正体判明!-チリモスの歯-♪僕らは生物鑑定団♪
2005年 03月 02日
名越左源太(1850〜1855)の残した「南島民俗文化史料」(沖縄郷土文化研究会編)に出てくる、奄美に生息する動物の絵の中に食虫類とも齧歯類とも判別がつかない不思議な生物が載っています。
チリモヌは不浄の獣なり。邂逅(かいこう)人のみることあり。その獣は人の死せるとき、鋪(しき)しムシロなどにやどり居るという。道行人の股(また)をくゞれば、たちまちその人病て死すという。豚の子のごとく猫に似たりと。大きさは猫のごときものなり。名ありて形なしという・・・・・
この獣、常に死人の汚れたる衣類、雑具、川などへ捨てたるものゝ中にやどりおり
以上,ホラーアリス妖怪王より
これを表紙にしているのが,奄美哺乳類研究会の雑誌で,奄美の希少野生生物について,優れた調査・研究データや知見を掲載している雑誌として知られておりますが,その会誌の解説によれば,このチリモスとは別に,アマミノクロウサギやケナガネズミと判別がつく動物はちゃんと記載されていると言うことです。未だにどんな動物であったのか,名越左源太の勘違いだったのか,既に人知れず絶滅してしまったのか,分かりません。ちなみに,古来から伝わるヤマイヌはニホンオオカミとは全く別の生き物で,超大型の食虫類(哺乳類の祖先形質を色濃く残したツパイやジネズミ,モグラの仲間)に近いものではなかったかという話があります。ちょっとロマンティックな話だと思いますが,諸星大二郎氏か星野宣之氏のSFマンガの題材になりそうな幻の「哺乳類」,そんなのに夜,出会ったら,オシッコちびりそうです。
さて,「チリモス」の歯などというべたな冗談はここらにしておきまして,件の歯についての推理は,関係者を巻き込み,そして仲間内かなり本気になって,数人でひっくり返したりしているうちに,流石,一回も見たことがなかった物であったにもかかわらず,生物鑑定団,写真ではなく,現物があると俄然盛り上がってとうとう答えを出しました。種speciesまで落とすのに,所要時間15分ほどでした。最初に奄美の山中というのが,おそらく海産生物なら,鳥類が運び込んだのだろうと思ったりしましたが,多分そうでしょう。で,種子島の海岸にも打ち上げられていてもおかしくありません。
釣りをされる方で,魚拓やバーベキュー以外は興味がない方ではなく,ちゃんと解体して食べたりされる方は,おわかりになったかも知れませんね。
生物は,魅惑的です。こうやってみると,歯は消化器官の一部だと思いますね。別に咽にあっても良いジャンというわけです。
とりあえず,指摘される前に,急いでアップしておきます。一銭にもなりませんが,気分は晴れ晴れ,日本晴れ。
店にかざります。
魚に飲み込まれて、喉を通過するときに、ああ、これかぁ…とか言いながら胃袋まで落ちていく とか…
http://www3.ocn.ne.jp/~kmitoh/zaturoku/kusauo/kusauo.html
ありがとうございますー。しっかりみましたー。(喜んでいるのか、ビビっているのかもう自分でもわかりません)