離島の調査に持っていく車体として中古つなぎあわせて作っていたものは、ベースフレームが
GT Timberline i-Drive5.0の多分2001年モデル。フロントにSuntourの安いディスクブレーキ専用のサスペンションフォークを嵌め、700☓28cのタイヤに換装した。流石に腐ってもGT製品、この時代からディスクブレーキのユニバーサルマウントがフレームにも付いている。 I-driveはリアサスペンション機構を付けたMTBの弱点であるネガティブなペダルキックバック、ペダルボビングを軽減するという特異なメカで、コンベンショナルなリンクのフルサスMTBを先に完成させて乗ってみて、その意味がよくわかった。悪路ほどその性能を発揮する。
手元のMongoose Proのフレームは古く、ディスクブレーキその他いろいろ整備したこともあって、気がついたら相当弩ヘビーなMTBになった。年式を考えるとこんなものだが、まあ、丈夫そうではある。ただ、フルサスのポンピングはターマックではマイナス面が大きく、バネ係数を高めてリジッドに近い設定にしてある。目下のところオクタリンクのBBが安いの買いすぎたためかちょっと締めが甘くなる。
いろいろ考えたが、島に持って行くには大仰すぎるので、あくまでトレーニング&ポタリング用に使うかなと。それでも、トップスピードは上げてあるので、体力があれば、700cを嵌めておけばその辺のクロスバイクれべるならばカモれる。29erでもない、細いタイヤを嵌めた重量型のMTBがすっ飛んでいるのは、とても気持ちが悪いものに見えるだろうけど。GTの i-Driveも基本的にターマックでは利点はあまりないが、縁石を飛び越えたり、不整地になると、衝撃を感じず、滑らかに走れる度合いはさすがに高い。まあ、中古の素人の組み上げなので、あくまでシビアに林道を攻めたりしないことは前提である。リアサスのコイルスプリングをチューニングした結果、リアの動きは気にならない。
1号であるMERIDA TFS 100-Rはの013年モデルは、フロントはカーボンでも何でもないコンベンショナルなMANITOUのサスペンションフォークに換装してしたオリジナルのMERIDA改。デュアルパーパスバイクとして、また、ディスクブレーキを嵌めたかったからなのだが、リジッドのカーボンフォークでディスクブレーキ用というのは、どちらにしても高くて手が出せなかったというのもある。シートチューブが最短のものだったため、ローエンドとはいえ、割と軽量のベース車だったのだが、フロントをサスペンションフォークに替え、8sスプロケット、ディスクブレーキ、シートポストステイ型の荷台など、装備をつけまくったのでかなり重くなっていた。
実際、700cをOld GT i-Drive 5.0に嵌めて乗ったらあまり車体の重量感覚にMERIDA改と違いがないので、ちょっとショックだった。TFS 100-Rは8sでトップは11Tで、結構そこそこ速いなと思えるが、実際軽量高額ロードに比べれば漬物石だ。クロスバイクのベースが高額なら、もう少し軽かったかもしれない。
結果的に適当な部品でリビルドした
GT Timberline i-Drive5.0は整備重量13.8kg。今回も700cと26インチを交換して乗り換えるため、Vブレーキではなく、わざわざShimanoの石ころみたいな廉価版ディスクブレーキに交換してあるが、日頃、糞重い重いバイクばかり乗っているせいか、鈍重さを感じないということもある。ここの鍛え方は、フィールドワークや格闘技などでの今までのパターンになかったもので、足の向う脛の筋肉が独特のエッジ型の盛り上がりをしている。
1つ問題があって、i-Driveの複雑なフレームの隙間にいれこむようなフロントディレーラーをに苦労したのと、古いクランクギアをはめていたらペダル穴のネジが潰れて外れてしまった。画像のように、ナッチによる執拗なチェックもしてもらったのだが、仕事の後、チコの関係で獣医さんまでと、700cタイヤに物言わせてトップでクロスバイク並みにぶっ飛ばして乗っていたら、クランクのペダル穴がねじ切れてぶっ壊れた。ということで、現時点で、この画像より完成度は後退してまだ完成してないのだ。
悪くないなと調子になったところだったので、さすがあちこち中古の寄せ集めである。クランクだけは新調するしかなくなった。Merida改やMongoose proの時もそうだったが、基本パーツは組んでから2ヶ月ぐらいは毎日乗ってネガ出しをすることにしている。自己責任なので、販売、整備責任のあるショップ並にハードルを上げる必要はないのだが、全て安くグレードの低い中古品ですまそうというのは自転車の場合、多分虫がよすぎるのだろう。
高齢者用チャリのジレンマ
父親に適当な自転車を探している。 免許は更新しない決断をしたらしく、まあそれも、必要ならタクシーを使えば維持費と比べても問題にならないということらしい。実家からマーケットまでちょっと買いだしに行くのに、父は最近はバイクばかり乗っていたのだが、荷物を載せるために必要だというので、免許返上すると、シンプルに自転車ということになった。実は話を聞いてみると、研究熱心な性格は私の父親なので、本人は、既に電動シニアカーも手に入れて試運転もしたらしいが、こんなの乗ってたら確実に足腰はだめになると、Panasonic製のパワーアシスト自転車に乗り換えたらしいが、どうも漕ぎはじめの違和感が好きになれないらしく、それで普通の自転車という話になった。電動アシストは坂の途中からの漕ぎ出しでもそれなりの速度が出るようなチューニングになっており、専門家に聞いてみると、他のブリジストンやヤマハなどに比べるとPanasonicのそれは、一番マイルドな味付けではあるらしい。
ちなみに、前1輪後ろ2輪の三輪車型は、パワーアシスト型のものまであるが、補助輪付きの怖さと同じで車幅感覚がずれて、溝脇や車との離合に神経使ったりで、やっぱり自転車人生の長い父には向かないと感じた。前2輪後ろ1輪のものもあるが、これは前の車輪の制動をシンクロさせなければならないというメカニズムへのコストの問題から一社しか作っていない。基本、三輪バイクは安定しているが重いし、パワーアシストがついたものは前述の問題を抱えるので、父には合わないとのこと。
私がいつも思うのは、高齢者向きシティサイクルは軽量アルミボディで、足つき性もよく、変速装置も内装にしてもう少し多段でスピードが出なくても良いから、坂を楽に登れるものがあればいいなと。残念ながらパワーアシストが普及したお陰で、車体は20kgをはるかに超えて重くなっても「問題がない」ことになっている。まあ、もともとはいろいろな使われ方をするママチャリは、基本クロモリだから、軽量アルミフレームの重量級フルサスMTBと比べても、かなり重くできている。倒したり、重い荷物乗せて走ってもフレームに亀裂が入ったり歪まないといったその辺りも大切な性能だからだと思う。ただ、立ち転け防止や転倒時、あるいは引いて歩く場合のことを考えると、高齢者用のはどんなに軽くても困らないと思う。メジャーメーカーのものとしてはプロに調べてもらったらBRIDGESTONE「カリシア」CAL22Tぐらいかなということだった。このモデル、えらく寸詰まりで一見子供用自転車のようだが、非常によく考えられているとのこと。残念ながら変速もないが、その分、シンプルにはできている。軽いと言っても子供二人追加装備で乗せて3人で走るような使われ方も前提になっているので、その分補強されていて重量は16.5kgはある。
パワーアシスト付き自転車ではない私が考える高齢者向(これもゾーンが人によって全く違う)の自転車を整理すると、
◯軽量。コストを勘案してカーボンというわけにはいくまい。アルミボディにならざるを得ないか。跨ぎやすく足つき性よし。重量はホールディングミニベロのWACHSENのWeiβ BA-101が13.0kgだからそんなものであって欲しいが、そうなると20インチあたりに落ち着いてしまうかも。もっと軽くてもいいが、値段に糸目をつけないのならカーボンやチタンになるが、誰でも買えないし、すぐ盗まれそうなのであまりに高額商品化するのではダメだろう。
◯変速付き、内装7段。シティサイクルのスピードが乗った時に変速する方向のチューニングではなく、坂道をゆっくり負荷をかけずに登れるものであれば内装3段ぐらいでもいいか。内装は11段ぐらいのもある。本当はかつて出ていたような
オートマチックで変速していくギアを持ったチャリ(モジュールは
Cyber Nexusというウルトラマンネクサスをサイボーグ化しましたみたいな名前)ならそれが一番良い。
◯ブレーキは制動性やコントロールの容易さ、整備性からディスクでいっちゃう。Weiβは、やはり値段なりということもあって、ブレーキはVブレーキが一応着いているが、クオリティは低いのを感じる。
◯20〜22インチ、全体寸詰まりでもいい。
これだけかな。
話しに出たWeiβ BA-101みたいなホールディングバイク系だと、内装ではないがダイヤル式変速で6〜7段ぐらいのは普通で、BA-101は私も気に入って所有している。ギヤもスーパーローを入れた。走破性高い。ホールディングバイクだから、軽量に作るためにアルミになっているわけだが、結果的に割と悪くないなと思ったりした。ホールディングミニベロの多くは、先に紹介した「カリシア」よりも更にホイールは小さい20インチで、そのハンディを埋めるようにクランクギアの枚数が多く、高速走行にそれなりに振っている。ギヤをローにおろして走ればいいのかもしれない。
バッテリーマネージメントは高齢者には面倒なので、発電型ハブ入れてとか考えたら、やはり、作るしかないかもとかいう気がしてきたのだが、父はお前が組んだものなど乗れるかとか言いそうだし、多分それはそうかもしれない。
ビンテージ保存<<道具
ちょっと都合があって(屋根付きのすぐ乗り出せるスペースは奥様のベルトドライブ車が優先している)ぞんざいに置いてあるが、先輩からの貰い物だそうで、20年前のBianchiのビンテージロードにを友人が乗っていて、Bianchiカラーらしい車体で、美しい。カンティブレーキだから、シクロクロスなのだろうと判断。それがクランクギアが限界とか言われて、前回は中古で見つけてもらったそうだが、これが磨り減ったら次は修理は無理と言われたらしい。
そもそもクランクとスプロケット、オリジナルに拘らなければいけないものなのか、既にBBを見たらホローテックに替えられてるし、自転車屋さんも全くオリジナルじゃないとダメみたいな手の入れ方はしてない模様。代替が「無い」のか、そっち方面全く詳しくない私と所有者の友人2人で、首を傾げていた。あちこち詳しい人にどんなもんなんでしょう?と聴きまくった。
いつもの師匠からも意見をもらったが、「レバーもダブルレバーじゃなくてstiだしクランクも最近のヤツでいいと思うんですけど。」みたいな話だった。
変速機だけじゃなくて、BBもホローテックと完全に今のものが使われているので、お店の人が、当時のクランクを前提にするのが、素人的にはさらに謎が深まる。
最近、私がこそこそ出入りするようになったロードの専門店の店主に伺ったら、この手の修理は、ある程度はプロなら事前に詰められるとはいえ、今のクランクパーツ製品から当たりをつけて発注しても交換してみるまではわずかにリスクがあるので、合わなかった場合のコストまで含めて客には言いづらいのと、ビンテージにこだわるボーダーライン自体を売りにしているショップでは、そういった見識になるかも、ということであった。実際、所有側が、ビンテージに乗っている多幸感がなくなったら乗らなくなる人だったらとか、そのあたりはコミュニケーション取る必要があるのだろう。
持ち主である友人にこだわりがないので、予算決めてこだわりがないこと含め相談してみたらっていうことがどうやら出口になるかもしれない。オールドの雰囲気を出しているスギノ当たりからパーツ探す手もあるそうだが、友人の場合、道具として使えることが重要なので、部品調達については、かなりハードルが下げられるかもしれない。