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Oliginal Voigtlander Dynaron 4.5/100,Skoparon 3.5/35


Oliginal Voigtlander Dynaron 4.5/100,Skoparon 3.5/35_b0060239_2139897.jpg
名玉の多い,Olignal Voigtlanderですが,Prominant用レンズで,標準以外は,あのマニアックなレンジファインダーカメラであるProminant本体を使ってしか,その写りを楽しむことは出来ません。私の,使い倒すような扱いに耐えきれず,I型はあるときシャッターが壊れてしまいました。II型のみ健在ですが,なかなか,よほど精神的余裕のあるときでないと使う気になりません。
Dynaron 4.5/100と,その番をしている在りし日のジタン。このときのDynaronは,確かまだみおさんからの借り物で,その後,写りにびっくらこいて,自分自身用のものを手に入れたのでした。Nikon Coolpix 995


Oliginal Voigtlander Dynaron 4.5/100,Skoparon 3.5/35_b0060239_2141452.jpg
すげ〜!と驚愕した最初の撮影からの一枚。クリックしてみて下さい。まるで中判みたいな雰囲気があって,大Zeissですら後塵を拝していた,在りし日の光学メーカーの実力をかいま見た思いでした。ヤシコンZeissでも芯を食ったような写りで,中判で撮ったと思えてしまう写真というのは,そんなにしょっちゅうあったわけではありません。Oliginal Voigtlanderレンズによるものは,そう思える画が,何枚かはありました。

 出水平野ツルが分布する干拓地の一つ,クリークが流れる風景です。ちょっと感動の大きさに比例して,でかいサイズで載っけてしまいました。スキャニング時のゴミも,当時は全然気にしていませんでしたので,多いです。お許しを。

 ライカのようなある意味でシンプルで使いやすい本体を創っていたら・・・と思うのですが,当時,斜陽にあってもキングのプライドの固まりだったと思われるあのメーカーにそのようなことを望んでも無理だったでしょう。当時のメーカーの理屈と世界観では,あれ以上のカメラなど思いもよらなかったと想像します。実際,操作性が悪いと言い切ることは出来ない作りですし。でも,生き残ったレンジファインダーは結果的にLeicaだけでした。
Oliginal Voigtlander Prominant II, Dynaron 4.5/100


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某大学の高木のソテツ類。これは,フード無しでの撮影で,余り成功したとは言い難い画ですけど。Oliginal Voigtlander Prominant II, Dynaron 4.5/100


Oliginal Voigtlander Dynaron 4.5/100,Skoparon 3.5/35_b0060239_2148270.jpg
ついでに,Prominant用広角レンズであるSkoparon 3.5/35の作例も載せておきます。走る車窓から撮ったものですが,流れる近景とやや止まって写っている遠景のアンテナ,そして無限遠の夕焼け。山勘露出で結構写りました。このレンズも線が繊細でびっくり。スコパロンは,今のコシナさんブランドでも,広角形のスコパーとかの名前に繋がっております。スコパロンの名前は使わなかったようです。
 Olignal Voigtlanderブランドのスコパーといえば,デッケルマウントのものも手元にありますが,二束三文で出回っており,写りも悪くないですが,それなりです。

 以上,現在Voigtlanderブランドを襲名したコシナさんの製品とは全く異なるレンズです。コシナさんのクラシックレンズに対するオマージュは明確で,過去のvivitarブランドの海外向け安物レンズとは,次元の異なる高性能の製品を出されていますが,それでも,それらと比べても,以前ご紹介したNoktonと言い,元祖Voigtlanderレンズの性能の優劣は別にして,写りは全く違います。「レンズのラチュード」というものがあるとするならば,その性能は,残念ながら,モーツァルトの時代にもう存在した最古の光学メーカーのオリジナルレンズに軍配が上がると思います。
 他に名玉と呼ばれるものにはUltronやHeliar,3枚玉のFoigtorなどがあり,どれもその魔味に掴まる可能性があります。Leica Lマウントレンズが出回っていたら・・・どれもLマウントNoktonのようにオークション的にはちょっと恐ろしいことになっていたかも知れません。
 ともあれ,京セラが撤退した今,本気でZeissのパートナーになることを決めたコシナさん(レンズは両社のコラボ、ツァイス生産: 2レンズ; コシナ生産: 5レンズ)に,私はエールを送りたいです。
 当分,コシナさんのレンズを手に入れる余裕は無さそうですが,大Zeissとの蜜月を謳歌したヤシカ光学部門以上に楽しいものを創られることをお祈り申し上げます。
Commented by benebello55 at 2005-03-16 22:57
すげー!この空とクリークに写る雲。なんなんですかこの圧倒的な存在感は!ここでカヌー漕げたら死んでもいいっす!最後の川下り。
Commented by kyoko_fiddler at 2005-03-16 23:09
benebello55さん、カヌーも漕いじゃうんですか。うわー。

やだなーやだなーなんかこういうレンズとかいっぱい見ちゃって、なんだかやな予感がするなぁ、私…。
Commented by complex_cat at 2005-03-16 23:21
kyoko_fiddlerさん,それは,楽器の良い奴を見ちゃったときと同じような予感なのでしょうか。
Commented by complex_cat at 2005-03-16 23:25
benebello55さん,今度は私の方が,「最後の川下り」にするクリークではないですって申し上げないといけませんね(笑)。
 すいません,これがダイナロンの中判並の写りというか写真の恐ろしいところで,私の過去のアーティクルでドブガイが死貝を晒して,アマサギが輪になって魚あさっていたところと同じ場所だなんて誰も思いませんよね。 kyoko_fiddlerさんが,気になるコメントをされておられますが,そう思って頂ける写りのレンズであるということで,アーティクルの意図は成功したかも知れません。
 でも,考えもしませんでしたが,ここを良い時刻にカヌーで移動したら,良い夢が見られるかも知れません。たしかに水も綺麗で魚群も,写真で波紋の量が凄いことからも分かるようにもの凄い量です。カワセミも画になります。でも残念ながら三面側溝,低水面の水路です。で,実は,この直ぐ近くにツルヨシが群生するもう少し良い川があります。カヌーならばそちらの方が面白いと思います。
Commented by kyoko_fiddler at 2005-03-16 23:40
いえ、もっとなんというか セイレーンの声がしてるような…。

楽器は案外、わたし誘惑されないんです。エレクトリックとエレアコ仕様の5弦バイオリンについては、比較対照になる楽器がないので、論外としても、惑わされるようなお品物にはそんなにめったにお目にかかれませんし、楽器屋さんに行っても、陳列されている楽器を手にとって見ることもあまりありません。といって、今使っている生楽器がすっごくいいもの(=楽器として)であるというわけではないのですが。
Commented by complex_cat at 2005-03-17 00:12
セイレーンですか,それはとてもヤバイ響きですね。でもオリジナルのVoigtlanderの現物を見られたら,普通の方は使おうとかって思わないでしょう。ギター弾いている人に,これどお?ギターの先祖でもの凄く深くて良いよってリュート渡すようなものですから。

 私,仰っていることを勘違いしているかも知れませんが,まだデジイチに投資される方は,かー君との生活を画にするには,ふさわしいかと思います。安全ですし,あっちの世界ではないですし。

 それと・・・例えば楽器に誘惑されにくいのは,kyoko_fiddlerさんがその道のプロだからという気がします。写真もプロの方は普通,プロ機材と呼ばれる特定メーカーのシステムをコスト&ベネフィットを検討された上で揃えて,それで最高の画を得ることを考えそのとおり実行されるわけで,マニアックなクラシックレンズの写りがどーたらこーたらなどというは,プロではないからだと自覚します。
 でも,この写り,ちょっとやばいでしょ?
Commented by kyoko_fiddler at 2005-03-17 12:24
あ、最後で落とす。
わたし、周囲からは1眼レフでも勿体無いと言われております 爆。

いえ、多分、こういうレンズって、わたしには道具としては充分に扱えないだろうと思うんです。道具として扱えなければ失礼だろうな、と思いつつ、出来上がる写真もそうですけど、レンズのブツそのものが、「うわー」なんですよ。まぁ「うわー」なだけで、実際に手に入れることができたりはしなさそうなので大丈夫でしょうけど。でも。声が聴こえる。
近寄ってはいけない気がします(笑)
Commented by complex_cat at 2005-03-17 13:37
クラシックレンズのアーティクルは,このブログではあまり書いてこなかったのですが,「思わぬ人」が反応されて楽しいです。でも,私も実は思わぬ人だったのですよ。ネットオークションで最初のProminantを落としたとき,師匠が見てられて,直ぐに本気?って電話がかかってきました。当時Zeissも道具として使おうと宣言していた私でしたので,驚いたんですね。
>わたし、周囲からは1眼レフでも勿体無いと言われております。
そうかなぁ。
「道具として扱えなければ失礼だろうな」とい言葉は,やはり一分野のプロで居られるから発せられる言葉だと思いますけど。dojou7さんは,持ち腐れになるような方に絶対に購入を奨めたりしない方だと思います。

 クラレンズとジタンって,よく似合ったのです。取り出してベッドの上においておいたら,革やグッタペルカのにおいをかいでから横に寝ていました。レンズのブツがよく見えるのは彼のおかげかもしれません。
Commented by kyoko_fiddler at 2005-03-17 14:22
1眼レフを「kyokoにゃ勿体無いぜ」と言う面々は、撮っているものが全く違います。だから、眼に映るものがまったく違っているのでなんとも言えませんが、今使っているデジカメの使い方(システム無理解で ただ撮っている)を見てそう言っているのではないかと。(^^; それとわたしの日頃の機材の使い方とか。(エフェクターだのアンプだの)彼らから見たら、わたしが「写真」とか「カメラ」とか言うのもとっても意外だと思います。自分でも思わぬことになっておる…と 思っていますもん。
Commented by みお at 2005-03-17 20:02 x
プロミネント用のダイナロン、ウルトロン、ノクトンを試して、本当に凄いメーカーがあったものだと思いました。レンズもカメラも工芸品のレベルで、プロの道具としては生き残れなかったフォクトレンダーですが、気がつけばヘリアーやスコパー(共に69スプリング)があります。あとフォイター。

デジイチで使って楽しいレンズは、なんといってもキルフィットのマクロキラー40/3.5。デジタルでもレンズの味は出ることを確認しています。69判用アンジェニュー135mmもM42ベローズにつけてスタンバイ状態なのですが、忙しくてまだテストできていません。

良いレンズは良質のオーディオと似ているところがあって、古い球アンプの透明感ある音質など、デジタルが進んでも衰えないもので、レンズを活用できる環境がいつまで続くか、それが心配だったりします。
Commented by complex_cat at 2005-03-17 20:18
みおさん,どうも。マクロキラーは何度か釣り逃がしております。アンジェニューは,これも縁がないなぁ(というよりは金がない)。
 当時にあって,光学兵器として国家予算レベルの開発費が投じられていたというのも,クラシックレンズのすごさだと思います。これはみおさんの受け売りですが(笑)。
Commented by complex_cat at 2005-03-17 20:26
私のワイフや友人達,特に女性陣ですが,カメラのメカや理屈など最低限の知識しか知りませんが(まぁ,シャッタースピードや絞りの意味,露出の感など),ある意味で彼女らの画は誰にも撮れないと断言できます。彼女たちの画を見て,私は,写真というものが余計に楽しくなりました。
kyoko_fiddlerさん,私の撮っている画が,貴女の内部に何か響くものがあるのならば,それはありがたい友人達のお陰だと思っています。
 今は,そこそこに良い道具を持ち,シャッターを切るというところで,誰にも撮れない画を楽しんでいる方達もおられます。機会があれば,そちらの方の友人達の画もご紹介していこうと思っています。
Commented by yusuke at 2005-03-17 21:31 x
横から失礼します。complex_catさんの仰るように写真の知識がそう無くても素晴らしい作品撮ってる方は結構いるように思います。私の大学時代の同級生もその一人で、彼女はマニュアルのカメラは使えないしシャッターと絞りの関係ですら最近覚えたっぽいです。でも、彼女の写真はちょくちょくカメラ雑誌に載ってましたしフォトエッセイの公募でなんかの国際会議にスイスまで招待されてました。http://www.geocities.jp/hitomi_norain_norainbow/
要は楽しんだ者勝ちって感じでしょうか。
Commented by complex_cat at 2005-03-17 21:59
ありがとう,yusukeさん,まさしくそういうお話でした。
同級生の方の写真,素敵ですね〜
Commented by kyoko_fiddler at 2005-03-17 22:38
じ・つ・は。
ワタクシ、音楽の楽典だとか対位法だとか、いわゆる文法のようなものも、殆ど意に介さずにバイオリン弾いているんです(あー、書いちゃった)だから、学生時代原始人とか、野生児とか、勘だけで生きるやつとかさんざん言われておりました。そういう行状を知る周囲の人々が、「また無謀なことをはじめるー」と、言うのです。…でも、面白くなってきてしまったものはしょうがないです。
yusukeさんのお友達の写真、素敵ですね…すごいなぁ…。
Commented by yusuke at 2005-03-17 23:45 x
私は彼女の写真を見てからは写真って好きなものを撮るのが一番だなと思うようになりました。あ~、私のその友人は、頭の中お花畑とかネジが足らんとか後輩先輩同級生にボロクソ言われてましたよ。笑 まあ、写真もこれも彼女の人柄の賜物ですが。

kyokoさんの写真楽しみにしてますよ。と、人様のブログの中で背中を押してみたり。
Commented by complex_cat at 2005-03-18 00:03
このファインダー,二重像の部分が小さいとか言われますが,私はもの凄くピントが合わせ易いファインダーだと思います。シャッター機構も凝っていて,このころはまだ巻き上げとシャッターチャージの機関部が別々なのですが,二重写し防止機構が着いています。中身はもの凄く凝ったメカだと思います。
ご紹介したRiessさんのサイトのファインダーや機関部のイラスト,なかなか楽しいです。
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by complex_cat | 2005-03-16 22:18 | My Tool | Trackback | Comments(17)

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