逆襲のフィルムカメラ #3 ーマクロ砲装填準備

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 フィルム一眼時代のベローズマクロ。ベローズユニットも色いろある。Leica R8(左)とCONTAX AX(中)+Macro Planar 2.8/100mmは巨大な一眼。OM-4(右)+Zuiko Macro 3.5/50mmのものは「オートエクステンションチューブ」と呼ばれた。ベローズと中間リングの両方の長所を持ち、フォーカシングで昆虫が逃げにくいように操作できる。こうやって、コンベンショナルなベローズシステムと比較すると、本当によく出来ているなと思う。ただのマクロ用中間リングでは、開放測光による絞りの自動絞り機構が機能しないわけだが、これは持っている。また、かつてのベローズ製品の多くは自動絞りを持たないし、Leica Rのそれも同様だが、Novoflex Bellows Unitは持っている。
 Leica R8のものはベローズマクロ専用レンズのMacro Elmarit R 1:4 100 mmで、ヘリコイドを持っていない。フォーカシングはベローズをつけた状態で非常に広い範囲にフォーカスが合う。オリンパスのオートエクステンションチューブ専用レンズの80mmと135mmマクロも同様の仕様。逆に、本体だけで無限遠撮影までできるマクロレンズは、ベローズをつけるとより高倍率の撮影はできるが、そういう訳にはいかない。一方、ベローズ専用マクロは鉄の塊のようなベローズと一体で無いと機能しない。自動絞りが機能すると、一眼レフのファインダーが暗くなってフォーカシングに苦労することはないので、実際の絞りのまま、作業をすることができる。自動絞りがないシステムだと、フォーカシングをしてから再び絞り込むので、動きまわる動物や風に揺られる花などフォーカシングの位置が変わるものは博打成分が多くなる。
 ただ、今の有機液晶ビュワーなどを持つミラーレスだと、絞り込んでも露光を含めある程度は、撮影時のイメージそのままなので、マクロユニットはその枚数制限やコストなども含め、デジカメ時代になって苦労が減った。最も、クラシックレンズとそのユニットを引っ張りだして撮影しなくても、今時だと5軸の手ブレ低減機構だとかフォーカスブラケット機能などの高速演算画像合成を基本にした飛び技もあるので、古い機材にこだわることの意味付けはいろいろ難しい。
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 まあ、うまく撮れた時、あるいは撮れるように頑張ることによるのutility問題なのかもしれない。水前寺菜の上を動き回っていたカナヘビ。今のコンデジはマクロ撮影を気楽なものにした。小さなCCDをもったデジタルマイクロスープのような機能を持ったコンデジが登場する前、フィルム時代はこういう装備でないとマクロ撮影はできなかったと考えると、ある意味とても不思議な気分になる。それでもよく撮れる。コンデジは、結局、ビューファインダーできちっと固定して像面を丁寧に選んで撮れないので、望遠マクロ的に使うとちょっと苦労する場合が多いが、大方は、深い被写界深度でなんとかなる。
 フィルムの高感度はしれているから、野外でもアベイラブルライトでの撮影は限界が合ってリングストロボが更に必要になったりする。フィールド深く分け入って移動しながら何かを撮影とかなった場合、こういった装備を振り回すのは、骨であった。というか、撮影そのものを生業にしていないと、多分使う人は少なかったと思う。まあ使うとしてもラボとかインナーな撮影環境でというのが基本で、これ背中に背負って、熱帯雨林の昆虫を撮りまくり、みたいな人は見たこと無いし頭おかしい。
 わたしが野外で遭遇した最もヘビー級銀塩カメラ装備の人は、アサヒペンタックス67に専用マクロレンズ着けて走り回っていた人で、彼はプロレスラー級の体格で、彼の柔和そうなでかい手に、機材がジャストフィットしていた。
Canon EOS Kiss X3, Leitz Wetzlar Macro Elmarit R 1:4 100 mm
 
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 カナヘビを撮影していた横で、チコが爆睡していた。いきなり、1m以上の距離になるが、ベローズつけたまま短望遠として一般撮影もできる。
Canon EOS Kiss X3, Leica Leitz Wetzlar Macro Elmarit R 1:4 100 mm
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 チコの水飲み用の瓶に、チガヤの種が落ちて浮いていた。真ん中のは、卵を産んで寿命を終えた蚊sp.だろうか。
Canon EOS Kiss X3, Leica Leitz Wetzlar Macro Elmarit R 1:4 100 mm
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同じ被写体を、Zeissの望遠マクロの雄で撮る。比較のために同じデジカメユニットで撮ればよかったけれど、まあ硬いことは抜きにしよう。屋外とはいえ、開放でもベローズやヘリコイドを伸ばして、相当露出はきつくなるので、ISOを上げたくなるが、私の古いキスデジだとノイズ面で無理なので、少しだけ新しいミラーレスユニットを使って水面の揺らぎによるブレを抑えた。
SONY α NEX-6, Carl Zeiss Macro Planar 1:2.8/100 T* + Novoflex Bellows Unit

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おんなじところで寝たままのチコべぇ。流石にこの被写体、この距離だと1枚めの画像の真ん中のシステムではベローズつけたままではフォーカスが合わないので、単体のMacro Planarにて。
SONY α NEX-6, Carl Zeiss Macro Planar 1:2.8/100 T*

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 これはおまけだが、L/Mマウント→αEマウントアダプターにはヘリコイド伸ばして、RFのレンズの最短撮影距離を縮める機能を持つものが有って、考えたこともないやり方で銘玉の近接撮影ができる。これは、ヘリコイド伸ばさないノーマルの状態。
 この Jupiter 3 は東西にドイツが分離される前の大Zeissが設計、生産したZeiss Sonnar 50mm f1.5のロシアンコピーである。第二次世界大戦後、旧ソビエトにより接収、再構築された人民公社カール・ツァイス・イェーナで生産が続いていたそのまんまゾナーの旧ソ連国内生産品で、工場の熟練工と加工機械と硝材等材料は同じもので、生産されたのでその後、それのコピー工場が作られ品質的にどのくらいの幅で収まったのか、どの位の不良を撥ねていたのか分からないが、直径といえ無くないものも存在する。凄く安いけれど、当たり玉は天才レンズ設計技師Ludwig Jakob Berteleが設計したSonnar 50mm f1.5と同等のポテンシャルを持っている。ハイテクである現在の多層膜コーティングに依存しないで、抜けとグラデーション、より小さな収差などを達成したレンズ設計は、ある意味経年変化に強いかもしれない。現代のデジカメ時代になっても、その解像感と柔らかい描写とのバランスや発色に驚いたりする。
 このとろけるようなボケと発色は、とても気に入っていて、Lマウントコピー機の安原一式で使うとなんとなくバランスが取れたりする気分になっていたが、今回、近接もできるマウントアダプターを新調したのでデジカメで使ってみた。フィルムでも使いたいが、とりあえず、使うべきレンズが多すぎて、跡割増しになるかもしれない。
 現在、フィルムカメラは8台ほど、平行して使っているのだが、プレッシャーになるので、ちんたら撮りたい時に撮りたいものを撮ることにして、現像にいつ出せるかとか、あんまり考えないようにする。
SONY α NEX-6, Jupiter-3 50mm f1.5
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 マウントアダプターのヘリコイドを伸ばして。ナッチの躯幅ぐらいがいっぱいにフレーミングできる。M-Eマウントアダプターはもっと伸びるのも、精度を重視して伸びないのも、精度が悪くて無限遠が出ないのも、いろいろあるので、お好みで。
SONY α NEX-6, Jupiter-3 50mm f1.5


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 手元にあるレンズマウントアダプターの標準レンズ焦点距離での最短距離撮影が、だいたいこんな感じ。なんかボケなんかも、全然自然で、単純に物を大きく綺麗に写すという機能だけで見ると、下の後述するRF用マクロ短望遠レンズに対してのCPは測りし得ない。

SONY α NEX-6, Jupiter-3 50mm f1.5
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SONY α NEX-6, LEICA MACRO-ELMAR-M f4/90mm

 レンジファインダーでマクロ撮影、みたいなのは余り考える方向でないわけだが、Leicaのレンジファインダーカメラにおいては、ビゾフレックスと専用レンズという、RFマウントとレンズの間にミラーボックスをかますという、擬似一眼レフに返信させるマニアックな装置を作った。これは、当時、Leicaが常に意識せざるを得なかったモーツァルトの時代からの巨大光学メーカーであったVoigtländerの主戦機、Prominantもオプション機材としてビゾフレックス的なもの(名称を失念)を用意していたから、そんなに驚くことではない。Prominantのレンズは、当時LeicaどころかZeissですら後塵を拝していたほどだから、ポテンシャルは物凄くて、未だにそのレンズにハマる人は多い。というかイーグルスが出た時のCSN&YとかMarillionが出た時のPinkfloydみたいな存在なので、なんていうとますますわからなくなるかな。要するに巨大ボスキャラだったわけだが、あまりにも老舗的な硬直化した設計と、ユーザーが慣れろ的な操作性、マニアックな独自路線というか彼らがつくればそれが標準になるだろうと思っていたろうから、その滅亡への道はいろいろなものを想起させてくれる。
 現在はリコーに吸収されたPENTAXを産んだ旭光学がクイックリターンミラーを作り、像の消失時間を極小化して本格的銀塩一眼レフ時代により爆発的な適応放散が生じるまで、カメラで望遠使うというのは、レンジファインダーカメラが基本だから、ミラーボックス的なビゾフレックス的なやりかたが特殊なことではなかった。
 で、Leicaというメーカーは今時は流石に軽快なレンジファインダーカメラでビゾ的な方向ではなく、そのまま近接撮影ができる超高額レンズを作っている。専用マクロアダプターやRF用の「メガネ」も別に存在する。
 マクロと言っても素で使った場合、控えめな近距離撮影になるだけだが、そもそもRFカメラは短望遠の焦点距離あたりから、ファンダー視野との視差から、「最短撮影距離は4mですがなにか?」みたいな仕様は当たり前なので(大判カメラの標準レンズや広角レンズのレンズ設計からの流用が多かったこともある)、これだけ素で寄れるのも相当な仕様変更だと思う。
 書き忘れていたが、NEX-6はAPSサイズデジカメなので、マクロ域については寧ろフルサイズのものより拡大されて有利になる。フォーサーズになれば180mmマクロレンズ的に使えるはずだが、注意すべきなのはそのレンズの設計における最適撮影距離までが二倍になるわけではないということだ。これはよく勘違いされるが、135フルサイズフィルムフォーマットでの300mmレンズは、APSで使えば420mm、フォーサーズで使えば600mmの超望遠レンズ相当の画角になるが、目標物との最適描写限界距離が600mmと同等になるわけではないということで、撮れる距離は、300mmの場合と変わらないと思って使わないと、望遠撮影としては良い結果は得られない。まあ、∞でも風景撮影描写などについては、また別の評価になるけれど。



Commented by jinsei_rarara at 2015-10-06 22:28
1枚目カメラ三台並んで迫力ありますネ~!
持ったことないし持ち上げられるのかどうか
かなりの重さじゃないかと想像します(;^ω^)
フイルム写真楽しそうですね。
作品楽しみにしてま〜す(^_^)/
Commented by complex_cat at 2015-10-07 16:36
jinsei_rararaさん、はい、今時、こんなの持って写真を撮って回っていたら、通報されるかなと思います。
フィルムは、来週ぐらいから現像が始まると思います。
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by complex_cat | 2015-10-03 23:22 | My Tool | Trackback | Comments(2)

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