アカマタ
2005年 03月 23日
1灯ポン焚きでかなりトリミングしており,お世辞にも良い画ではないのですが,二股に分かれている先まで血管が通っているのが見えます。
舌にはもちろん感覚器はあるはずですが,サイトで見るとおもに振動を拾うようなことが書いてあります。ホントかどうか検証中ですが,実際の匂いの粒子を感知するところは,口腔内の上顎の中にあるヤコブソン器官と呼ばれる器官であることは確かなようです。ヘビの舌はそこに象の鼻のごとく付着した匂いの粒子を頻繁に運ぶ働きをしています。一対あると云うことで,匂いによる方向探知も出来るようです。まぁ人間の鼻の穴も二つあるのですが方向なんか読めませんから,感度が全然違うようです。おそらく匂いの分子,何百個か何十個か分かりませんが,そのような単位で検出できるのではという気がします。
アカマタは奄美や沖縄などの生息地で同所的に生息する毒蛇であるハブも,まな板に乗せます。ハブの毒はどんな動物に対しても強力な細胞破壊作用があるので,アカマタとて,咬まれればどうしようもありませんが,圧倒的な反応速度と筋力で優位に立つこのヘビは,この「毒手」の達人であるハブを全く相手にしないようです。げに恐ろしきは,多様性です。自然界は毒蛇ですら常食とするヘビを創造しているのですから。
ちなみにこのアカマタは,聞くところに寄ればものすごく臭いそうで,この死体だけはカラスも拾わないそうです。もちろんアオダイショウでもシマヘビでもなんでもヘビを掴むとかなりしつこく臭いが消えませんが,そのようなレベルのにおいではないそうです。
ハブを食べることからか,あるいはかなり気が荒いからか,奄美現地ではものすごい毒蛇だと信じている方も少なくないそうですが,もちろん無毒です。ペットにする奇特な爬虫類フリークの方も居られます。
CONTAX 167MT, Zeiss MacroPlanar 2.8/100
キャンプで蛇に遭遇されていないのですね。そいつぁ場所が良すぎるかも知れませんね。奄美のような亜熱帯産が多い場所はともかく,遭遇頻度の高い,シマヘビやアオダイショウ,ヤマカガシなどのヘビは水田や里地周辺の方が多く,逆に良い山林内だと遭遇確率が低いものですから。
奄美諸島,琉球列島,先島諸島,本当に不思議なヘビを見ました。飼おうとは思わないですけど,魅惑的だと思います。
でも,不用意に片っ端から咬みつくヘビって,日本にはそんなにいません。ハブなど問題にならないレベルで,血清もない強力な毒を持つヤマカガシとかウミヘビなど,毒があることが地元の文化的知識として把握されていないことも少なくありません。それだけ本当に滅多に咬まないと云うことです。まぁ,彼らなど,毒腺も歯の奥の方にあって,歯も注射器型になっていませんし。