久しぶりにフィルムカメラを使い出して1ヶ月半が過ぎた。Leicaも近年のM6TTL当たりまでは予想外のことは起きなかったが、それでも、M7をMinolta CLE感覚で使ってみて、すさまじい電池食いだというのを知った。大きくて見やすいLEDファインダー内表示は、酸化銀電池のSR44を4個使うのではなく、ちゃんとリチウム電池を入れてやることを前提にしていた(どちらでも使えるのだが)。デジカメになって消費電力が桁違いな世界に対応するため、リチャージブル金属水素電池が当たり前になって、ある意味、バッテリーマネージメントコストは軽くなったが、その直前の電子カメラは、そういうことが多かった。有名なのはかなり前の製品だが、Canon A1などバッテリーの進化が追いついていない時代。Minolta CLEは、M7よりも数十年前の製品で、LED表示を使っているが、全然電池食いではなくて、ある意味とてもよく出来た子。

Leicaのレンジファインダー機は、Minolta CLEや安原一式を使っていたので、戸惑うことはなかったが、まあ、ファインダー部や細部の完成度などぜんぜん作りが違うもので、M6TTLを使っていた父にM3を見てもらったら、「やっぱりええなぁ」という感想。
このM3の完成度を見て、国産のLマウントレンジファインダーを作っていたCanonやContaxRF互換機を作っていたNikonなどは、レンジファインダー機を作るのを諦め、一眼レフの開発に、資本や人的資源を集中化する方針に舵取りを変えて、その結果、今のデジタル時代にまで届く、日本のカメラ王国が作られるのだから、ある意味、皮肉なものである。
画像はNikon S3とミラーレスレンズ交換式デジカメのNikon S1。後者の命名がSシリーズへのオマージュも入っているのだと分かる。こういう写真一つでも、近年のフィルター含めたコーティング技術など、いろいろ進歩を思う。
しかしS3で撮影して思ったが、後のNikon Fの機関部分の基本は、この頃に既に完成されていたのだなと分かる。1/2,000sec.以外はほぼ同じと言って良いくらいの仕上がりのフォーカルプレーンシャッター。