-02-27 16:37
complex_catさん、TBありがとうございます。ちょっと次元が違いすぎて恐縮ですが...TB返しさせていただきました。これでようやくTBのしくみがわかりました(笑)。多少の悲しみの違いはありますが、基本的には全ての生き物の命の価値は平等だと思ってます。植物も含めて。無意味に死んでいく動植物を見るのはとてもつらいです。
Commented by complex_cat at 2005-02-27 16:59
TBの仕組み,分かりやすいように説明してもらっても最初分からなかったです。あるブログで「引用したよ」っていう記録が引用先のブログに自動的に記録されリンク化されるということなんでしょうけど,実際やらないとわかりにくいですよね。
 人の命も現実全く平等ではないですが,少なくともそう考えて生きていく人たちがいなくなったら終わりだと思います。生き物の命もですね。
 自然科学者の性癖でしょうけど,既存事実に飲み込まれるのって,楽しくないので・・・・
Commented by みかん at 2005-02-27 22:03 x
こんばんわ。今日はTBありがとうございました。c_cさんのコメントで随分、気が楽になりました。

さて、今日も美しい写真をありがとうございます。海も月も美しいですね。潮の満ち引きには人の誕生や死が多少は関係すると聞いた時はびっくりしましたが、この大自然の力には只、感嘆して感謝するだけなんだなぁ、と思います。
 先日、主人の友人が「車に轢かれたタヌキを見つけた。まだ暖かくて新しい(!)から、弔いを込めてタヌキ汁にするぞ、食べに来い」と連絡がありました。なんて素敵な人たちだろうと感心しました。熱いうちに生姜をいっぱい入れて食べると美味いそうで(冷めると臭いということです)その時は主人も喜んで食べてました。やけに人が多くて、私はありつけませんでした。
先日、浜にイルカが大量に打ち寄せられて、沖に戻れず死んでしまいました。漁師さんたちが捕ろうとしたら、警察が来たとか。廃棄処分にするなら皆で食べてやろう!と言ったそうですが、ある動物保護団体からクレームがついたとか。食べるために大量の殺りくをしたのではないのに、何かナットクのいかないものがありました。
海辺の田舎ならではのエピソードでした。
Commented by complex_cat at 2005-02-27 23:17
良い話しですねぇ。日本人は,ほとんどの蛋白源を狩猟採集により得てきた民族なので,牧畜で蛋白源を得てきた民族から見ると,生きとし生けるもの全て食べ物という考え方が理解されないことも多いです。しかし,森を切り開いて生物のすみかを奪う牧畜というのは,ある意味でものすごい罪を重ねてきたはずなんです。度重なる戦乱と産業革命,分布の北上におけるバリアとなるアルプスの山などもヨーロッパの植物の種数が少ないことに寄与しておりますが。ヨーロッパの学者は極東の小さな島に過ぎない日本に来て植物の多さに感動します。
「鯨のことどう思います?」って聞かれたら,「美味しいと思います」って答えたりするのが日本人でした(爆)。もはや鯨の味を知らない世代が増えつつありますが,みすみす腐らせるのなら,食べてあげる方が良いと私は思いますけど。鯨を食べることを思い出すとまた,乱獲したがる民族だと思われているのでしょうか。
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by complex_cat | 2005-02-26 22:39 | My Shot Life | Trackback(1) | Comments(10)

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