Vario Sonnar 28-70/3.5-4.5 T*

Vario Sonnar 28-70/3.5-4.5 T* _b0060239_20585943.jpg
京セラのコンタックスブランド消滅で,いろいろ考えるところがあるのと,最近撮影する時間がないので,かなり前の撮影分の蔵出しからです。Vario Sonnar T* 3,5-4/28-70は,シリーズにあっては廉価版ズームレンズで,気楽にフィールドで振り回せた割に,Zeissを使い出したばかりの私に,気持ちの良い画を撮らせてくれました。ガラスモールド非球面レンズを含む構成の本レンズでは,それこそ,数値データは,京セラZeissレンズ中,最低レベルなのですが,MTFがどうたらこうたらなど,全く気にならない写りです。特に,マクロモードでの撮影も目録以上のものがありました。
 画像は,南九州では珍しい,落葉樹の新緑の混在する渓流の中,林冠を撮ったもの。このときは,徹夜のコウモリ調査と空振りのカワネズミ調査で未だ5月,とても寒かったのを覚えています。

Vario Sonnar 28-70/3.5-4.5 T* _b0060239_2113993.jpg
4年前,霧島神宮内を,敬愛するマス・大山館長のスタイル?で走り抜ける当時4歳の長男。

Vario Sonnar 28-70/3.5-4.5 T* _b0060239_2144380.jpg
神宮内でも,野良猫発見。やっぱり猫を見つけると触らずにはおられない。

Vario Sonnar 28-70/3.5-4.5 T* _b0060239_2151427.jpg
子供の気が読める猫で良かった。ゴロゴロ状態。
ちょっと,時間がないので,出てきた分からというわけで,統一感のない画の羅列にて。



 今のデジカメのズームを,このズームレンズ並みに逆光で同じように使おうと思うと,流石にきついですね。倍率やレンズ枚数が多いので,当たり前と云うことだと思いますが,はっきりしたゴースト,フレアー以外でも,画質低下は,酷いものがありますね。デジタルの使用比率が上がってきて,デジイチを買うしかないと諦めております。
 まぁ,MTFなどもレンズの一性能のパラメータであって,キヤノンさんは,設計上の最適解を追求できるでしょうから,それを追うのも,何となく・・・です。

 Zeissレンズの評価でよく目にする性能は,

1)快調再現性。特に暗部。潰れずに,またデジタル的な縞にならず,連続的に繋がる。これは性能の良いデジイチと共同開発で詰めたらどうなっていたか。あぁ,そうか。その答えの一つがCONTAX N Dだったのでしょうけど。ほとんどあれはオーパーツとか,「巨神兵」とかと同じになっちゃった。

2)描写性能の中央から周辺への変動のつながり。こういうのって単一のパラメータで表すのは難しいなと思います。古の名言,デッコマヒッコマともちょっと違いますが,驚くほど立体的に写るその画の理由みたいな説明として読んだことがあります。検証は,私には無理ですね。

3)収差バランス。これも,単一のパラメータでは表現するのは無理でしょう。レンズの周辺から入射した光線と中央付近から入射した光線の収差の上手い具合の混ざり合いみたいな,よく考えると収差の癖みたいなモノも,独特の描写「性能」に寄与しているみたいな話があって,痘痕もZeiss。

4)発色。これは,個人的好みもありますが,こってり感のある油絵調のレンズというのは,余り日本のレンズの発色にはありませんでしたから。私が20代の頃愛用していたOM用のZuikoなど,誰が表現しても「お茶漬け」とか言われてました。彩度の高いキヤノンさんのそれとも違う。デジタル機の評価でも半ば公然となった「記憶色」とかいう分けの分からない表現の元祖はZeiss描写についてのテキストからだったような気がします。良い悪いは別にして,原色再生よりも,表現のための発色というのが微妙なバランスの元に成り立っていたというあたりで,ユーザーの見解が合うところでしょうか。その上,T*コートで,もの抜けの良い透明感のある発色というのが,まぁすべてのレンズで同レベルとは申しませんが,Zeissの売りであったと思います。
Zeissの本気である,沼レンズについては,今まで本やWebでしか,目にすることはありませんでしたから。本沼の住人の方には,片腹痛い話かも知れません。
Commented by yusuke at 2005-03-13 22:18 x
お子さん、男前過ぎです。そして、猫使い。いいな~、猫語を全く解さない私は逃げられてばかりですよ。にしても、C_Cさんのご家族の写真ステキですね。写真から幸せが滲み出てるようなそんな感じで。ところで、このレンズ結構欲しいです。ピントがマニュアルでズームってしっくりこないような気もしますが、結構軽いし35㎜より広角を持って無い私には充分魅力的だったりします。
Commented by complex_cat at 2005-03-14 07:33
このレンズは,軽くて,そして何よりもZeissの沼レンズ(ズームも数本あります)と違ってノーマークで安いんです。でも,今巷に溢れているなんちゃってZeissやなんちゃってLEICAレンズと違って,間違いなくZeissの意匠によるものです。また,数値性能値も一般のZeissほど良くないから,カタログオタクからもノーマーク。使えるということは,使っている人だけが知っています。これとAriaのセットで売って,Zeissの世界に引きづり込もうという今は死語になっている「入門レンズ」だったので,決して実力は低くないですよ。問題は,これ持っていると2.8/28や2.8/35や2.8/85などをまともに揃えなくなってしまうということです。単焦点はまたまた素晴らしく良いのですが,通常撮影だと,これで足りちゃうから。
名前
URL
削除用パスワード

※このブログはコメント承認制を適用しています。ブログの持ち主が承認するまでコメントは表示されません。

by complex_cat | 2005-03-13 21:07 | My Tool | Trackback | Comments(2)

Necology(=猫+Ecology) and Nature Photo Essay, Camera classic, Martial arts & etc. 本サイトはhttp://complexcat.exblog.jp/です。画像はクリックすると大きくなります


by complex_cat
カレンダー
S M T W T F S
1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
31