Vario Sonnar 28-70/3.5-4.5 T*
2005年 03月 13日
画像は,南九州では珍しい,落葉樹の新緑の混在する渓流の中,林冠を撮ったもの。このときは,徹夜のコウモリ調査と空振りのカワネズミ調査で未だ5月,とても寒かったのを覚えています。
ちょっと,時間がないので,出てきた分からというわけで,統一感のない画の羅列にて。
今のデジカメのズームを,このズームレンズ並みに逆光で同じように使おうと思うと,流石にきついですね。倍率やレンズ枚数が多いので,当たり前と云うことだと思いますが,はっきりしたゴースト,フレアー以外でも,画質低下は,酷いものがありますね。デジタルの使用比率が上がってきて,デジイチを買うしかないと諦めております。
まぁ,MTFなどもレンズの一性能のパラメータであって,キヤノンさんは,設計上の最適解を追求できるでしょうから,それを追うのも,何となく・・・です。
Zeissレンズの評価でよく目にする性能は,
1)快調再現性。特に暗部。潰れずに,またデジタル的な縞にならず,連続的に繋がる。これは性能の良いデジイチと共同開発で詰めたらどうなっていたか。あぁ,そうか。その答えの一つがCONTAX N Dだったのでしょうけど。ほとんどあれはオーパーツとか,「巨神兵」とかと同じになっちゃった。
2)描写性能の中央から周辺への変動のつながり。こういうのって単一のパラメータで表すのは難しいなと思います。古の名言,デッコマヒッコマともちょっと違いますが,驚くほど立体的に写るその画の理由みたいな説明として読んだことがあります。検証は,私には無理ですね。
3)収差バランス。これも,単一のパラメータでは表現するのは無理でしょう。レンズの周辺から入射した光線と中央付近から入射した光線の収差の上手い具合の混ざり合いみたいな,よく考えると収差の癖みたいなモノも,独特の描写「性能」に寄与しているみたいな話があって,痘痕もZeiss。
4)発色。これは,個人的好みもありますが,こってり感のある油絵調のレンズというのは,余り日本のレンズの発色にはありませんでしたから。私が20代の頃愛用していたOM用のZuikoなど,誰が表現しても「お茶漬け」とか言われてました。彩度の高いキヤノンさんのそれとも違う。デジタル機の評価でも半ば公然となった「記憶色」とかいう分けの分からない表現の元祖はZeiss描写についてのテキストからだったような気がします。良い悪いは別にして,原色再生よりも,表現のための発色というのが微妙なバランスの元に成り立っていたというあたりで,ユーザーの見解が合うところでしょうか。その上,T*コートで,もの抜けの良い透明感のある発色というのが,まぁすべてのレンズで同レベルとは申しませんが,Zeissの売りであったと思います。
Zeissの本気である,沼レンズについては,今まで本やWebでしか,目にすることはありませんでしたから。本沼の住人の方には,片腹痛い話かも知れません。