春から夏にかけて海岸汚染を引き起こすアナアオサ
Ulva pertusa K
JELLMANとは違う,いわゆる食用アオサ,ヒトエグサ
Monostroma nitidumのこと。今年の初物。奄美も,海岸によって香りや味が異なる。きれいな海のものはやはり非常に清純な香りがする。
グルクンの唐揚げ。正式和名は関東で呼ばれる名前タカサゴ Pterocaesio digramma。沖縄県では県魚だが,サイズは奄美で上がるモノの方が大きいような気がする。味付けで,非常にこの肉厚の魚のほっこりした甘みが出ている調理。90cmぐらいのは珍しくないソデイカの刺し身。大学院生時代,台風の後,海岸に打ち上げられてまだ動いていたのを,カラスと競争で拾いに行った。火を入れると並な味なので,鮮度がいいのは刺し身に限る。甘い。
手製のつけ揚に,胡麻がドバっと振りかけられてあった。この食べ方は知らなかったけれど,絶品。日本で食べられる胡麻の99.9%は輸入に頼っているが,その0.1%の国内産品の生産の殆どを生産することで有名な喜界島産の胡麻。
豚足などの煮物おでん。大根の横にあるのがシマアザミの茎。アーティチョーク以外でアザミが極普通に食材利用されている例は,あまり知らない。アマミシマアザミはCirisium brevicaule A. GRAY var. oshimense KITAMURA 「奄美全島の沿岸に普通に見出され」,常在度が高いが,「この茎や葉の有毛性には著しい集団内変異のあることが明らか」(門田,1990)ということだ。確かにでかくなるものの茎は美味しそう。定番の油ぞーめん。店によって作り方が違う。普通の家庭料理だが,見た目そのシンプルさ故か,ものすごく簡単な料理に見えるし,実際そんな感じで調理されているが,この味が全く真似ができない。故に,美味しいお店に食べに行く。
本日まで,二日間で川の中を33kmほど移動。 今日は5:00amから動いていて,しかも昼抜き。口に入れるものはコーヒーのスクリュー缶400gのみ。 ウェダー(胴長)着て,上はタンクトップで,冷たいコーヒーウマーという学生みたいな日々。ウェダーは,靴底もトレッキングに向かないし,動きが制限されるので,それでハードな移動をすると足裏や腰やあちこちに負担が来る。おかげで先程から筋肉痛が始まったが,戻ってきて昼食べてない分も取り戻す。 いわゆる焼鶏丼だがとある店のオリジナルの味で,非常に美味しかった。
一緒に出てきたスープ。アオサが使ってある。
この店は,最初に飲み物を注文する。まだ仕事があったので,もちろんアルコール類は頼めないので,グアバジュースで飯を食う。美味しいので,別に問題ない。ポンカンのスライスを入れて抗酸化による色の変化を抑えて酸味を加えてある模様。こういうのに感心したりする。
ここの島豚,豚の肝臓の味噌漬けは絶品。酒飲みにはたまらない摘みだが,飯を食うことを主眼にしている人間は,やっぱりご飯が欲しくなる。
中孝介氏がかつてバイトをされていたことでも有名な,お店の奄美三振と太鼓のバチ。ここの女将さんは現地では知らぬものが居ない島歌い。バチはすごく軽くて島唄のお調子をとるに優れた素材でできている。何で出来ているか知らなかったが,考えたら土地に根付き,ごはんを食べるように歌を歌う文化の土地でのものなので,そのへんの自然資源が使ってあって当然な話。樹木の名前が分かる方はおられなかったが,どうも話を聞いていると,黄色い芙蓉のような花が咲くとのことで,ハマボウの材ということになるか。ハマボウはちょっと前に強引に成長解析をやったが,海岸,台風などで破壊されるのも常とする場所に入り込んで,種子を落とし,実生成立そこがまた破壊されるまで〜の繰り返しの生活史を持つので,ものすごく成長が早い植物。納得。呼び込み部隊が,店の前に集まっていた。この店,美味しい?こっちは場所が違うが,屋久島の赤バラ。いわゆるカンパチ Seriola dumerili (スズキ目アジ科)で。現地でも高級魚。
購入したのは一湊という港のある集落。そこの小さな魚屋のクールケースにひっそりと1匹が半身になって置かれていた。買うものが居なければ,店の人がそのまま消費するのだろうか。
かつてはここに映画館3軒,和菓子屋が5軒在ったと聞いて驚いた。当時はものすごく魚が取れ,近隣だけでなく,あちこちから漁船が集結したということのよう。羽振りを利かせた漁師が現地でヤクザともめて包丁で刺されたが,胴巻きに入れていた分厚い札束で助かったみたいな逸話もある。当時の面影はないし,こういう港は全国あちこちにある。ある意味,日本の水産資源管理の問題そのものを表している。
どういう魚の食べ方をすればいいかといつも思う。とりあえず地場産,生態系ニッチェの低位のものを中心に美味しく食べさせてもらえる店を選ぶ,がモットー。