秋の虫と言っても、このブログなので、「チンチロチンチロリンチロリン」とか「りんりんりんりん りいんりん」とか云うような風情のとはちょっと違う虫の話。ああ面白いってなるかどうかは、そのひとそれぞれか。
画像は仕事の合間のコンデジによるメモ撮りなので、まあ、詰めることもできなかったしクオリティはいまいち。それでも、普段目にしない行動なども見られて、ちょっと嬉しかった。
センチコガネは、「糞虫」とか言われたりするので、スカベラのごとく哺乳類などの糞を選食しているような印象を受けるが、実際の食生は幅広い。シカの遺骸の血肉に取り付いている。糞食するために哺乳類などの死体の肛門から潜りこんだりするが、内蔵はずたずたに食い荒らす。シカの遺体など、分解が進むと消化管の形にセンチコガネが塊になっていたりする。
多くの哺乳類の死体を見ると、ああ、山林内で死ぬって、ヘタするとセンチコガネに緩んだ肛門から潜りこまれて腸内糞便毎内蔵食われることなんだなぁと思ったりする。
シカの遺骸にやってきたキイロスズメバチの斥候。肉がフレッシュな内は、足繁く通って、肉団子を作っては他の分解者と消費していったのだなと思う。私は、アレルギー検査をして、ハチ毒に対してはエピペンの携帯の必要が無いことが分かっているが、それでも、やはりこういうのに飛び回られると、ちょっと緊張する。自分の体近くを飛んでも、手で払ったり追わないように注意する。
ちなみに、遺骸の周辺の地面には、先ほどのセンチコガネの産室となる巣穴だらけ。死体をかじってそのままその下に穴をほったのだなと分かる。
少年期、いろいろな生物の画を見たりしていて、結構印象に残っていたのが、シラミバエの画で、明らかに見た目ハエみたいな翅のある昆虫なのだが、脚が奇っ怪にも太く長く、そう、シラミの脚みたいという不思議な昆虫の画だった。確か、アフリカ産のものだったと思う。哺乳類だけではなく、コウモリや鳥類などにも寄生する、宿主が居ないと生存できない絶対寄生者のシラミバエ。シラミでハエって、最悪のキメラみたいな昆虫。
どうもその中の
シカシラミバエの仲間が、分布拡大しているようなのだが、初めて見た。時間もなかったし、マクロ系に強い撮影機材を持っていなかったので、このサイズで申し訳ない。思ったよりも小さい昆虫だが、吸血性の絶対寄生者ならこんなもんだろう。そして物凄く高速で這いまわるのを見てちょっと感動。