逆襲のフィルムカメラ #2 ー幕面反射測光の系譜

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 ディジタル時代の直前のLeicaのレンジファインダーカメラは、M6TTL以降、MPにしてもM7にしてもTTL調光になっている。で、前回紹介したMinolta CLEと同様、幕面反射光を測る仕様になっているから、フォーカルプレーンの先幕に反射パターンが存在する。この反射パターンの形状から、スポット測光寄りの中央部重点測光の仕様になっているのが推察される。
 M7はOlympusと同じような、アベイラブルでも膜面リアルタイム調光してるかどうか自信がないけれど、TTLストロボが使えるので、やっぱりそういう制御をやっているのかなと思う。そうなると、このシャッター面の銀パッチではなく感光中のフィルム面の反射を測っているということになる。
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 ちなみに、Minolta CLEの反射パターンがこれ。白いドットで総反射率がフィルムと同じように調整されているが、パターンの状況から平均測光になるのが分かる。画面周辺に極端に輝度が違うものがあると露光が引っ張られる(特に輝度の高いものが入るとアンダーが出やすい)から注意が必要。露光補正はやりやすいから、それでも使いやすい。TTLストロボももちろん使える。私は、過去にSunpackが出していた、どこのメーカーでも対応できた(今は、カメラメーカーの制御技術とパテントディフェンスが上がって無理)DXシステムストロボを持っているので、それを使っている。Leica用には、やはり、ドイツMetz社のTTL調光ストロボが使える。

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 Olympus OM-4の膜面反射パターン。CLEや本機が販売された時、中央部重点や平均測光がアマチュア向き、スポット測光はプロ向きみたいな感覚がメーカーも強かった。実際、本機では中央重点と歌いながら、平均測光的な特性が強かったので、輝度差があるとアンダーが出やすいというのはOM-2当たりからの特性。一眼レフの測光方式はNikon FAが評価測光を採用してから、中央部重点か平均測光で測ってやって、輝度差のある場合、パターン化した補正をカメラが勝手にやるようになったから、あまり多くのユーザーは意識しなくなって、関係なくなったけど。個人的には、私はスポット測光に振り気味の中央部重点の方が使いやすいか。
 当時は最新テクノロジーだったフィルムカメラのエポック機だったOM-4/4Tiは、既にセミクラシックカメラ扱いになりつつあるが、それでも、このドットパターンを見ると、ちょっと感動する。この時代のOMは布幕横走のフォーカルプレーシャッターを採用しているから、布が微妙に伸び縮みするけど、経年劣化などにより、このパターンが剥がれ落ちるなんてことがないような技術でプリントされている。当時「アサヒカメラ」の診断室でOLYMPUSの技術部門が回答したとおり。偉いのである。
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 で、TTL測光を持っているレンジファインダーカメラの場合注意しなければいけないのは、レンズ構成が対照型の広角レンズを使う場合。一眼レフになって、ミラーを撮像面と交換レンズの間に置く必要があったため、レトロフォーカス型の広角レンズ設計が進んで一般化する前の広角レンズは、基本的に後群の飛び出した対照型のレンズ。サーカスの剣飲みの妙技のごとく、右のスーパーアンギュロンや真ん中のビオゴンのデッド・コピーのユピテル12のように、フランジの奥まで後群レンズが入り込む。これはすげー撮れるんじゃないかと勝手に夢想するような、本当フィルム面ギリギリまでレンズが攻めてきている感じなので、当然、膜面と膜面からの光を受ける受光素子の間をレンズ自体が塞ぐから、ヘタすると受光素子に光がまともに当たらない。測光表示がめちゃくちゃアンダーを指して、正確な測光ができなくなる。
 今回その辺りまでの配慮が割と近年出されたLeicaのTTL測光にあるかなと思ったが、やっぱり無理であった。露出計を確認すると、1970年代のMinolta CLE同様、MPもM7も意味が無いほど低い露光数値を示していた。Old lens対応よりは寧ろ広角もレトロフォーカス型設計レンズの使用を前提にしている。分かる奴は、クラシックな広角レンズ使う場合は、外部露出計使えということだ。
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 昔からのレンジファインダー使いや別個の露出計で露光を組み立てる手順を持った人には、何ら問題はないが、どちらにしても、外部露出計を着けておくのが無難となる。VCメーター買っておいてよかったなと思う。

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オリジナルContaxとそれ用のビオゴン21mm(左)。クラシックレンズの広角の銘玉はレトロフォーカス型ではなく、対照型で後群が後ろに張り出すのが普通だから、やっぱりこんな感じ。右のCosina Voigtländerの新しい広角レンズは、全てレトロフォーカスだから、ちょっと全体が長くなるけど後群の突出がないので、TTL露出計を組み込んだLeica M/L型ボディの眷属で使う場合も、露出における瑕疵がない。
 銘器紹介ばかりで、ちっとも撮影した画が出てこないけど、まあ、チンタラ撮影は進んでいるので、そのうち現像した分が上がります(はず。
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 おまけ。安原一式と、それに搭載されている幕面反射測光のパターン。縦走りフォーカルブレーンシャッターの羽の一枚を塗装してある。

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 機械式シャッターだが、ファインダーが衝撃で狂いやすかったり、角部分の節度感など、そのあたりはコストなりで、ノウハウが及ばないところもあったが、一度調整に出して以降は現在も異常なく使えている。シャッターも1/2,000secまでの高速になっている。これは、当時、流用されたこの量産されたシャッターモジュールの仕様が標準でそこまで達していたことにほかならない。まだ作られているかもしれない。
 このあとコシナがベッサでL/Mマウント互換機とレンズ群を出す商売をやって一定の成功を得たが、本当にフィルムカメラ市場はそれから、デジタルに押されあっという間に極小化していった。

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by complex_cat | 2015-09-30 23:04 | My Tool | Trackback | Comments(0)

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