春の花 (part2)

春の花 (part2)_b0060239_951984.jpg
ツメクサSagina japonica。ナデシコ科の一年草または越年草です。移入種であるマメ科のシロツメクサ,ムラサキツメクサとは関係ありません。また,近縁種の移入種アライトツメクサS. procumbensでは萼片4枚で,これほど見事な花弁はありません。高山植物のタカネツメクサMinuartia arctica hondoensisはやはりナデシコ科ですが属が異なります。別の飛ばされてきた種子が蕾に引っかかって光っているのが面白いですね。都市生態系の営みを感じます。


春の花 (part2)_b0060239_955157.jpgカラスノエンドウVicia sepium。マメ科の代表的な春の花です。

春の花 (part2)_b0060239_971546.jpgスズメノエンドウV. hirsuta。小さな小さなマメ科植物ですが,花を見るとやはりマメ科。これは,開花する前のつぼみの状態です。

春の花 (part2)_b0060239_964542.jpgカスマグサV. tetraspermaはカラスノエンドウとスズメノエンドウの中間ぐらいだと云うことで,「カ」と「ス」の間という意味でつけられたとんちのような名前です。植物の名前は機知に富んだ名が多いですね。これは昆虫などよりは,その特徴が即物的ではないということもあるかも知れませんし研究者のセンスでしょう。ニセなんとかとか,モドキとかダマシなどという反則技の名前はほとんどありません。これは学名などでも伝統があって,植物の場合ラテン語でちゃんと意味を持たされております。一方昆虫の方は,種類が多いので,奥さんの名前などはよく聞く話でしょうけれど,研究室に出入りする可愛いと思った女の子の名前を片っ端からつけたグループなどが実際に存在します。ある昆虫の分類群の新種記載の発表を,植物の老教授が聴いておられて,「いいの?! それで??」って驚愕されていたのが印象的でした。昆虫の場合数が多いというのがエクスキューズになっている感もありますね。でも,私はこういうお気楽な命名も嫌いではないですけど。
 マメ科はRhizobium などの根粒バクテリアと呼ばれる共生窒素固定微生物との共生によって,土に含まれる空気中の窒素を利用出来るので,荒れた土地でも成長することが出来ることはよく知られたことです。キューティー・ハニーじゃないですが,空中元素固定装置を持っている強みで,都市生態系でも逞しく生きられるものが少なくありません。
Tracked from Nature Log at 2005-04-19 00:42
タイトル : ツメクサ
撮影日時:4月15日 撮影場所:東京都渋谷区 渋谷で道端にしゃがみ込んで草の写真を撮ってたら、通りすがりの人にジロジロ見られました。 都会にもたくさん花があるのに普通の人は雑草という一つの見方しか出来ないのかな? もったいない・・・ もっと四季を身近に感じて人生を豊かにしたいねぇ... more
Tracked from ふらわのだらだらだいあり at 2005-04-25 19:11
タイトル : *istDSで撮影した写真 カラスノエンドウ
カラスノエンドウ(クリックすると1024×768のサイズの画像が表示されます、壁紙などにどうぞ)朝に撮影し直したので、まだ花びらが咲いていません。 この花は、私の買った花の図鑑には載っていなかったです。 十センチくらいの丈で、一センチにも満たないエンド...... more
名前
URL
削除用パスワード

※このブログはコメント承認制を適用しています。ブログの持ち主が承認するまでコメントは表示されません。

by complex_cat | 2005-04-06 09:07 | Micro Flowers | Trackback(2) | Comments(0)

Necology(=猫+Ecology) and Nature Photo Essay, Camera classic, Martial arts & etc. 本サイトはhttp://complexcat.exblog.jp/です。画像はクリックすると大きくなります


by complex_cat
カレンダー
S M T W T F S
1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
31