Rain and Reflex of island

雲霧林の中でデータを取っていると、色々な場面に遭遇する。ものすごい濃霧を何とか写し込もうとして、何枚か設定を変えて撮影した。これが、ロー現像から一番らしく写っていたショット。
虹はしょっちゅう見ている。この島自体が、巨大な天然の虹発生装置みたいなものだから。
照葉樹林では、種名も分からに事も立って、いまいち、きのこの楽しみ方がよくわからないのだが、ブヨヨンと何やら地面に広がっていた。

ヤクシマテンナンショウの実を、シロハラがついばんでいた。この目立つ色は鳥散布種子の適応形質だが、後輩がこれを口に入れて転げまわったのを見ている。実際に、厚労省の「 自然毒のリスクプロファイル」の本種が含まれる項目には「口唇、口内のしびれ、腫れなどのほか、腎臓にシュウ酸カルシウムが沈着して腎機能を障害する。」とある。後輩も味蕾が溶けるでもしたように何も味を感じなくなったと言っていた。

　その毒性と鳥散布種子の形状と実際にシロハラが食べていたそれぞれの事象が符合しないのだが、この方のエントリを呼んで合点がいった。なんてことはない、ただ単に、未成熟果のフェイズでは、有毒であるということで、フライングによって未成熟種子のまま採餌されるのを防ぐ働きのよう。未熟な実を食べた後輩が転げまわった姿と、中毒情報とコーンの毒々しいまでの鮮やかさと毒草という先入観で見ていたが、熟すれば、うす甘くて人が食べても旨くないけど普通に果実食の鳥の餌になるレベルの実だという話。

「晴れ時々くもりところによって一時雨」が、一番符合する天気。今回は、天候に恵まれた方。おかげで個人的な実験地での設定を済ませることができた。

　ついでに久しぶりに猿川のガジュマルの木のところに行ってみる。ここのガジュマルは、環境省データによれば幹周13.5ｍとあるが、形状を見ればあまり意味のある数値とは思えない。むしろ一個体がとてつもなく広い領域を覆っていることの方に驚く。　過去、フィルムカメラ（いわゆる今でいうフルサイズ）で何度も撮影したり（「広角好き」 ）しているが、今回はちょっと思いついたことがあって、通常のコンデジで撮ってみた。特異な気根が発達する不思議な空間が上手く１枚に収まってちょっと嬉しかった。　実は、今ではありふれたスイングパノラマを使って撮っただけなのだが、カメラを縦位置に構えて横に振るという使い方をした。歪の少ない方形魚眼で撮ったに近い領域が写っている。　下の画は、サイズ自体が小さいので何だが、普通に横位置に構えて撮ったもの。左右の広がりは出るのだが、距離が取れない森林の中では、樹冠近くまでを切り取ることができないので、大きな木だと上下の寸詰まり感が出てしまう。縦位置で横スイングを使うと、樹の上の方まできちっとフレーミング出来ているし、横の切り取り幅も横位置で横スイングに比べて70％ぐらいだろうか。そんなに見劣りしない。

これが横位置に構えて下から上にスイングさせて撮ったもの。スイング中は最初のフレーミングの時にAEロックがかかるから、輝度差の少ない下から撮れば、空が増えて逆光になる上部も、時間を選べば上手く露光が収まる。

APSサイズミラーレス＋50mm/f1.4の切り撮り。本当の意味での標準レンズの画角だと、標準レンズを使いこなせば、割と広角表現ができる。短望遠80mmの画角なので、ちょっとしんどいが、写すところを選べば、それでもガジュマルの不思議な広がり方は表現できそう。　標準レンズで撮りまくっていれば、写真が下手になっていかないという自覚がある。でもAPSサイズでは、この安価な1.4標準レンズの良さが半分も使えてない気がするので、本気でα7シリーズが欲しくなっている。デザインは叩かれている記事が多かったように記憶しているが、私は嫌いではない。ペンタプリズムのロゴを別のところに移して、上下を少し短くできていたら、往年のCONTAX RTSのオマージュみたいなデザインになって擁護も楽だったのだが。